『ESG思考 激変資本主義1990-2020、経営者も投資家もここまで変わった』夫馬賢治
本音ではやりたくない。
とはいえ、何もしないと印象が悪い。
から形だけでもやっとこう」
「漁獲量の制限は目先のデメリットだけど
「長期的視点」に切り替えると
環境への配慮もプラス要因になる。
投資でも、中長期のファンドでは
ESGを組み込んだインデックスの方が好成績を収めているという。
「損するけど仕方なくやる」ではなく
「大切なことだし、儲かるからやる」という思考に切り替わってきている。
これがポジショントークでないなら
すごいいことかもしれない。
『仮想空間シフト』 尾原和啓、山口周
コロナ後の「仮想空間シフト」に乗っかろう!
というお話。
「リモートで働く仕組み」自体は、だいぶ前からあったけれど
コロナの影響で「強制的に」キャズムを超え、
もう「元には戻れない」ところにたどり着いているという見解です。
個人的には「仕事上」では「仮想空間シフト」が進むことに大賛成。
上司の顔を直接見たいとは思いませんね。
いろいろな視点が提示され、興味深い内容でした。
リンク先に要約と感想を上げています。
『外資系コンサルの知的生産術~プロだけが知る「99の心得」~』山口周
知的生産のボトルネックになるのは
「思考の技術」より「行動の技術」!
「外資系コンサル」というと
「ロジカルゴリ押し」のイメージですが、
著者は現場での実践を重視するスタイルで
ものすごく腹落ち感がありました。
人を動かすのに、合理性は「わりとどうでもよく」て
「大切なのは共感」だとか、
将来を見据えた目的主導の読書より
「いま・ここ」で役に立つ面白い読書がいいとか、
「常識を疑え」というアドバイスは
「常識を疑うコスト」を考慮しない浅薄なもので
「重要なのは疑うべき常識を見つける選球眼」だ、
などなど。
どれも地に足の着いた言葉で、共感しまくりです。
リンク先に要約と感想をあげました。
『七回死んだ男』西澤保彦
SF要素が入った「本格ミステリ」です。
超能力とか霊能力が出てくると「論理的」なミステリを成立させるのは難しくなります。
テレポーテーションができる世界で「密室トリック」は無意味だし、「呪い殺す」ことができる世界で「アリバイ」なんかは意味がなくなります。
でも本書は、そういう超常現象に細かい条件を設定することで「特殊条件下のミステリ」として成立させてしまっています。
面白いですね!
リンク先にあらすじと感想をあげました。
『准教授・高槻彰良の推察5 生者は語り死者は踊る』澤村御影
『准教授・高月彰良の推察』シリーズ第5弾!
一見「怪異」に見える事件を「現実的な解釈」で解決していくスタイルのミステリです。
でもその中に「本物の怪異」をちょこっと混ぜてくるのが面白い。
今作では、主人公の一人である深町を襲った「孤独になる呪い」を探っていく話がメインになってきます。
「‘嘘を聞き分けられる耳」を持たされた深町は、世間から浮いてしまう。
彼を世界に繋ぎ止めたのは「嘘がわかる能力の放棄」ではなく「支えてくれる仲間たちとの思い出」だった。甘い感じの話だが、けっこう好きですね。
シリーズ5作目で一段落ついた感じです。
リンク先にあらすじと感想をあげました。
『詐欺師は天使の顔をして』 斜線堂有紀
カリスマ霊能力者を演じる「子規冴昼」と、抜群の洞察力と緻密な下準備で彼を支える「呉塚要」の物語。
「たった一つの真実」よりも「一番大切な人にとって都合の良い虚構」を追求していく要がカッコいいですね。
「嘘つき好き」な私には「コン・ゲーム(詐欺師の騙し合い)」系のお話が大好物です。
最後のエピローグには唐突感がありました。
未解決の謎を残し、全てを語り切らないスタイルも好みです。
斜線堂有紀さん、いいですね。
リンク先にあらすじと考察を上げました。
ネタバレがあるので、未読の方はご注意ください。
『コーヒーが冷めないうちに』 川口 俊和
「一杯のコーヒーが冷めるまでの間だけ」過去に戻ることができる、古びた喫茶店「フニクリフニクラ」で起きるドラマ。
「過去には戻れる。でも、過去に起きた出来事を変えることはできない」という制約があるけれど、それでも人は「大切な人が過去に残した思いを知りたい」と、戻っていきます。
「過去は変えられない。それでも、過去の解釈を変え、未来を変えることはできる」というのがテーマですね。
だいぶ前の本で、出版当初はしつこい宣伝のせいで敬遠していたけれど、読んでみると泣けるいい話でした。
やっぱり読まず嫌いは損ですね。
リンク先にあらすじと感想を上げました。