毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

サスペンス

『オーダーメイド殺人クラブ』 辻村深月

スクールカースト上位を自認する中学2年生の小林アン。非リア男女を軽蔑し、ダサい教師をキモいと評し、垢抜けない母親を恥ずかしく思う、ごく普通のリア充女子だ。だがアンは、少年犯罪の記事を切り抜いたり、死体を模した人形の写真集に耽溺したり「ダーク…

『太陽の坐る場所』 辻村深月

有名女優になったキョウコをクラス会に誘う様を、洞窟に閉じこもったアマテラスを引っ張り出す神話に擬える。28歳の男女の「マウント取り合い」に、キョウコの投げかける太陽の光がもたらす化学変化が面白い作品です。正直「ここまで繊細だと生きにくいよな…

『連続殺人鬼カエル男』 中山七里

中山七里さん、またまた凄い作品。引き出しの多さに驚きました。終盤の怒涛の伏線回収に、心地よい「騙された感」がありますね。グロい表現は苦手なんだけど、ストーリーに引っ張られて一気に読みました。そんな中「罪と贖罪」のテーマは重いです。刑法39条…

『クリムゾンの迷宮』 貴志祐介

参加者同士が敵となるバトルロワイアル形式の脱出ゲームです。 メンバー同士の騙し合いや、企画者の意図を読んでいく頭脳戦が面白いですね。こういう「騙し合いゲーム」が結構好きです。全体としては貴志祐介らしく「安定の後味の悪さ」があるのですが、この…

『月の娘にスープを送る』 高山環

絆を取り戻していく家族の物語です。夫婦がそれぞれ関わったスマートスピーカーを何者かが乗っとる。未来から来た「ダイオウグソクムシのドッグ」は「娘が犯行に関わっている」という。夫婦と娘を翻弄する犯人と闘う中で、家族は再び繋がっていく。というお…

『護られなかった者たちへ』 中山七里

手足を拘束され「餓死」させられた連続殺人事件から始まり、社会保障制度の矛盾へとつながる「社会派ミステリ」です。現行社会保障制度の不合理への怒りをにじませながら「それでもその条件で生き残っていくためにはどうすればいいのか」を訴えようとしてい…

『総理にされた男』 中山 七里

総理大臣のモノマネをしていた役者が、総理大臣の影武者となり、やがて本物の総理大臣となっていく、というお話。まあ設定には、かなりの無理やり感があります。それでも・理想主義に走りすぎた民主党政権への批判、・官僚主義による弊害、・憲法9条と国家主…

『Ork(オーク)-2006-』 高山環

『箱の中の優しい世界』の前日譚。 2006年、インターネットが実社会に広がってきたけれど、スマホはまだなくSNSも今ほど盛んではなかった時期、個人情報が大手の情報インフラ企業に寡占されることのリスクを訴える話です。個人の感覚としては「Googleさんの…

『除妖師II』 如月恭介

新興宗教とドラッグを使い勢力を強めていく妖術師たちと戦う「除妖師」たちの物語です。「除妖師」に続くシリーズ第2弾なので、前作から順番に読むことをお勧めします。 ミステリ的な頭脳戦から始まり、徐々に大規模な能力バトルに展開していくストーリーが…

『私が大好きな小説家を殺すまで』 斜線堂 有紀

若くして天才と呼ばれた作家と、虐待を受けながら彼の小説に救われた少女の悲恋の物語です。少女は「憧れの相手が落ちぶれたら死んで欲しいと思う」という完璧主義から抜け出せなかった。若くして成功した作家は、プライドを守るため弱さを見せられなくなっ…

『ヒトリシズカ』 誉田哲也

主人公の「静加」は平然と嘘をついて人を操り、躊躇なく人を殺す。紛れもない「悪女」なのだけれど、何故か魅力的です。「自分自身と自分にとって大切な人を守るため」という行動原理が理解できるから、「意味不明な不気味さ」は感じないから、嫌悪感より憧…

『18禁日記』 二宮敦人

日記や手紙、ブログ記事などを通して、徐々に狂気に陥っていく人々を描く連作短編集です。何より怖いのは「普通と狂気の境界」が見えないことでしょう。ごく普通の常識的な人間が、いつしか狂気にとらわれる。「狂気の入り口はいたるところに開かれている」…

『恋に至る病』 斜線堂有紀

人の心を操り壊していく少女の物語です。 東野圭吾さんの『白夜行』とか「悪女好き」な私にはどストライクでした。(あくまでフィクションでの話です)著者はあとがきで「主人公の少女は、誰一人として愛さなかった化物なのか、ただ一人だけは愛した化物なの…

『朧月市役所妖怪課 妖怪どもが夢のあと』

『朧月市役所妖怪課 河童コロッケ』『朧月市役所妖怪課 号泣箱女』に続くシリーズ完結編です。妖怪と人間が共存する朧月市の「妖怪課」の面々が活躍します。 前作までは謎解きミステリに重点がありましたが、最終巻では「ラスボスとの決戦」に向けて盛り上が…

『ZOO 2』 乙一

ホラーから、本格的なトリックの仕込まれたミステリ、コメディ色の強い話まで、幅広い内容の短編集です。乙一さんのホラーは、淡々とした心理描写で主人公の「内面的な欠損」が感じられます。胸糞悪い残酷さもあるけれど、怖さより「やりきれない切なさ」が…

『ZOO 1』 乙一

ホラーからSF、ミステリ要素もある、さまざまな作風の短編集です。 設計者が自分を埋葬するために作った少女型ロボットが「心」を学び取っていく話「陽だまりの詩(シ)」が一番好きでした。ホラー寄りの話も「何かが欠損している」人たちの行動は不気味で怖い…

『十三番目の人格 ISOLA』 貴志祐介

過去のトラウマから解離性同一性障害となり多数の人格を内に持つ少女と、他人の感情をみる「エンパシー能力」を持つ女性の物語。少女のトラウマを紐解き分かれた人格を統合していこうとする前半ですが、中盤以降一気にオカルト・ホラーな展開になっていきま…

『雀蜂』 貴志祐介

「幽霊や人間も怖いけど、昆虫ホラーは本当に怖い」と思わせておいて、ラストで「やっぱり人間怖えー。。」となる、ブラックホラー。前半の緊迫感のあるスズメバチとの戦い、中盤での作中作ストーリーに触れるメタ展開、そしてラストのどんでん返しと、飽き…

『神のダイスを見上げて』 知念実希人

「小惑星があと数日で地球に衝突するかもしれない」というパニック小説 + 数日の制限内で姉を殺した犯人と戦うミステリ・サスペンス小説 です。 二転三転するサスペンス展開の裏で、 「地球最後の日に一緒にいたいと思うのは誰ですか?」「今日が最後の日だ…

『たったひとつの、ねがい。』 入間 人間

度を越して残虐な復讐心も、恋人を失った悲しみを思うと、ほんの少しだけ感情移入できる部分もって、自分の大切な人を奪われたなら、自分にもこれくらいの狂気が宿るかもしれないと感じたのですが、 ラストで「これはないな。。」となる。最後にストンと落と…

『双子の悪魔』 相場英雄

TOB詐欺による株価操作や、システムの穴につけこんだサイト課金詐欺を働く男と、女性新聞記者の戦いです。彼はなぜ彼女を狙い撃ちしようとするのか。 こちらのブログに あらすじと感想を書きました。 よろしければリンク先を見てもらえると嬉しいです。 book…

『震える牛』  相場英雄

居酒屋に「たまたま」居合わせた二人の客が被害者となった強盗殺人だと思われていた事件は、「二人を殺すための事件」だった。二人の被害者を繋ぐミッシングリンクを 追いかけていく。強烈な社会的メッセージが込められた本でした。 是非ご一読をお勧めしま…

『死にぞこないの青』 乙一

あなたは「自分の痛み、屈辱」から目を背けていませんか? イジメの構造に切り込んだ暗めの話ですが、一読する価値はあると思います。 こちらのブログにあらすじと感想を書きました。 リンク先を読んでもらえると嬉しいです! booklet.world

『日本沈没』 小松左京

タイトル:日本沈没 決定版 作者 :小松左京 パニックSF ★☆☆☆☆☆ 日本文化 ★★★☆☆☆ 読みやすさ ★☆☆☆☆☆ 総合オススメ度 ★★☆☆☆☆ あらすじ 小笠原諸島である小島が一晩で海面下に沈んだ。地球物理学者の田所博士、海洋地質学者の幸長助教授は、潜水艦操縦士の小野…

『僕が殺しました×7』 二宮敦人

タイトル:僕が殺しました×7 作者 :二宮敦人 ミステリトリック ★★★★☆ オチ ★★★☆☆ 多面的な描写 ★★★★★ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 7人が「私が榊リエを殺した」という。真実はどこにあるのか。大学生の藤宮リョウは女子高生の榊リエと付き合っていたが…

『暗いところで待ち合わせ』 乙一

「一人で生きていけるというのは、嘘だった」 孤独を選ぼうとした男女が、運命に翻弄されながら心を通わせていく。 タイトル:暗いところで待ち合わせ 作者 :乙一 オススメ度 孤独な世界 ★★★☆☆ 人とのふれあい ★★★★★ ミステリ要素 ★★★☆☆ 総合オススメ度 ★★★…

『超巨大密室殺人事件』 二宮 敦人

「金がないから、仕事をして金を稼がなくてはならないから、仕事を美化しているに過ぎない。 金があるのなら、働かないに越したことはない」 うーん、資産家ニートは正直うらやましい。。 タイトル:超巨大密室殺人事件 作者 :二宮 敦人 オススメ度 誰もが…

『占い処・陽仙堂の統計科学』 二宮 敦人

万物は変化する。 日は昇り、沈む。海は満ち、引く。人は死に、生まれる。 世界の何一つとして変化せずにいられるものはない。 そんな変化する世界の中でも変わらないもの、それはまさに変化そのものだ。 変化は止まらない。変化こそが不変なり。 タイトル:…

『失はれる物語』 乙一

ありがとう。 わたしたちはお互いに、 何かを与えあったり、 分けあったりしたわけではない。 ただ、そっとそばにいただけ。 それでじゅうぶんだった。 タイトル:失はれる物語 作者 :乙一 オススメ度 切ない物語 ★★★★★ 不思議な物語 ★★★★☆ 優しい物語 ★★★★…

『ハンター』 如月恭介

「不老不死」を手に入れた後、 人は何を望むのだろうか。 タイトル:ハンター 作者 :如月恭介 オススメ度 不老不死の科学 ★★★★☆ ハードなスペンス ★★★☆☆ メッセージ性 ★★★☆☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 第二次世界大戦終結間際、ドイツでは不老不死の研…

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