毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

魔弾の射手―天久鷹央の事件カルテ―

外傷を残さず人を殺める「魔弾」の謎を解くミステリです。

 

知念実希人さんも最近は重めの話が多くなって

元々ライトよりだった天久鷹央シリーズも

最近は少し重くなってきたかな、と感じていましたが

本作はまた明るく読みやすい作品となっていました。

安定のおもしろさです。

 

【タイトル】

魔弾の射手―天久鷹央の事件カルテ―

 

【作者】

知念実希人

 

【あらすじ・概要】

十数年前に医療過誤で患者と時山院長が自殺したことで

時計山病院は廃院となり、その跡地は自殺の名所となっていた。

 

自殺した院長の血筋に当たる時山恵子が

その病院の屋上から飛び降り死亡した。

女性は末期がんを患っており、

飛び降り以外の外傷もなかったことから

病苦による自殺と判断されたが、

女性の一人の由梨は「母は絶対に自殺ではない」と主張する。

由梨は病院で倒れてしまい、しばらく入院することとなった。

 

由梨の叔父にあたる文太と一志が病院に訪れ

シンガポールに駐在している一志は由梨を

養子として引き取ることを提案するが

気持ちの整理がつかない由梨は事件解決まで判断を留保した。

 

調査をしていた鷹央と小鳥遊、鴻ノ池は、

二人目の被害者が病院屋上から飛び降りるのを目撃した。

屋上の縁で胸を撃たれ転落したように見えたが

遺体を確認しても胸に外傷はなかった。

 

外傷を残さず胸を撃ち抜いた「魔弾」とは何なのか。

 

【感想・考察】

「医療ミステリ」として医学的な知識が鍵になっているので

素養がないと「謎解き」をするのは難しいが、

それでも緊張感を持って最後まで引っ張っていく。

倒叙的な描写を始めとした構成が上手なのだと思う。

 

統括診断部のメンバーたち掛け合いも軽さが戻ってきて

人が死ぬ辛さはあるが、全体としての雰囲気は明るく、

読んでいて楽しい。

 

知念実希人さんには、幅広い作品を書き続けてほしい。

 

 

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