『誘拐遊戯』 知念実希人
「僕を見つけて。ずっと待ってるよ」
全てが奪われようとしている元刑事と「ゲームマスター」の闘い。
戦慄のラストに鳥肌が立ちました。
タイトル : 誘拐遊戯
作者 : 知念実希人
オススメ度
ハラハラ度 ★★★☆☆
どんでん返し ★★★★☆
プロットの緻密さ ★★★☆☆
総合オススメ度 ★★★★☆
あらすじ・概要
上原真悟は「ゲームマスター」と名乗る誘拐犯に振り回され、最後には人質を殺されてしまった。その後、ゲームマスターと目された容疑者が自殺して事件は終息したが、上原は刑事を辞め、離婚して妻娘とも別れて失意のうちに生きていた。
その4年後、女子高生誘拐事件が発生し、死んだはずのゲームマスターが上原を交渉相手として呼び出す。ゲームマスターは上原に指示し池袋、豊洲、代々木八幡、スカイツリーと振り回して、最後に自分を見つけられるか勝負を仕掛ける。
感想・考察
なぜゲームマスターが、一人の元刑事にそこまで執着するのか。
「お前から全てを奪う」でも「僕を見つけられたら一番欲しいものをあげる」と言う。やけに優しかったり急に激昂したり、ジョーカーっぽい不気味さを感じさせる。
知念さんの作品には優しい人物が多いが、クレイジーな犯人の魅力もうまく描けている。最後の展開には鳥肌が立った。
医療ミステリの要素はなく、どちらかというと警察サスペンスで、いつもの知念さんの作風を期待している人には違和感があるかもしれないが、文句なしで面白いので是非読んでほしい作品。