毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

 哲学史にあるコンセプトを、実用的に「使えるか、使えないか?」で判断して解説している本です。分かりにくい観念も現代の日常に嵌るように説明してくれるので腹に落ちます。とても興味深く面白く読める本です。

 

【作者】

 山口周

 

【あらすじ・概要】

 「哲学概説は大体ソクラテス・プラトンから始まっていて、現代の視点でそのアウトプットだけをは現代から見ると陳腐なのが興味を持てない原因」として、哲学史上の時系列で説明することはなく、自分の生活に有用かどうかという視点で語っている。哲学から若干ずれた範囲の観念も有用であれば拾っている。

 面白いキーコンセプトを抜粋しようと思ったが、粒ぞろいなので全部引用する。長くなりますが。。

 

第1章「人」に関するキーコンセプト

 

1. ロゴス・エトス・パトス :アリストテレス

  人は理屈だけでは動かない。ロゴス(論理)、エトス(倫理)、パトス(情熱)を兼ね備えて、相手の心に届く。

 

2. 予定説:ジャン・カルヴァン

 「信仰に基づいた善行を重ねることで救済されるのではなく、救済だれるかどうかは神により最初から予定されている」とする説。「免罪符」という善行システムを運営していた教会への反論という面があるが、のちにマックス・ヴェーバーは「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」で「人は、自分が救済が予定された人間であることを証明するために、禁欲的に天命を果たした」と読み解いている。

 

3. タブラ・ラサ:ジョン・ロック

 「経験論」を主張したロックは「人はタブラ・ラサ(白い石板)で経験したものにより現実世界についての理解が得られる」とする。デカルトによる演繹的な世界認識や、プラトンの生得的なイデアという考えを否定した。

 

4. ルサンチマン:フリードリッヒ・ニーチェ

 ルサンチマンとして「やっかみ」を抱えた人間は、その原因となる価値基準に服従するか、価値判断を転倒させる。服従というのは「自分も高級ブランド品を買おう」という迎合であり、転倒というのは「酸っぱい葡萄」のパターン。

 

5. ペルソナ:カール・グスタフ・ユング

 ユングは「ペルソナとは、個人と社会の間の妥協」と説明する。社会構造が縦のポートフォリオで回らなくなっている現代では、複数のペルソナに横ぐしを通すべきではないが、それぞれをスクラップ アンド ビルド していく必要があるのではと提言する。

 

6. 自由からの逃走:エーリッヒ・フロム

 フロムは「自由とは、耐えがたい孤独と痛烈な責任を伴うもの」とし、大衆はその責任から逃れるため「権威主義的」な性格を示しやすい。「自由に耐えられる、自我と教養の程度」が必要だと考える。

 

7. 報酬:バラス・スキナー

 「必ずエサが出るレバーより、ランダムにえさが出るレバーの方が、ネズミのレバー押し下げ行動を強化する」という実験結果から「不確定なものほど嵌りやすい」という生理的傾向を見出す。

 興奮に寄って出るドーパミンは「快楽物質」というより活動を促す欲求系の物質で、満足したときに出るオピオイドは行動を停止する方向に働く。ドーパミン系は予測不能な事態に刺激される。

 

8. アンガージュマン:ジャン・ポール・サルトル

 実存主義を提唱したサルトルは「主体的に生きること」、「人生を世界の企ての一部として引き受けること」にアンガージュマン(エンゲージメント)せよという。

 

9. 悪の陳腐さ: ハンナ・アーレント

 ナチスで「ユダヤ人強制収容所」の運営を主導したアイヒマンの裁判を通じ、悪事というのは、極端な思想や熱量を持った人間ではなく、所与のシステムの上で「思考停止した凡人によってなされる」ものだとした。

 システム自体を改良しようという生き方より、所与のシステムの中で「どううまくやるか」のフォーカスされている現代の危険性に言及する。

 

10. 自己実現的人間:エイブラハム・マズロー

 「欲求五段階説」で有名なマズローだが、彼は自己実現を達成した人間はプライバシーの欲求が強く、少数の人とのみ親密な関係を築く傾向があるとしている。

 

11. 認知的不協和:レオン・フェスティンガー

 「人は、自分の行動を合理化するために意識を変化させる」とする。朝鮮戦争で捕虜となった米兵が、共産主義をたたえるメモを書いた後に、お菓子などの取るにならない報酬を得ることで、共産主義を正当化した。

 実験では、高額な報酬を受けた場合は「高額な報酬のために意にそぐわぬ行動をした」と正当化できるが、報酬が陳腐であると不協和が生じるため、「行動自体が正しかった」と認識の方をを変えるという結果が見られた。

 

12. 権威への服従:スタンレー・ミルグラム

 「回答を間違えた生徒役に電気ショックを与える実験で、人から命じられるだけの場合、高い割合の人が致命的なレベルの電気ショックを与えた」という実験で有名なミルグラム。前述のアイヒマンは各自の行動を分割することで個人が良心の呵責は弱まることを利用していた。

 責任が分割されることで良心も働かなくなることは恐ろしいが、「指示側に僅かでも反論があれば、主体的な行動を取る」ことも確認されており、微力であっても「不正に対して声を上げる」ことの重要さを上げている。

 

13. フロー:ミハイ・チクセントミハイ

 挑戦のレベルとスキルレベルが高いポイントでバランスすることでフロー状態に入る。フローゾーンに入るためには一旦心地よいゾーンを抜けてスキルを高めなければならないとする。

 

14. 予告された報酬:エドワード・デシ

 デシは「予告された報酬は、創造的な問題解決能力を久しく既存する」とする。報酬が予告されていると、最低限の行動で報酬を得ることに注意が向かい、パフォーマンス自体を最大化する方向の努力に向かなわいことが実験で確認されている。人事コンサルタントでもある著者は、高額報酬がイノベーションを阻害することを認識している。

 

第2章「組織」に関するキーコンセプト

 

15. マキャベリズム:ニッコロ・マキャベリ

 マキャベリは「より良い統治のためには、非道徳な行為も許される」とした。マキャベリは「不道徳であれ」と言ったわけではなく、「道徳と合理が相反するときは冷徹な合理主義者であれ」といっていることを強調する。

 

16. 悪魔の代弁者:ジョン・スチュアート・ミル

 言論の自由を重視したミルは「反論が許されなかったことと、反論をへて論破されなかったことには大きな違いがある」とし、反論を抑え込むのではなく、議論の中に敢えて批判をする「悪魔の代弁者」を組み込むべきだとした。

 

17. ゲマインシャフトとゲゼルシャフト:フェルディナンド・テンニース

 テンニースは、血縁などによる自然発生的な「ゲマインシャフト」から、役割による人為的な「ゲゼルシャフト」への社会進化を提唱した。

 テンニースの世代では、時代は直線的に進化するという見方が趨勢だったが、らせん状に回っているという考え方もできる。

 日本の例でいうと、平成初期まで会社組織が「ゲマインシャフト」的な役割を果たしていたが、最近では完全な「ゲゼルシャフト」に移行しつつある。ある意味ではソーシャルメディアなどが「ゲマインシャフト」の役割を担えるのではないかと期待している。

 

18. 解凍=混乱=再凍結:クルト・レヴィン

 変革は、まず最初に当たり前になっている様式を「解凍」し忘れさせ、新しいやり方による「混乱」を経て、それを定着させることで「再凍結」するというプロセスを踏む。重要なのは「まずは古いものを終わらせる」ことから始めるということ。

 

19. カリスマ:マックス・ヴェーバー

 支配者の正当性の根拠には「血縁などの歴史的正当性」、「個人のカリスマ」、「合法性」の3つがあるという。

 「歴史的正当性」に拠ると、血縁に優秀な人材が出るかという偶然の要素が強く、「合法性」によると官僚機構的になり、優秀な人材を惹きつけ動機づけることは難しい。「カリスマ」を持った人物をどうや手人工的に作り出すか、ということが重要かだになる。

 

20.  他者の顔:エマニュエル・レヴィナス

 「自分は正しく、自分を理解しない他者は間違えている」という断定が人類史上の悲劇を引き起こしている。自分とは異なる「他者」を、学び・気づきの契機とすることで、世界の見方を広げることができるとする。

 

21. マタイ効果:ロバート・キング・マートン

 「持っている者はより多くを得、持たないものは失う」という。日本では4月~6月生まれは相対的に有利で、学齢期を超え絶対的な月数差が有意で亡くなっても継続するのはマタイ効果の一種だとする。

 

22. ナッシュ均衡:ジョン・ナッシュ

 「ナッシュ均衡」とは全プレイヤーが均衡している状態を指す。「囚人のジレンマ」では個人の期待値を最大化すると全体の期待値は最大化されない。これが複数回になると「自分からは裏切らない、相手が裏切ったらその次だけ自分も裏切る」戦略が最強となる。

 長い関係が継続する場合「基本的には良いヤツ、でも売られた喧嘩は必ず買う、でも後腐れはない」というのが最強の戦略と解釈している。

 

23. 権力格差:ヘール・ホフステード

 ホフステードは文化的差異の着眼点として、①上下関係、②個人主義、③不確定性回避傾向、④男らしさ・女らしさ、⑤長期的視野傾向、⑤快楽的・禁欲的 の6つのポイントを上げた。

 ①の上下関係について日本は特に権力格差が大きく、コンプライアンスやイノベーションの面からも、上位の人間が買いの人間の意見を求める姿勢が重要とする。

 

34. 反脆弱性:ナシーム・ニコラス・タレブ

 「脆弱」の反対は「堅牢」ではなく、外圧によりパフォーマンスが高まる「反脆弱」だとする。炎上商法などエラーにより効果が高まるのがその例。社会的な立場にしても、若いうちに失敗を重ねたりするような「反脆弱性」を組み込んだ考え方が必要だとする。

 

第3章「社会」に関するキーコンセプト

 

25. 疎外:カール・マルクス

 マルクスは「人間が作ったシステムに、人間自身が振り回される」を「疎外」と呼んだ。

 労働生産物は労働者のものだったのに、賃金労働により資本家のものとなり、労働者は労働生産物から疎外された。また、労働の強制や分業の促進で仕事の楽しさは失われ、労働者は労働からも疎外された。

 その結果人間は健全な人間関係から疎外され、人間らしい「労働の喜び」や「贈与の喜び」からも疎外され、「どうやって相手を出し抜くか、相手から奪うか」に専心することで、人間からも疎外される。

 問題があれば、それを防ぐ「仕組み」を作る考え方が浸透しているが、「仕組み」で行動をコントロールしようとすると、自ずと「疎外」が発生する。理念や価値観といった内発的なものによって行動を宇賀なすのが重要ではないかと提言する。

 

26. リバイアサン:トマス・ホブッズ

 ホッブズは、「人間の能力には大差はなく、必要なものは希少で有限」であることを前提とすると、自然状態は「万人の万人による戦い」になるとみた。そのために「ルール」と「ルールの執行を担保する権力」の存在が必要になったと考える。

 

27. 一般意思:ジャン・ジャック・ルソー

 ルソーは、代議制にも政党政治にもよらない「一般意思」による統治が理想的だと述べた。集合知はその構成員の最高レベルよりも高いレベルに達しうることが分かっており「一般意思」をベースとすることに意味があるとする。ルソーの時代には実現は難しかったが、今日のICTを使うことで実現する可能性はあるのではないかと提言している。

 

28. 神の見えざる手:アダム・スミス

 モノゴトの関連性が複雑になり、理知的な思考で最適解得ることは非現実的になってきている。最適解とは異なるかもしれないが現実的に妥当なヒューリスティックな解で動いていくことが必要だとする。

 

29. 自然淘汰:チャールズ・ダーウィン

 自然淘汰の中では、突然変異というエラーの発生が重要な意味を持っている。組織運営などでも「意図的に良いものに変えていける」というのは傲慢な考えであり「ポジティブな偶然」を誘発する仕組みを作ることの方に意味があると考える。

 

30. アノミー:エミール・デュルケーム

 デュルケームは連帯感の喪失を「アノミー」と呼んだ。分業化が進み、家庭・会社が解体しつつある近年はアノミー化がさらに進んでいる。各自が主体的に、家族の復権、ソーシャルメディアの利用、横型コミュニティーの発達を進め、アノミーを防ぐ必要があるとしている。

 

31. 贈与:マルセル・モース

 現代の経済の考え方では「労働価値」と「効用価値」を一対一でやり取りするが、「贈与」の観念を取り込めていない。一対多での「贈与」と「感謝」の関係性を築くことができれば面白いのではないかと提言する。

 

32. 第二の性:シモーヌ・ド・ボーヴォワール

 ボーヴォワールは「人は女に生まれるのではない、女になるのだ」として、女性としての役割を社会的に植え付けられているとみた。ホフステードの6次元の考察でも日本は、男性らしさ・女性らしさの区分が極めて強固だとされている。男性は自分にも必ずバイアスがかかっていることを認識すべきだとする。

 

33. パラノとスキゾ:ジル・ドゥルーズ

 ドゥルーズは、偏執的な「パラノイア」型と分裂的な「スキゾフレニア」型の観念について論じた。環境変化の激しい現代ではパラノ型は弱く、危ないと直感したら積極的に「逃げ」て、自分のアイデンティを分散的に持つことが必要ではないかとしている。

 

34.格差:セルジュ・モスコヴィッシ

 同質性が高いからこそ、細かい差異が目につき、格差が意識され差別が生まれるとしている。「公平で公正な評価」を目指すことが最適なのかと疑問を投げかける。

 

35. パノプティコン:ミシェル・フーコー

 パノプティコンとは中央の監視員が同心円状に配置された囚人を監視する監獄の形態をいう。フーコーは、近代国家が法律や道徳などで「訓練」し、人々が内発的に判断しているような「新しい支配の形態」が生まれているという。

 パノプティコン的な圧力は組織の中に生まれてしまうが、それを「飼いならすこと」が大事だとしている。

 

36. 差異的消費:ジャン・ボードリヤール

 ボードリヤールは「消費とは価値の交換である」と定義した。人の欲求は内発的なものではなく、特定集団と外部を分ける「差異」によって外発的に規定されると考えた。高級ブランドを持つような分かりやすい差異もあるし、「自分はあえて田舎暮らしを選ぶ」というような差異の持ち方もある。

 

37. 公正世界仮説:メルビン・ラーナー

 「努力は必ず報われる」というように世界は公正であるという見方は「努力原理主義」というべき偏見を生み、「成功しない人は自業自得」というような考え方や「努力が報われないのは社会が悪い」という考え方に陥りやすい。世界は公正ではない。

 

 

第4章「思考」に関するキーコンセプト

 

38.  無知の知:ソクラテス

 「知らないことを知る」ことから知的好奇心は生まれる。「要するに〇〇だよね」というパターン認識では失われてしまうものがあると気づくべきという。

 

39. イデア:プラトン

 人は心の中に理想像としてのイデアを持ってモノゴトを認識しているというイデア論。プラトンの弟子であるアリストテレスは、実証のしようのないイデアではなく、目の前の現実を思考の立脚点とすべきと述べた。現代でも理想像をみて現実を軽視することが多いと忠告する。

 

40. イドラ:フランシス・ベーコン

 経験からの帰納を重視するベーコンは、認識を誤らせるイドラ(偶像)についての考察をした。「錯覚など人間の性質によるイドラ」、「個人の経験によるイドラ」、「伝聞によるイドラ」、「権威によるイドラ」を排し、正しい認識をすべきと述べている。

 

41. コギト:ルネ・デカルト

 「Cogito Ergo Sum(我思うゆえに我あり)」というのは、当たり前のはなしだと思われるが、この言葉の背景を考えると「キリスト教的真理」が最初から提示されいる時代に、「一度全部チャラにして最初から考え直してみよう」という大胆な定時でアタと言える。

 

42. 弁証法:ゲオルグ・ウィルヘルム・フリードリッヒ・ヘーゲル

 Aというテーゼと、AではないというBのテーゼから、両者を統合する、より高次のCというテーゼを導くことを弁証法という。二次元の見方で、円か長方形かを争っているところに円柱という見方を出すようなもの。

 物事は螺旋的に発展するという考え方から「進化」と「復古」を統合するような考え方があるとする。ゼロから考えるより過去にあったものをベースに、新技術で実現できることを考えるなど。

 

43. シニフィアンとシニフィエ:フェルディナンド・ソシュール

 言語学者であるソシュールは、観念を表す言葉「シニフィアン」と観念自体「シニフィエ」を分けて論じた。シニフィアンとシニフィエは社会的に規定されているので、理知的な考察だけで真理に達することができるというのは無邪気に過ぎるとし、また、語彙の豊富さが思考の豊富さを支えるとしている。

 

44.エポケー:エドムンド・フッサール

 エポケーとは「客観的実在から主観的認識が生まれる」という考えを止め、「客観的実在を主観的認識に還元する」ことを言う。

 例えば「リンゴという実在があって、リンゴを見ているという主観的認識がある」のではなく「リンゴを見ているという主観があって、リンゴがそこにあると考えるという結果を生む」という考え方。

 「自分の見ている客観的な現実は自分の主観が生んだものだ」と考えることで「対話の余地が広がる」という利点をあげている。

 

45. 反証可能性:カール・ポパー

 ポパーは「反証できる可能性があるかどうか」を科学的であることの条件とした。アインシュタインの重力レンズ説は観察で矛盾が発見されれば反証されるので科学的だが、フロイトががいう「全ての欲求にはリビドーが関わっている」という説は反証のしようがなく科学的ではないとする。

 科学的であることを装う似非科学に騙されないよう警告する。

 

46. ブリコラージュ:クロード・レヴィ=ストロース

 レヴィ=ストロースは「あとで役に立つかもしれない」となんとなく感じたものを非予定調和的に揃え、いざという時に役立てる能力をブリコラージュと呼んだ。

 まずはターゲット市場を決めて開発しようとするが、実際のイノベーションはターゲットと異なる部分で花開くことが多い。「なんとなくこれは凄そう」という直感が意味を持つことがあるとする。

 

47. パラダイムシフト:トーマス・クーン

 あるパラダイムと別のパラダイムの間には「共約不可能性」があり、コミュニケーション自体が成り立たない。パラダイムのシフトには一つの世代が死にたえるくらいの時間を要するとする。パラダイムの移り変わりは長い視野を持って考えることが必要だとする。

 

48. 脱構築:ジャック・デリダ

 「善・悪」や「主観・客観」のような二項対立で捉えるのではなく、その前提自体に疑問を投げかける。サルトルが「発展と未開」という軸で社会の進化を論じたのに対し、「ヨーロッパは優れ、そのほかは劣っている」という前提自体が正しいのか?という見方を投げかけた。

 二項対立で考えるのは便利だが、枠組みにはまってしまうことで思考の幅を狭めていないか注意すべきとする。

 

49. 未来予測:アラン・ケイ

 未来を予測する精度は極めて低い。未来を予測するのではなく、そうありたい未来を発明するのが最善だと述べた。

 

50. ソマティック・マーカー:アントニオ・ダマシオ

  人間の心と身体は分離できない。ソマシック(肉体的)な反応が、自我の判断に影響を及ぼしているとする仮説。いたずらに論理的であろうとすることの弊害を述べている。

 

【感想・考察】

 どれも粒ぞろいで非常に興味深い。この著者とは感性が合うようですんなりと入ってくる。分かりやすくて実用的な良書だと思う。 

 

【オススメ度】

 ★★★★☆

 

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