2018-09-01から1ヶ月間の記事一覧
前作と同じく、地域病院で奮闘する内科医の周囲で起きるドラマを静かに綴っています。今回は冬の終わりから春の終わりにかけての信州の風景が美しく描かれていて、物語の世界にするりと没入してしまいました。良い作品です。 【作者】 夏川草介 【あらすじ・…
大学生がレポートを書いたり、卒業論文を書いたりするときに役に立つレベルの、論文の書き方の本です。 文章を書くのが下手な、ヘタ夫くんに大学の教員が指導していく形で進みます。ノリの良い対話形式で読んでいて楽しいのですが、内容はきちんとしています…
ビジネス経営者などの話では、よく「失敗は成功への一里塚」言われています。 でもこの著者は、原子力発電所のシステムなど「失敗が絶対に許されない」部分に携わりながら、「失敗学」を研究し、失敗の撲滅を目指しています。 「失敗は成功のもと」と言う人…
遺体を解剖し死因などを調べる法医解剖医が書いた本です。私の日常とは大きく違う視点から 【作者】 西尾元 【あらすじ・概要】 病院で亡くなったのではない「異状死」と日々向き合う著者。 日本での生活保護受給者は1.7%程度だが、著者が手がけた「異状…
信州の冬の凛と澄んだ星空に包まれるような空気感に溢れています。主人公の一止と妻のハル、アパートの住民や病院の同僚たちが、皆それぞれ本当に魅力的で、物語世界に引き込まれました。とても好きな作品です。 【作者】 夏川草介 【あらすじ・概要】 信州…
有名な古典作品ですが初めて読みました。思ったよりもしっかりしたミステリで、有名すぎる結論は知っていましたが、楽しむことができました。 【作者】 ロバート・ルイス・スティーブンソン 【あらすじ・概要】 弁護士のアッタスンはハイド氏の悪いうわさを…
「探偵と助手」は王道ですが、探偵が二人というのは珍しいです。「名探偵」がズバリと真相に切り込む格好良さはないですが、不完全な探偵二人がお互い補いながら徐々に真相に近づくのは斬新でした。「十円玉が少なすぎる」のように純粋な論理ゲームを楽しむ…
映画「SAW」のような雰囲気です。特別なルールがある空間で、疑心暗鬼になりながらお互いを利用し、時に信頼して協力し、密室からの脱出を図っていきます。心理劇的な緊迫感と、世界の仕組みを解いていく面白さに引き込まれ、かなり長い話ですが一気に読んで…
「若くて元気」を維持する方法を提案しています。こういう健康情報は流行り廃りがあったり、極端に偏ったりしがちですが、この本は比較的バランスの良い内容でした。自分でも取り入れてみようかな、と思える提案もいくつかありました。 【作者】 満尾正 【あ…
作者は「あくまでもフィクションである」と言って始めています。でも実在した人物や実際の出来事が元になっていて、全くのフィクションでありません。「こういう可能性もありうる」という作者なりの解釈を物語にしているということなのでしょう。 【作者】 …
5編の短編小説集です。青春時代の苦しさと、それを暖かく見守るやさしさが描かれていて、優しい気持ちに慣れました。 ミステリ要素もあるのですが謎解きがメインではありません。ちょっとした「何故だろう」という疑問を紐解いていく過程で、人の苦しみや優…
還暦近になってライフネット生命 を立ち上げた出口氏による著作です。出口氏の他の著作もいくつか読みましたが、教養の深さとバランス感覚の良さが感じられます。本書は「人生の彩を豊かに、ワクワク愉しくしてくれるものである教養」のシンボルとして45個の…
ロックミュージシャンを目指す少年に、ロックの惨めさや欺瞞を教え、諦めさせようとする男の話です。ロックを諦めさせようとする彼の思考が、どうみても完全にロックなのが面白いです。 【作者】 町田康 【あらすじ・概要】 主人公の男の元に、従姉妹の娘が…
タイトルに「地頭力」とあるけれど、頭の使い方を鍛えるという趣旨ではないです。グローバルに活躍していくための考え方や学び方についての本でした。 作者の英語学習方法は気合が入っているので、自分の状況を鑑みると、ちょっと焦りを感じてしまいました。…
メールのやり取りを素早く確実に行い、ビジネスの効率を上げる方法を説明しています。 読みやすいメールを教える内容だけあって、この本自体も圧倒的に読みやすい!内容も真っ直ぐに頭に入ってきました。メールの書き方だけでなく仕事の進め方全般に関わって…
5編(+1つのおまけ)の連作短編推理小説です。 殺人のようなシリアスな犯罪が起きることもなく気軽な雰囲気です。それでも、探偵役である裏染の観察の鋭さや密室トリックのぶっ飛び方など、本格推理小説として楽しめました。 【作者】 青崎 有吾 【あらすじ・…
GAFAと呼ばれる4社(Google、Amazon、Facebook、Apple)についての本です。この4社を現代の四騎士とみなし、各社が急成長してきた理由や今後の見通しを分析しています。 近年、圧倒的な影響力を持ち始めているGAFAについて基本的な知識を持つには、本書のよ…
「血か、死か、無か」に続くWシリーズの9作目です。ミステリ作家の作品ですが、謎解きに重点の置かれたシリーズではありません。「人工知能や生命工学が進歩した世界はこういう風になるのかなあ」というSF的空想を楽しむものなのだと思います。 完全に理系…