『国語ゼミ AI時代を生き抜く集中講義』佐藤優
佐藤優さんによる「国語力養成」の講義です。
読書を通して「読む力」「類推する力」「思考する力」を育てます。
という主旨なのですが、実際には「読解の題材とした本の内容」への解説が面白すぎて、そっちがメインになってる感じです。
「マルクス主義」と「マルクスによる資本主義の分析」を分けて考え、マルクス主義が導いた共産主義は失敗したけれど、その資本主義の分析は優秀だったと読み解きます。
マルクスの冷静な分析が、資本主義の課題を浮き上がらせたことが「修正資本主義」に繋がり、結果的に資本主義を延命させたともいえるのでしょう。
ゲルナーの「民族論」の解説にも熱が入っていました。
ゲルナーが20世紀初頭のユダヤ人の立場で見出した「民族というフィクション」が、グローバル化が進み産業構造が変わってきた現代にどう生きるのか、熱い解説が面白い。
リンク先に要約と感想を上げました。