毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

星の光と

 最近、この作者の作品をいくつか読みましたが、ミステリーから童話風のファンタジー、青春小説など作風が幅広いです。どれも完成度が高く、読み手を引き込む力があります。 Kindle Unlimited は当たりはずれが多いけれど、本屋で探していても出会わないような本と見つけられるのは面白いですね。

 

【作者】

 高山環

 

【あらすじ・概要】

 バブル真っ盛りの時期に大学生だった「僕」は「星の光」という喫茶店でアルバイトを始める。

 「星の光」のオーナーである「ママ」の仲介で、プロ写真家「先生」の撮影に同行した僕は、先生やモデルが仕事に向ける「プロ意識」に触れ、また表現することの面白味を感じて、徐々に写真撮影にのめりこむ。

 4年生になり大手商社への内定を獲得したが辞退し、ママが計画した「写真集発売」のためのアメリカ旅行に出かける。

  

【感想・考察】

  冒頭に「これはママの人生についての話」だとしているし、「ママ」の人生のミステリを解いていくストーリーだ。ただそれだけではなく、「ママ」の光に照らされた「僕」や「星の光」で働く仲間たちの成長譚であり、著者の芸術表現についても語られていると思う。

 作中で「僕」が、自分が写真で表現しようとしていたものを「起承転結がある明確なストーリーではなく、物語の塊がのっそりと顔を出し、目では見えていないものが密かに囁きかけてくる。世界のコードに繋がっているような、一瞬のきらめきのようなもの」と語る。

 この考えは著者の小説の表現にも表れている気がする。明確にストーリーを描き切らない部分にこそ入り込みやすく、著者が普遍的と考えているメッセージが伝わってくる。

 

 

 

【オススメ度】

  ★★★☆☆

 

当ブログは、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイトプログラムであ「Amazonアソシエイト・プログラム」に参加しています。