歴史
副題に「The Shortest Hisotry of Europe」とある通り、短くまとめられたヨーロッパ史解説です。短いのですが、ヨーロッパ文化の起源、侵略と征服の歴史、キリスト教の影響、言語や農業からの分析、封建制から近代の議会制民主主義までの流れ等々、それぞれ…
佐藤優さんによる「国語力養成」の講義です。読書を通して「読む力」「類推する力」「思考する力」を育てます。という主旨なのですが、実際には「読解の題材とした本の内容」への解説が面白すぎて、そっちがメインになってる感じです。「マルクス主義」と「…
長すぎるのでとっつきにくい印象があったけれど、ミステリとして読んでも、恋愛小説としても、当時のロシア情勢をめぐる話としても、宗教と魂の解放の物語として読んでも面白いです。 殺された父と、三人の息子+一人の非嫡出子 を、当時のロシア情勢を重ね…
ルネッサンスから第一次世界大戦まで、「宗教と科学」の視点から近代ヨーロッパの歴史を解説します。コロンブス以前のヨーロッパ人も「平らな地球の周りを太陽が回っている」という天動説を本気で信じていたわけじゃなく、キリスト教の縛りで地動説を公言で…
吉田松陰は思っていたより過激な人物だったようです。 松下村塾での指導も理論や学問の追求ではなく、実践的な思想を伝えていたことが分かりました。幕末から明治にかけての維新は、当初「尊皇攘夷思想」がベースにあって、諸外国からの干渉を排除することが…
テストで100点を取るのは優秀な中間管理職。トップになる人間は『何を100点にするのか』を決める。「自分で考えて決める」ことの面倒と責任から逃れる人が多い中、頭に汗をかき、責任を負っていくことが大事なのだと思います。 個別具体的な提言にはクセがあ…
カストロとともにキューバ革命を成功に導いたチェゲバラの伝記です。著者の三好さんが チェ・ゲバラに惚れこんでいることが伝わってきます。 安穏とした生活を求めず生涯革命家であり続けた チェが稀有の存在だったことは間違いないでしょう。 サイヤ人ばり…
横浜の歴史にまつわる小さな不思議を解いていく、5つの連作短編集です。横浜を愛する人に向けた本ですね。懐かしい気持ちになりました。 こちらのブログであらすじと感想を書いたので、リンク先を読んでもらえると嬉しいです! booklet.world
飲茶さんの「哲学的な何か」シリーズです。 こちらはフェルマーの最終定理にまつわる数学史がメインですが、分かりやすい解説と興味を引く語り口はいつも通りです!細かい数式とか数学理論とか全くわからずに読んでも大丈夫。 こちらに要約をまとめたので、…
The difficulty lies, not in the new ideas, but in escaping from the old ones. タイトル : AIとBIはいかに人間を変えるのか 作者 : 波頭 亮 オススメ度 AIの分析 ★★★★☆ BIの分析 ★★★☆☆ AIとBIの出会い ★★★★★ 総合オススメ度 ★★★★☆ 要約 AI - 人工…
タイトル : イラスト図解 社会人として必要な世界の宗教のことが3時間でざっと学べる 作者 : 池上彰 オススメ度 分かりやすさ ★★★★★ 情報量 ★★★☆☆ Kindle読みやすさ ★☆☆☆☆ 総合オススメ度 ★★★☆☆ 世界情勢の「今」を理解するための宗教基礎知識! あらすじ…
タイトル : 街道をゆく 35 オランダ紀行 作者 : 司馬遼太郎 オススメ度 役立ち度 ★★★☆☆ 読みやすさ ★★★☆☆ 面白さ ★★★☆☆ 総合オススメ度 ★★★☆☆ 日本の古き良き友人、オランダを紹介! あらすじ・概要 鎖国時代、日本にとって唯一の西欧文化の窓口だったオラ…
欲望の時代に立ち向かう「新実存主義」を提唱するマルクス・ガブリエル氏の言行録です。ポストモダンの思想家に感じるシニカルさを超えて、人間に対する愛と信頼を感じさせます。 タイトル:マルクス・ガブリエル 欲望の時代を哲学する 作者 :丸山 俊一 オ…
新渡戸稲造氏が英文で書いた「武士道」を日本語に逆翻訳した本です。 今欧州で生活していて、感情表現が下手で誤解されることも多いと感じています。日本が欧米国家との交流を始めた明治初期に「日本人の態度にはこういう思想背景があるのだ!」と英語で説明…
近年改めて注目されているマルクス「資本諭」ですが、分かりにくいレトリックが多く難解な書物とされています。 池上彰さんらしく、とても分かりやすく噛み砕いて説明してくれています。 「人間の労働があらゆる富の源泉であり、資本家は、労働力を買い入れ…
18世紀末のフランス革命前後から20世紀半ばまで、アナキズムを牽引した人物の紹介し、その思想を伝えていきます。 「権力者はろくなことしねぇ」というのはその通りと思うけれど「権力がなければ、自然にうまくいく」というのは楽観的過ぎると感じます。 情…
あらゆる勉強の基本は「読む力」だとして 国語力を上げる方法を説いています。 取り上げる題材が佐藤優さんの得意分野中心なので いつのまにか歴史や社会学の解説本っぽくなってますが 「読む力」を高めることの大切さは届きました。 【タイトル】 国語ゼミ …
歌舞伎に興味はなかったのですが 成毛さんの説得力はさすがです。 敷居が高いと感じていたけれど、 俄然観に行きたくなりました! 【タイトル】 ビジネスマンへの歌舞伎案内 【作者】 成毛 眞 【あらすじ・概要】 歌舞伎を気楽に楽しもう、という入門書。 1.…
「行く河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず」 で始まる方丈記の解説書です。 噛み砕いた口語訳にくわえ 書かれた背景の説明や著者の見解もあり すんなりと頭に入ってきます。 【タイトル】 「超口語訳」方丈記 【作者】 濱田浩一郎 【あらすじ・概…
「歴史バトラーつばさ 私立ヒミコ女学園「和風文化研究会」」 の続編です。 前作から続く本筋の伏線を豪快に無視したまま さらに風呂敷を広げています。 そこは無視して「歴史ミステリ」を 楽しむのが正解のようです。 【タイトル】 神話ゲーム 歴史バトラー…
「閑さや 岩にしみ入 蝉の声」で 蝉の声が静かなのではなく、 人々が静かになっていたということ?? いい加減な設定と軽いノリの学園コメディーですが 割ときっちりと考察された歴史の謎が出てきます。 作者の鯨統一郎さんは 「邪馬台国はどこですか?」と…
タイトルに「地政学」とありますが 中国、ロシア、ヨーロッパ、アメリカ の 19世紀以降の「戦争の歴史」がメインでした。 今日の諸問題を理解するために そのルーツとなっている争いをざっくり理解するには するにはちょうどいい感じです。 【タイトル】 世…
日本で男装の麗人「川島芳子」として生きた 清朝の王女の実話をベースとしたフィクションです。 松岡氏が「黄砂の籠城」で描いた義和団の変から 十数年ごが舞台になっています。 歴史小説ですが、数奇な運命を生きた芳子と 陸軍少尉の恋愛を中心に描かれてい…
政治イデオロギーとして利用されてきた 「儒教」としてではなく 「孔子の本来の意図を推察しながら 論語を読んでみましょう」という本です。 とても分かりやすい解説書になっています。 【タイトル】 NHK「100分de名著」ブックス 孔子 論語 【作者】…
釈迦の時代の初期仏教から、大乗仏教系の各宗派に変遷していった流れを解説しています。「大乗仏教は釈迦の教えとは異質なもの」という前提で、それでも「多くの人に具体的な救いを与えてきた大乗仏教は価値のあるもの」だという立場で論じています。 以前読…
周辺国との関係から日本の歴史を語った本です。日本の教育では「日本史」と「世界史」が分断されていて、一貫した視点が持てないことに著者は懸念しているようです。 【作者】 茂木誠 【あらすじ・概要】 縄文・弥生時代から江戸時代くらいまでを対象とし、…
いくつか仏教に関する本を読んで更に興味が深まってきました。日本では般若心経はとくに有名ですが、ブッダの時代の原始仏教とは大きく異なる密教系の思想がベースになっているということを初めて理解しました。 体系的に説明されていてわかりやすいです。 …
池上彰氏による仏教の歴史と教義の概説が前半で、後半はダライ・ラマ法王との対談記録です。池上さんの説明はいつもとても分かりやすい。 【作者】 池上彰 【あらすじ・概要】 仏教の歴史 紀元前500年ごろにインド小国の王子として生まれた ゴータマ・シッダ…
著者が中国赴任時代に禅宗に触れ、六祖恵能の教えを研究していった流れが掛かれています。禅宗の教義について語るというよりも、著者自身の備忘録という感じでした。 【作者】Aは 若島宏造 【あらすじ・概要】 中国禅宗の6代目の祖である恵能禅師の教えを紐…
作者は「あくまでもフィクションである」と言って始めています。でも実在した人物や実際の出来事が元になっていて、全くのフィクションでありません。「こういう可能性もありうる」という作者なりの解釈を物語にしているということなのでしょう。 【作者】 …