毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

『ちびねこ亭の思い出ごはん~黒猫と初恋サンドイッチ~』 高橋由太

大切な人ともう一度だけ会える料理屋「ちびねこ亭」 のお話です。兄を亡くしたことで自分を責めている妹、ひどいことを言ったけれど、もう謝ることができなくなってしまった少年、妻を亡くし生きる気力を失った男、母の思いが詰まった店をたたもうとしている…

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』 太田紫織

ホラー寄りミステリだと思って読み始めたのですが、怖い要素はほとんどなく、櫻子さんのシニカルなリアリストっぷりが楽しめました。「真実はいつも一つ、でも、真実が必ずしも人を幸せにするわけじゃないよね」という薔子さんの渋さも光っています。ミステ…

『殺人犯 対 殺人鬼』 早坂吝

孤島の児童養護施設で、ある殺人者の視点からもう一人の殺人者を追っていく話です。早坂吝さんらしく「バカミステリ」の皮を被った緻密な本格ミステリでした。オチが衝撃的なので予備知識なしで読むことをお勧めします。こちらのリンク先にあらすじと、ネタ…

『片耳うさぎ』 大崎梢

父方実家で暮らすことになった小学生の蔵波奈都が、中学生のさゆりと一緒に巨大な屋敷を冒険していくストーリーです。片耳うさぎのオカルト的要素とか、数世代に渡る蔵波家の因縁とか、大きく広げた風呂敷が上手くまとまった楽しい物語でした。大崎梢さんの…

『シン・ニホン AI×データ時代における日本の再生と人材育成』  安宅和人

ざっくりまとめると・データ×AI で世界は急速に変わっている。・日本は出遅れてしまっている。・とくに教育が手薄い。若い世代にリソースを振り分けるべき。・未来をデザインしてつかみ取ろう!という感じでしょうか。ファクトベースでの現状分析、課題の抽…

【セール情報】 Kindleストア 最大50%還元 ポイントキャンペーン実施中! (8/6まで)

Kindleストアで、Kindle本の最大50%ポイントバックキャンペーンを実施中です。 Amazon.co.jp: 【最大50%還元】Kindle本ポイントキャンペーン: Kindleストア 出版社単位のセールではなく、対象本が多いのが嬉しいです。最大50%と謳ってますが、ほとんどの…

『どうしても生きている』 朝井リョウ

日常で感じる息苦しさ、違和感を徹底的にリアルに描いている。 分かりやすい因果関係に逃げたり、誰かのせいにして諦めたり、思考停止して無意味にはしゃいでみたり、痛みを無視して「大丈夫」と言ってみたり。生々し過ぎて心が痛い。メンタルが弱っていると…

『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』 著者:大河内薫、 漫画:若林杏樹

フリーランスの税金について解説する本です。 今年実際に 開業届や青色申告申請をしたのですが、その時疑問に感じたことが、ほぼ網羅されていました。 税務署のサイトでは、間違いなく正しい「タテマエ」で説明されていますが、「現実的な落としどころ」の感…

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』 斜線堂有紀

身体が金になってしまう奇病を患う女性と、純粋な愛情を証明するため「完全解」を探す少年の物語です。 その時、二人が死んでいれば「完璧」だったかもしれない。でも完全じゃない世界で生きることもまた素晴らしい。 こちらのリンク先にあらすじと感想を載…

『あなたの思い出紡ぎます 霧の向こうの裁縫店』  高橋由太

「一度きり、限られた時間だけ、死者を呼び戻すことができる裁縫店」を舞台にした物語です。 高橋由太さんのお話は初めて読んだのですが、優しくて温かい雰囲気がとても好きでした。限られた時間の中で必死に訴えかける死者たちを想うと涙腺崩壊します。 こ…

『小説の神様』  相沢沙呼、降田天、櫻いいよ、芹沢政信、手名町紗帆 、野村美月、斜線堂有紀,、紅玉いづき

8人の作者さんによる「小説の神様」をテーマにしたアンソロジーです。 作家目線だったり、書店員だったり、読者だったり、編集者だったり、それぞれの作者が様々な視点から「小説の神様」を解釈して作品に仕上げています。「本を読むことは自由。どんな解釈…

【セール情報】 Kindleストア 幻冬舎 2020年上半期ベストフェア実施中 (7/30まで)

Amazon.co.jp: 幻冬舎 2020年上半期ベストフェア(7/30まで): Kindleストア Amazonが Kindleストアで 幻冬舎上半期ベストフェアを実施中!売れ筋の本が3~4割引きくらいになってます。Kindleストアに表示されないこともあるので、何度かリロードするか、こ…

『ソラリス』 スタニスワフ・レム

SF

人類以外の知的生命体との接触を描いた本。人間としての枠組みを超えようとする努力が「2001年宇宙の旅」っぽい感じでした。 ソラリスの探査ステーションに辿り着いた研究員のケルヴィンの前に、10年前に失った恋人ハリーが現れて、ケリーはその意味を考えて…

『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門』 梶谷真司

いわゆる「哲学」の本ではなく、考える方法を学ぶための「哲学対話」の実践を勧める本でした。「自分で考えているつもりでも、実は社会の求めていることに従っていたりして、思った以上に人は自由ではない」と著者は言い、対話を通じてより自由に自主的に考…

『やりたいことをやれ』 本田宗一郎

本田技研工業を立ち上げた本田宗一郎氏の言葉です。 技術者として生きた人だけあって 「今日より明日が良くなる」という信念があったようです。「年寄りは前線から早く退いて若い人に任せた方がいい」と繰り返し言っています。ドライに見えつつ人間関係を大…

『池上彰の世界の見方 中国・香港・台湾』 池上彰

中学生を対象とした「中国と香港・台湾の歴史と現状についての講義」をまとめた本です。 少し前の本なので、2019年からの香港での騒動については直接言及されていませんが、現状を理解するための状況整理には役立ちます。こちらのリンク先に要約と感想を上げ…

『大人の週末起業』 藤井孝一

100年生きるのが普通になる時代、60歳定年制+年金では立ちいかくなります。自分で稼ぐ力を身につけるため、会社にいながら「週末起業」することを勧める本です。 社会の変化を受けて企業も変わっていくのでしょうが、超高齢化を受け止めるだけの余力がある…

『ブルーローズは眠らない』 市川憂人

『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くマリア&漣シリーズ第2弾です。 読み終わって「なるほど、そこで騙しにきてたのか!」と驚かされました。ミステリの約束を守りつつギリギリを攻める感じですね。 こういう「本格派ミステリ」をもっと読みたい。 リン…

『宵山万華鏡』 森見登美彦

祇園祭の宵山に捉われてしまった人たちの物語です。 祭りのにぎやかさと喧騒が去った後の寂しさを感じさせる、切ないファンタジーです。 リンク先であらすじと感想を紹介しています。 よろしければご覧ください。 booklet.world

『実践版GRIT やり抜く力を手に入れる 』 キャロライン・アダムス・ミラー

https://booklet.world/2020/07/12/4038/ 最近の若い世代は競争を経験していないから「やり抜く力=グリット」が弱いと著者は言います。アメリカの話ですが日本も同じような傾向なのでしょう。 超ざっくりまとめると大体こんな感じです。 ・若い世代のグリッ…

『ロートケプシェン、こっちにおいで』 相沢沙呼

女子高生マジシャン 酉乃初シリーズの第2弾です。「午前零時のサンドリヨン」につづき大分前に読んだ本の再読です。 「トリック」の鮮やかさではなく、その使われ方に感銘を受けました。文句なしに傑作だと思います。 リンク先にあらすじと感想を書きました…

『人の心を一瞬でつかむ方法―――人を惹きつけて離さない「強さ」と「温かさ」の心理学』  ネフィンジャー・ジョン、コフート・マシュー、熊谷小百合

人からの印象は「強さ」と「温かさ」のバランスで決まるから、うまく両立させましょう! という内容です。 話し方や姿勢、表情、服装などなど、「強さ」と「温かさ」を演出するテクニックを紹介しています。 リンク先に要約を上げています。 よろしければ見…

『午前零時のサンドリヨン』 相沢沙呼

『Medium』が面白かったので、相沢沙呼さんの初期作品を再読してみました。手先が器用で抜群の観察眼と洞察力を持つけれど、人間関係は不器用でギャグセンスが寒い女子高生マジシャンの酉乃初が実に魅力的。 そして彼女の纏う鎧を、これまた不器用に剥がして…

『おカネの教室 僕らがおかしなクラブで学んだ秘密 しごとのわ』 高井 浩章

「そろばん勘定クラブ」で、お金を手に入れる方法について学ぶ、二人の中学生のお話です。実際に著者が娘さんに教えるときに考えたそうです。ストーリー仕立てで面白く分かりやすいのですが、古典的自由主義をベースした著者の経済的倫理観がわりと強く押し…

『たったひとつの、ねがい。』 入間 人間

度を越して残虐な復讐心も、恋人を失った悲しみを思うと、ほんの少しだけ感情移入できる部分もって、自分の大切な人を奪われたなら、自分にもこれくらいの狂気が宿るかもしれないと感じたのですが、 ラストで「これはないな。。」となる。最後にストンと落と…

『ペンギン・ハイウェイ』 森見登美彦

小学4年生のアオヤマ君が、憧れているお姉さんたちと突如現れたペンギンの謎を解き明かしていきます。少年の、140日間にわたる初恋と成長の物語。さわやかで良い話でした。 リンク先にあらすじと感想を上げています。読んでもらえると嬉しいです。 booklet.w…

『明日死ぬかもしれない自分、そしてあなたたち』 山田詠美

長兄を亡くし壊れ始めた家族を取り戻そうと戦う3人の子供たちの物語です。 色々面倒な世の中で、せめて家族とは自然体で気をつかわず接したいと思うけど、綻んでしまったときに目を背けるわけにはいかない、ということですね。 こちらのブログにあらすじと感…

『有頂天家族』 森見登美彦

森見登美彦さんらしい京都ファンタジーの世界で、ユルく生きる狸たちがカッコいい。ただ楽しく生きようとする狸一家が、狸鍋愛好家やライバル狸たちに巻き込まれ、家族の絆で乗り越えていくお話です。 こちらのブログにあらすじと感想をあげました。 読んで…

『出雲のあやかしホテルに就職します : 2』 硝子町玻璃

妖怪も神様も人も分け隔てなく受け入れるホテルの話です。 日本に息づく素朴なアニミズムを感じさせます。この緩さが心地よいと感じる自分はやはり日本人なのですね。 こちらのブログにあらすじと感想を書きました。リンク先を見てもらえると嬉しいです。 bo…

『青くて痛くて脆い』住野よる

人との距離を保つことをポリシーとする田端楓は、青臭く理想を追い求める秋好寿乃と出会い、理想を追求するためのサークル「モアイ」を立ち上げる。数年後、楓は理想を失い変質してしまったモアイへの復讐を始める。 「君の膵臓を食べたい」のような泣かせる…

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。