毎日一冊! Kennie の読書日記

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おとしどころの見つけ方 世界一やさしい交渉学入門

交渉下手で仕事でもプライベートでも損をしている主人公が

交渉上手の宇宙人に指導を受け、成長していくという話です。

分かりやすいケーススタディーで、すっきりと腹落ちしました。

「交渉が上手くいかない。。」というひとには一読をお勧めします。

 

 

 

 

【タイトル】

おとしどころの見つけ方 世界一やさしい交渉学入門

 

【作者】

松浦正浩

 

【あらすじ・概要】

 

1. 交渉の心構え

・「人物」と「問題」を区別する

 交渉相手に対して不満があっても

 「人物」と「問題」を分けて考える。

 感情的になった時点で交渉は失敗。

 

・相手の「本音」を考える

 相手の「立場」からでる表面的な問題でなく

 背後にある本音を探り、そこを狙って交渉する。

 

・利害のズレを探す

 利害のズレを探し、複数の条件を組み合わせて

 「統合型」の交渉とする。

 

・先延ばしていいことはない

 交渉は気が重く、心理的な「取引費用」がかかるが

 交渉を先伸ばすことによる「機会費用」も大きい。

 「取引費用」と「機会費用」を比較し対応を決める。

 一般的には先延ばしで良いことはない。

 

・仕事仲間は友人ではない

 仕事上ではお互いに実利優先。

 双方に利益があって初めて関係が成立するので

 感情面に配慮するよりも実利を優先する。

 

2. BANTAという考え方

・他の選択肢を考える

 「BATNA (Best Alternative to Negotiated Agreement) 

 -交渉が決裂したときの代替案- 」を持って交渉する。

 相手の条件を受けるかどうかの基準となる。

 

・断ったら相手はどうなるか考える

 相手側のBATNAを考え、

 双方が重なる 「ZOPA (Zone of Possible Agreement) 

 -合意可能領域-」があるかを探る。

 ZOPAが存在しなければ、合意は極めて難しい。

 

・交渉はその時だけのものではない

 継続する関係であれば、その時だけでなく

 中長期的な視点でベストとなる合意を目指す。

 

・「順応的管理」と「条件付き合意」

 将来の状況が見えない中で合意する必要があるときは

 小さく始め徐々に拡大していく「順応的管理」か

 状況によって分ける「条件付き合意」が望ましい。

 

 

3. 多者間交渉の基本

・まずは「総論賛成」を作る

 最初から積極的な関与を得るのは難しい。

 まずは「誰も否定できない目的」を掲げ

 「総論賛成」の雰囲気を作り盛り上げる。

 

・参加者を吟味する

 部署の責任者だけに声をかけるのではなく

 「本当に関与してもらわなければならない人」を

 集めることが大事。

 

・プロセスマップを作る

 話し合いのスケジュール感を示す

 プロセスマップを全員で共有し

 進展状況に合わせ修正しながら進めていく。

 

・落としどころを予想しておく

 複数での交渉ではそれぞれが最優先する「利害」を

 把握し、落としどころを事前に予測しておく。

 

4. プライベートの交渉

・「何」ではなく「何故」を考える

 表面的な「何」をしたいかではなく

 背景にある「何故」それをしたいのかに重点を置く。

 

・相手に合わせるのが正解とは限らない

 相手に合わせ続けるのではなく、

 双方が自分の「利害」を打ち出すことで

  より建設的な解決ができる。

 

5. かけひきの正しい進め方

 ・決め打ちは危険

 「取引費用」を考慮しながらも

 決め打ちではなく BATNA をもって置くべき。

 

・プレッシャーは曖昧にかける

 自分のBATNAを知られると、足元を見られる。

 BATNA が見えないから譲歩する余地が生まれる。

 

・高圧的な相手には冷静に対応

 自分のBATNAの弱点に攻め込んでくる相手がいても

 弱点をあらかじめ把握しておけば、冷静に対処できる。

 

 

・感情的になったら第三者を巻き込む 

  交渉では感情的になったら負け。

 

 

6. 代表者同士の交渉

 ・敵味方の区別をしない

 お互いが満足できる落としどころを見つけるのが交渉。

 敵味方に分かれそうになったら「総論賛成」で

 目的を再認識させる。

 

・代表者の「代表性」に注意

 代表者はメンバー全員の意見の取りこぼしがないかに注意する。

 メンバーの属性ごとに「ステイクホルダー分析」するのも有効。

 

・高圧的な人はリーダーではない 

 スピードを重視した一方的なりーだーしぷは

 「代表性」にかけ、リーダーには適さない。

 意見をまとめ上げる「ファシリテーティブ・リーダー」が

 求められる。

 

 

【感想・考察】

 

 

重点ポイントは

 ・人と問題を分けて感情的にならない

 ・ 落としどころを持っておく

 ・相手の落としどころを予測する

 ・複数交渉では「総論賛成」の雰囲気を作る

と言ったところだろう。

それぞれを具体例に落とし込んで解説しているので

とても分かりやすい。

 

仕事では日々交渉の連続なので、こういう点に

意識的になってみようと思う。

 

とても良い本だと思うのだが、文字情報ではなく、

イメージで取り込まれていてKindleで読みにくいのが残念。

冒頭数ページのマンガ部分のために、

全体が見にくくなっている。

電子書籍化を意識してもらえるとありがたい。

 

 

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