ダブル・クロス
15分くらいでサクッと読める本です。デトロイトでギャングのような組織で活動する主人公の話。タイトルの「ダブル・クロス」は二重の裏切りということでしょうか。
【作者】
ジェフリー・ディーヴァー
【あらすじ・概要】
デトロイトでの「組織」でパシリをする主人公。
「パパ」から借りた金を返さない証券会社社員を脅し、無記名債券を奪う。逃走中に、黒人・ヒスパニックや性的マイノリティのデモパレードに巻き込まれ、回避した裏道で動けなくなったところを、男に目撃される。
目撃証言を恐れた「パパ」はその男の処理を主人公たちに命じる。男は軍の特殊部隊の経験者であり油断できない相手だが、主人公は組織の仲間と男を追跡し追い詰めていく。
【感想・考察】
これが「万人の万人に対する闘争状態」なのだろうか。「裏切りの中に身を置くものは、自らも裏切られる」という世界を描いている。こういう世界は生き辛いから「相互信頼をベースにしたルール」が生まれ、その中で「ルールの執行力担保のための必要悪としての権力」が生まれたというトマス・ホッブズの話を思い出す。
【オススメ度】
★★☆☆☆