毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

チョコレートの天使

「青い月夜」シリーズから好きになった 赤井五郎さんの長編ファンタジーです。ある意味ハッピーエンドではあるけれど、とても切ない終わり方です。 【作者】 赤井五郎 【あらすじ・概要】 虫技師二コラの娘デイジーが事故で死んでしまう。二コラは酒の密売で…

ブックカース

印刷が普及する前の中世ヨーロッパでは本はとても高価なもので、盗難を防ぐため「盗んだもののは呪いがかかる」と書かれる「ブックカース」があったそうです。本作品は、それぞれにかけられた呪いに抗う3人の物語です。 【作者】 高山環 【あらすじ・概要】 …

和菓子のアン

和菓子屋でバイトをするアンと仲間たちが、和菓子にちなんだ謎を解いていく「お仕事系ミステリ」。 「お仕事ミステリ」の職種がどんどん広がりますね。ちょっとした専門知識のトリビアと、人が死なない系の日常系の謎の組み合わせは楽しくて好きですね。 中…

シンプルに考える

LINE株式会社の元社長によるビジネス論です。「ユーザへの価値提供」だけを見たシンプルな考え方ですが、めちゃくちゃ厳しいですね。 【作者】 森川亮 【あらすじ・概要】 ビジネスは「ユーザの求めるものを真剣勝負で徹底的に求めることにある」とし、「人…

海外ドラマはたった350の単語でできている [英語マスターシリーズ]

海外ドラマの分析から中学英語+αの350単語があれば、とりあえずは英会話ができるという本です。現在の実力に合わせて、単語・スピーキング・リスニングの勉強方法を提案しています。 【作者】 Cosy 【あらすじ・概要】 アメリカのドラマ「STAC」を分析した…

別冊NHK100分de名著 集中講義 大乗仏教 こうしてブッダの教えは変容した

釈迦の時代の初期仏教から、大乗仏教系の各宗派に変遷していった流れを解説しています。「大乗仏教は釈迦の教えとは異質なもの」という前提で、それでも「多くの人に具体的な救いを与えてきた大乗仏教は価値のあるもの」だという立場で論じています。 以前読…

夏美のホタル

とても美しいお話です。写真家の卵である慎吾が描写するノスタルジックな景色が、鮮烈な色彩を伴って目に浮かびます。 作品の冒頭と最後に登場する仏像彫り「雲月」が「神は細部に宿る、だからこし、爪の先ほども妥協はするな」と言っていますが、この作品の…

Kindle Unlimited を試してみて

Prime会員向けに Kindle Unlimited の読み放題サービスが 3ヶ月299円というキャンペーンがありました。基本的に サブスクリプションのサービスは嫌いで敬遠していたのですが、あまりの安さに試してみることにしました。 私の観点で、メリット・デメリットを…

カチコミ山

お婆さんを殺され失意に沈むお爺さんのため、ウサギがタヌキに復讐するという、「かちかち山」をモチーフにしたお話です。童話ベースですが「正義とは」何か、を問いかけるハードボイルドな作品です。 【作者】 芥川龍之助平、月狂四郎 【あらすじ・概要】 …

重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る

重力とは何か、現代の科学で分かっているところまで解説している本です。 著者自身が「逃げない」言っている通り、難しい観念であっても専門用語や数式の羅列でごまかすのではなく、初学者であっても理解しやすいような例え話やモデルを用意して説明してくれ…

聴き屋の芸術学部祭

4編の短編小説集ですが、2話目の「からくりツィスカの余命」が突き抜けて面白かったです。劇中劇の台本にミステリを仕掛けるという切り口が上手くはまって、頭を使って考える快感を味わうことができました。 【作者】 市井豊 【あらすじ・概要】 人の話を聴…

風、めぐりくる

同じ作者の「山彦」に登場した「戸籍を持たない流浪の民」の物語です。山彦たちの生活や、新潟の街の雰囲気などは前作から引き継いでいるのですが、語り手の視点が大きく入れ替わっていて、全く別の物語になっています。久々に鳥肌が立つくらいの衝撃展開で…

今度君に逢えたら

タイムリープものです。暗くなりがちなストーリー展開ですが、登場人物たちの掛け合いが絶妙で、明るく楽しく読めました。 【作者】 くみた柑 【あらすじ・概要】 16歳の誕生日を目前に控えた麻由美は、母親のめぐみと二人暮らしをしていた。ある日挙動不審…

その悩み、哲学者がすでに答えを出しています

「普遍的な悩みには哲学がすでに答えを出している」という本です。悩みへの回答というのはあまりに「哲学的」過ぎて直接役に立ちそうではなくて、哲学者たちの思想やそこに至る背景を説明した概説書という趣が強いです。 【作者】 小林昌平 【あらすじ・概要…

ある愛の終わり

ドイツ州知事候補の愛人が殺され、女性刑事の二人組が犯人を追い詰めるストーリーです。個人的には移民政策などドイツの政治事情がリアルに伝わってくるのが興味深かったです。 【作者】 マルクス・ヒュネベック 【あらすじ・概要】 ドイツ州知事候補のゾン…

中学生でもわかる! ピケティ超入門

タイトル通り「超入門」レベル。格差社会への怒りに燃える学生と老教授の対話形式で、経済学の基礎の基礎から説明してくれます。とにかく分かりやすいです。 【作者】 橘龍介 【あらすじ・概要】 格差社会に憤る学生が老教授から経済を学び、格差の拡大とそ…

ダブル・クロス

15分くらいでサクッと読める本です。デトロイトでギャングのような組織で活動する主人公の話。タイトルの「ダブル・クロス」は二重の裏切りということでしょうか。 【作者】 ジェフリー・ディーヴァー 【あらすじ・概要】 デトロイトでの「組織」でパシリを…

行き先はきくな

結婚式帰りのアラサー女子エリが、いつの間にか増えていくちょっと奇妙な人たちと一緒に、深夜の菊名周辺をさまよい歩くコメディーです。馴染みのある地名でもあって、なんだか自分も一緒に夜の街を散歩している気分になりました。 【作者】 くみた柑 【あら…

星の光と

最近、この作者の作品をいくつか読みましたが、ミステリーから童話風のファンタジー、青春小説など作風が幅広いです。どれも完成度が高く、読み手を引き込む力があります。 Kindle Unlimited は当たりはずれが多いけれど、本屋で探していても出会わないよう…

昭和世代のブラックショートショート 壱

ちゃんとオチのついた「ショートショート」らしい話です。若干ブラックで定型的なのが昭和風なのでしょうか。 【作者】 浦田かず 【あらすじ・概要】 7篇のショートショート。 ・殺し方指南 パソコン教室から「相談員」に転業した男が、相談者から「夫の浮気…

日本人が海外で最高の仕事をする方法 ― スキルよりも大切なもの

ソニー社員として9か国の海外赴任を経験した著者の経験を語った本です。「現地文化に敬意を払って、人との繋がりを大事にする」ということを、圧倒的なバイタリティーでこなして成果を上げています。 自分の経験と重なることもあり、とても参考になる本でし…

鏡の中の猫

「贈る」ことの大切さを伝える童話的なファンタジーです。優しい気持ちになれる本でした。 【作者】 高山環 【あらすじ・概要】 製鉄所で働く白猫クロンは、新しく入った灰色猫のリンドに恋をする。偶然画材店でリンドに会ったクロンは、自画像をリンドに贈…

哀しみアプリ

【作者】 高山環 【あらすじ・概要】 両親を知らない天涯孤独の健一は、同じ境遇の千尋と結婚し、娘の藍と3人で平穏に暮らしていたが、突然、妻が交通事故にあったという連絡を受ける。千尋を無くし苦しむ健一だったが、藍との暮らしのために全力を尽くす。 …

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

哲学史にあるコンセプトを、実用的に「使えるか、使えないか?」で判断して解説している本です。分かりにくい観念も現代の日常に嵌るように説明してくれるので腹に落ちます。とても興味深く面白く読める本です。 【作者】 山口周 【あらすじ・概要】 「哲学…

17歳のソーシャル・ワーク

同じ作者の「その天使、小悪魔系につき」が面白かったので読んでみました。タイトルには「ソーシャル・ワーク」とありますが、学校での謎を解く探偵ものです。ダブル主人公が魅力的でサクッと楽しく読めます。 【作者】 hirokey 【あらすじ・概要】 17歳のソ…

月の案山子

この作者の作品の世界観にはいつも引き込まれます。 虫が重要な工業材料だったり、砂人形に命を吹き込んだりするような、私たちの住む世界と少しずれた世界が、生々しいリアリティーで描かれています。世界観に浸りるのが気持ちよい作品です。 【作者】 赤井…

辻の家

「意味が分かると怖い」系の怪談です。日常的な生活が徐々に異世界に浸食されていくような感覚で、怖いというより不安になるような作品でした。 【作者】 三塚日月 【あらすじ・概要】 3作の短編集。 ・辻の家 五叉路の辻を過ぎて振り返ると「近く死ぬ知り合…

お金持ちの教科書 加谷 珪一

投資ファンド会社から独立し、資産運用などのコンサルティングを著者による「お金持ち」の思考法についての本です。 【作者】 加谷 珪一 【あらすじ・概要】 お金持ちは実際にどういう人なのか、どういう思考法を持っているのか、お金持ちになるためにはどの…

日本サイバー防衛&国防白書!: ~誰も書かなかったサイバー防衛&国防の身も蓋もない話〜

苫米地氏によるサイバー攻撃のリスクに関する話です。今作には独自OS開発を進めようとする苫米地氏のポジショントークが入っている感じがありました。 【作者】 苫米地英人 【あらすじ・概要】 おおよその趣旨は下記の通り。 高度なハッキングツールがユーザ…

空席 隠蔽捜査シリーズ

中編の警察小説です。ミステリではなく警察内部の力学とかを書き出す話でした。短いのでさくっと読めます。 【作者】 今野敏 【あらすじ・概要】 大森署の署長竜崎が転任し、新任署長が来る前の空白の一日の出来事を描く。 品川区内で起きたひったくり事件に…

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