成功哲学
「思考は現実化する」の著者であるナポレオン・ヒルが80歳を超えてから著した本です。主張していることは変わりませんが、だいぶシンプルに整理され、新しいエピソードも追加されていました。
「思いは叶う」というと「引き寄せの法則」的な、ちょっとあれな感じも漂うのですが、この本自体は、当たり前で真っ当なことを言っています。
ただ本書では訳者が主催しているPMAプログラムへの誘導も若干感じます。
【作者】
ナポレオン・ヒル
訳者の田中孝顕氏の著述部分もあり。
【あらすじ・概要】
内容的には「思考は現実化する」のブラッシュアップでした。
・自分の心を知り、自分自身の人生を生きる
否定的な意見を気にせず、自分の成功を信じて生きる。
「自分は何を成し遂げようとしているのか」を常に意識する。
・信念の力
潜在意識に植え付けられた信念は、表層意識を凌駕し行動をコントロールする。
信念の力には限界はなく「心が信じられるものは達成できる」という。
・富を分かち合う
誰でも分かち合える富を持っている。そして誰もが無尽蔵の富を築き上げるだけの力を持っている。多く与えるほど多く戻ってくるし、富は富を呼ぶ。
・恐怖を取り除く
恐怖は心の自由な動きを制限する。
貧困の恐怖は前進へのモチベーションへ、
愛を失う恐怖は、「愛はただ与えるもの」だと考え、
病気の恐怖は、「病は気から、まずは健全な精神」を持ち
老いの恐怖は、心の中にしか存在しないと自らの経験をあげ、
死の恐怖は死ぬ時にはすでにないという。
・過去にとらわれない
「逆境の中にはすべて、それ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている」
失敗のことを考えると失敗し、成功のことを考えると成功する。
常に一歩先、一段先を行こうとする姿勢を持つことで障害を取り除くことができる。
・代償の法則
徳は報いられ罪は罰せられる。良心に従って徳を積んでいけば必ず報いられる。
【感想・考察】
分かち合う、徳と罪の代償を信じる、信念を持つ、恐怖に打ち勝つ。という趣旨はぶれていないようだ。
「心が信じることは何でもできる」というのは「願いさえすれば、それだけで何でも叶う」という安易な意味ではなく、信念に従って強く生きるタフさを説いている。
【オススメ度】
★