SINGLE TASK 一点集中術 ーー「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる
【作者】
デボラ・ザック
【あらすじ・概要】
やるべきことが増えると、物事を同時進行の「マルチタスク」でこなそうとするが、実は極めて非効率で、その時に集中し一つづ「シングルタスク」でこなす方が成果につながるという話。
・実際に「マルチタスク」をこなすことはできず、細かい「タスクスイッチング」が行われているだけ。これは切り替えの時間、集中にかかる時間を考えると非効率。(無意識にできるような行為、音楽を聴きながら本を読むなどは可能な人もいる)
・「会議にしながらメールに返信する」、「誰かと話しながら資料の整理をする」など、同時に複数のことをこなそうとするとどちらに対しても十分な成果があげられない。対人関係でみても「自分より大切なことがある」というメッセージをつたえることになり、信頼を勝ち得ることができない。
・何かしなければいけないことが発生した時、メモに書き出して記憶を外部保存することは有用。今行っている作業を中断して取り組むより、一旦頭から完全に消して、やり続けていた作業を完結させる方が良い。
・何かの作業中に割り込む人に対しては、「今は」時間が取れないことを説明し、いつなら対応可能なのかを伝えた上で、作業中断して対応することを断る方が長期的な信頼獲得につながる。
・時間を節約することに意味はない。時間をどのように使うかが大事。時間を節約し省力化するために開発されたデジタル機器は忙しさを加速している。
・「いまここ」を大事にするために時にはデジタル機器から離れ、集中する時間を持つことを推奨している。
【感想・考察】
「目の前のことに集中して取り組みましょう」というシンプルな主張。そのための仕組み作りや周囲の理解を得る方法なども記載されているが、主張はぶれていない。
いくつかのチェックシートがあるが、私は完全なシングルタスク人間だった。音楽を聴きながら本を読むのも苦手だし、電話をしながらメールを描くなど信じられないくらいなので、まあ当然かも知れない。とはいえ対人関係を考えると、割り込みで依頼をしてきた人への対応を常に断るのも難しく、「マルチタスク」ではなくても「タスクの分断」は多発してしまっている。うまくコントロールできるようにしていきたい。