毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

文学

麦本三歩の好きなもの

「無意味と大切じゃないは一緒じゃない。 そして無意味は意味の引き立て役でもない。 無意味な日常があるから、 意味ある日が大切に思える、とかじゃない。 無意味な日々も、意味ある瞬間もどっちも大切で、 それが一番いいということなんだとのんきに思う」…

アレグリアとは仕事はできない

コピー機「アレグリア」と格闘するOL、 地下鉄に乗り合わせた乗客たち、 みんな何かに憤ってます。 「日常あるある系」のコメディー風と思いきや 視線の鋭さが「よくある」レベルじゃなくて 何だか怒りのこもった作品になっています。 【タイトル】 アレグリ…

僕は僕の書いた小説を知らない

敢えて「叙述トリック」を匂わせて 自らハードルを上げるスタイルですね。 でもラスト数十ページはやっぱり良かった。 諦めずに抜いた「ハードボイルド」さんは 一人じゃなかったんですね。 【タイトル】 僕は僕の書いた小説を知らない 【作者】 喜友名トト …

車輪の下で

前途洋々たる若者が、 徐々に救いのない悲惨さに落ち込んでいく 相当暗い話でした。 ストーリー自体は単純ですが 田舎町の自然や、神学校での生活、 ジュース絞りや機械工としての仕事など 繊細な情景描写を通して 少年が大人になる時期の鮮やかな感性と そ…

実存と構造

実存主義、構造主義の本だと思って読んだのですが どちらかというと 文学評論 寄りの内容でした。 20世紀半ば以降の文学に実存主義と構造主義は どのように組み込まれてきたかを解説しています。 カフカ、カミュ、やサルトルなどの「実存」に迫る作品や 神話…

ヴェニスの商人

「古典の翻訳ものは読みにくい」と感じていますが このシェイクスピアは、驚くほど楽しく読めました。 「自分より男の友情を優先する夫に嫉妬して 悪戯して困らせる奥さん」とか 現代のラノベでも使えそうな話です。 数百年を経ても伝わる、人の心の機微の面…

青春SPOOKY!

新潟を舞台とした怪奇小説短編集です。 幽霊とか死体を蘇らせた傀儡とかが出てくるし 結構グロいシーンもあるけれど 不思議と怖さは感じなかったです。 【タイトル】 青春SPOOKY! 【作者】 ヤマダマコト 【あらすじ・概要】 3つの短編集。 青春スプーキー 29…

三月の雪は、きみの嘘

「あるところに、ウソばかりついている女の子がいました」 という絵本の引用から始まる、 どうしても「ウソをついてしまう」少女の物語です。 少女が、自分を縛る「かつてのウソへの後悔」を 周りを囲む優しい人たちの力を借りて 少しずつ解き前進していく姿…

夢の終わりで、君に会いたい。

「いつか、眠りにつく日」に続く いぬじゅん さんの作品です。 前作に続き、人の死が絡む切ないストーリーですが 「生きていることの素晴らしさ」や 「言いたいことは言わなきゃダメ」という思いが 込められているように感じます。 「誰かの期待に沿うこと」…

いつか、眠りにつく日

事故にあった女子高生が「案内人」に導かれ 四十九日の猶予期間に、この世の未練を解消していきます。 「生きていることを大切にしなければ」と感じ、 泣かされる話でした。 【タイトル】 いつか、眠りにつく日 【作者】 いぬじゅん 【あらすじ・概要】 森野…

思い出がきえないうちに

「コーヒーが冷めないうちに」「この嘘がばれないうちに」 に続くシリーズ3作目です。 前作から15年後の世界で、舞台も東京から函館に移っていますが、 またまた変わらず、泣かせにくる作品でした。 【タイトル】 思い出がきえないうちに 【作者】 川口俊和 …

ある男

弁護士の城戸が他人の名前で生活していた ある男「X」の人生を探っていく話です。 その過程で「人間にとって過去とは何か」 「愛とは何か」「家族とは何か」 といったテーマが投げかけられます。 なかなかヘビーな物語でした。 【タイトル】 ある男 【作者】…

これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~

計画通りに進むのが好きで イーブンを愛する経理部の森若さんが 社内各部署の領収書を処理する立場から ちょっとした事件に巻き込まれていきます。 真面目で人に愛されているけれど どこか不器用なところがある森若さんが魅力的です。 【タイトル】 これは経…

現地採用女子!

シンガポールの日系企業で働く現地採用女子と 駐在員家族の闘いの物語です。 海外での生活の様子が良くわかる本でした。 「駐在員もそんなにきらくじゃねえ!」とは 言いたいですが。。 【タイトル】 現地採用女子! 【作者】 小野七夏 【あらすじ・概要】 …

この嘘がばれないうちに

「コーヒーが冷めないうちに」の続編です。 本作も過去に戻れる喫茶店「フニクリフニクラ」での 物語四編の短篇集です。 前作は「過去と他人は変えられなくても 自分と未来は変えられる」という話でしたが 本作は「自分の幸せを願ってくれる人のために 自分…

コーヒーが冷めないうちに

「一杯のコーヒーが冷めない間だけ」 過去に戻ることができる喫茶店で起こった話。 一時期は、やたらと広告を目にしたので 読む気になりませんでしたが、 読んでみると舞台が頭に浮かぶような映像的な描写で 作品世界に浸かることができました。 【タイトル…

モモ

初めて読みましたが、素晴らしい作品です。 児童文学であると同時に、 現代社会の大人たちへのメッセージでもありました。 むしろ大人こそ読むべき本なのかもしれません。 【タイトル】 モモ 【作者】 ミヒャエル・エンデ 【あらすじ・概要】 ある都会の町外…

お父さんのバックドロップ

4つの父と子の物語です。 「親も中身は結構がきんちょだ」 と理解するとき、子供は大人になるのかもしれません。 【タイトル】 お父さんのバックドロップ 【作者】 中島らも 【あらすじ・概要】 子供視点から父親を描く4つの短編集。 お父さんのバックドロッ…

雨やどり

新宿を舞台に繰り広げられる「愚者たちの物語」です。 半村良さんの作品ですがSF的な要素はほぼなく、 バーで顔馴染みたちと一緒に飲んでいるような こじんまりとした暖かさを感じる話でした。 【タイトル】 雨やどり 【作者】 半村良 【あらすじ・概要】 バ…

君はフィクション

中島らも氏による短編集です。 抜群に「格好の良い」生き方が描かれています。 【タイトル】 君はフィクション 【作者】 中島らも 【あらすじ・概要】 12編の短編集。 ホラー的な作品から、1970年代のロックを描いたものなど幅広い。 山紫館の怪 地図を作る…

有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。

タイトルでいっている通りの内容です。 25の有名な文学作品を、 それぞれ10ページ前後の漫画であらすじを追っています。 水木しげる風の絵が雰囲気を出してます。 【タイトル】 有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。 【作者】 ドリヤス…

よるのばけもの

「君の膵臓をたべたい」や「また、同じ夢を見ていた」に続く 住野よるさんの3作目です。 いじめがテーマですが、希望の見える優しい話でした。 【タイトル】 よるのばけもの 【作者】 住野よる 【あらすじ・概要】 夜になると黒い粒子に包まれ ばけもの にな…

恋する寄生虫

極度の潔癖症で 社会に馴染めない男が 一回り近く年下の女子高生と恋に落ちる物語です。 クリスマスイブの夜に通信ネットワークを遮断する 「Silent Night」というワーム型マルウェアを作るくらい 拗らせていた男が、 恋に落ち生きる喜びを取り戻すけれど 単…

それでも僕は夢を見る

「夢をかなえるゾウ」など、 自己啓発系コメディーを書く水野さんと、 「振り子」など、人生を俯瞰するような物語を パラパラ漫画で描く鉄拳さんのコラボ作品です。 それほどボリュームはなく、サクッと読めます。 【タイトル】 それでも僕は夢を見る 【作者…

いたいのいたいの、とんでゆけ

凄惨で救われない状況に堕ちた二人が その中で最大限の喜びを見つけていきます。 バッドエンド風ハッピーエンドが切ない恋愛小説です。 以前読んだ同じ作者の「三日間の幸福」も 最終的な救いはない中で幸せを見つける話でした。 本作では、より深い絶望の中…

桐島、部活やめるってよ

高校での生活を描いた「青春小説」です。 タイトルにある桐島自身は出てきませんが 7つに分かれた各章の語り手たちに 直接・間接の影響を与え、状況が変化していきます。 最初はとっつきにくいと感じましたが 後半に入ってググッと引き込まれました。 【タイ…

祈りのカルテ

2年間の臨床研修で各科を巡回しながら 患者たちの隠した思いを解き明かしていきます。 「医療ミステリ」の範疇に入るのだと思いますが 病気や治療がキーになるわけではなく 患者たちが守ろうとしているものに気づき 救い出していく、という話でした。 【タイ…

鍵のない夢を見る

5編の短編集です。 どれも犯罪がらみの話でちょっと重いのですが 語り手となる女性主人公の心理描写が凄まじく 一気に引き込まれました。 【タイトル】 鍵のない夢を見る 【作者】 辻村深月 【あらすじ・概要】 仁志野町の泥棒 ミチルはかつての友人律子と再…

妹と猫

5つの短編集です。 若干ミステリ風な「ノック屋・その後」での 洒脱な会話も大好きなのですが 表題作の「猫と妹」は傑作だと思います。 【タイトル】 妹と猫 【作者】 奥田徹 【あらすじ・概要】 ヨビダシガカリ 地元に帰った僕は、同窓会の呼び出し係として…

サクラ咲く

学校を舞台にした3つの連作短編集です。 辻村深月さんには、時々影を感じますが 本作はまっすぐに優しい作品でした。 この作者の作品では、いまのところ一番好きです。 【タイトル】 サクラ咲く 【作者】 辻村深月 【あらすじ・概要】 3編の連作短編集。 約…

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