毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

『超約ヨーロッパの歴史』 ジョン・ハースト

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副題に「The Shortest Hisotry of Europe」とある通り、短くまとめられたヨーロッパ史解説です。

短いのですが、ヨーロッパ文化の起源、侵略と征服の歴史、キリスト教の影響、言語や農業からの分析、封建制から近代の議会制民主主義までの流れ等々、それぞれの切り口が独特で興味深く読むことが出来ました。

受け取った印象は
・ローマ帝国以降、西ヨーロッパは小国乱立の期間が長く「国」の観念は希薄。
・その分、キリスト教が統一バックボーンになっている。
・大国構築のための「民族」というフィクションは今日も生き残っている。
というあたりです。

EUという超国家の実験が、かつてのローマ帝国を超えて、あるいはキリスト教圏を超えて広がるなら、面白いなあと思います。

リンク先に要約と感想をあげました。

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『「Why型思考」が仕事を変える 鋭いアウトプットを出せる人の「頭の使い方」』 細谷功

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表面的事象や行動をなど「何を」を重視する「What型思考」と、その背景にある本質や行動の背景を考える「Why型思考」について解説する本です。

状況が変わっているのに前例踏襲を続ける思考停止が多いですね〜
「Why」を考えることは大事です。

逆に、直接的な対人関係では「Why」を押し付けてくるのは勘弁してほしい。
「〇〇が欲しい」という客に「どうして〇〇が欲しいのですか?そいうことなら△△はいかがですか?」とかいう営業マンは出禁で。黙って〇〇を持ってきて。

リンク先に要約と感想を上げました。 

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『依存』 西澤保彦

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構成力が凄まじい作品でした。

本筋と無関係に見えるエピソードが挟まれ、それぞれを「純粋な論理パズル」として推理されていくのだけれど、そこで浮き上がったテーマが、それぞれラストに繋がるピースとなっています。「立場を変えて見えてくる共依存」「防衛機制としての記憶改竄」「人間関係における客観性の曖昧さ」などなど。

そして、人間の「業」の恐ろしさに慄くラストでの、鮮やかな切り返しが素晴らしい。

いやあ、すごい作品です。

リンク先にあらすじと感想をあげました。 

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『悪魔を憐れむ』 西澤保彦

 


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「タック&タカチ」シリーズの短編集。
彼らが大学を卒業した後、それぞれの道を歩んでいく中で遭遇した事件を描く、4つの短編集です。

どの話も「なぜそうしたの?」を問うワイダニットなのですが、その理由に「人間の業」が感じられます。

とくに表題作の『悪魔を憐れむ』は強烈。
「善意で人をコントロールする人」への嫌悪感は、西澤さんの作品のベースに流れるテーマだけれど、本作では「悪意で人をコントロールする人」との対比で「やっぱ善意の人間の方がたちが悪い」と感じさせてきます。

「正しい」という思いが外側に向くと人を傷つける。

 
リンク先にあらすじと感想をあげました。

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『超筋トレが最強のソリューションである 筋肉が人生を変える超科学的な理由』 Testosterone、久保孝史、福島モンタ

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「死にたい」から「殺すぞ」へ。

筋トレで、健康になり、異性にモテて、仕事ができるようになり、アンチエイジングを果たし、メンタルが安定し、ダイエットに成功し、自信をつけよう!
という、ひたすら「筋トレ推し」の本です。

「科学的に実証」しようとして全然科学的じゃないんだけど、勢いがあってとにかくモチベーションが上がる。

うん、筋トレしてみよう!

リンク先に要約と感想をあげました。

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『冤罪者』折原一

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連続殺人事件を追うノンフィクション作家の婚約者が殺された。
無期懲役の判決受けた「犯人」 は、自白を強要されたとして無罪を主張する。

折原一さんの作品ということで「叙述トリック」アリなのは、織り込み済みで読みました。人物の同一性とか、時間軸とか、どこかに「だまし」があると思うから、全員が怪しく見えてきます。緊張して読むので疲れますね。。

本書のタイトルは、日本語で「冤罪者」、英語で「STALKER(ストーカー)」です。

「ストーカー」の方は、ストーリーを凝縮している感じです。
誰もが怪しく見える中で、ストーカー的に迫ってくる真犯人の恐ろしさが、一つの醍醐味でした。


もう一つ「冤罪者」の方は、本書が読者に投げかけるテーマなのだと思います。冤罪は人を不幸にする、とはいえ「疑わしきは罰せず」では警察は機能しない。
一人の人間を通して、冤罪にまつわる両面を示して問題提起をしています。

考えさせられる内容でした。

リンク先にあらすじと感想を上げています。

 

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『仔羊たちの聖夜』 西澤保彦

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タック、タカチ たちの本格推理シリーズです。
時系列的には第3段なのかな。

 

一年前のクリスマスイブ、マンションから飛び降りた女性のプレゼントが、タカチたちの持ち物に紛れ込んでいた。

プレゼントを遺族に返そうと調べていると、5年前のクリスマスイブにも、高校生が同じ場所で死んでいたことがわかる。


そして今年の同じ時期、タカチたちの知り合いである大学講師も、同じ場所から飛び降りた。

3つの事件に関係はあるのか。


善意である分たちの悪い「独善的支配」が、人を壊していく様をグロテスクに描く作品でした。一方で、タカチが「自立した友人」たちに囲まれ、心の傷を回復していくのが「救い」でした。

時系列的には後になる「スコッチ・ゲーム」と合わせて読むと、より深く作者のメッセージが理解できます。

 

 リンク先にあらすじと感想をあげました。

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