東大生が書いた世界一やさしい株の教科書
【作者】
東京大学投資クラブAgents
【あらすじ・概要】
株式投資の入門知識を、大学生と先生の講義形式で解説していく本。
「そもそも株とはどういうものか」から始まり、株価変動の仕組み、投資対象の選定方法まで具体的に解説してく。
まず株のメリットは、・配当・キャピタルゲイン・株主優待・議決権 等があるが、大きいのはキャピタルゲインであるとする。
また、投資対象決定のための分析手法として、ファンダメンタル分析とテクニカル分析を説明している。ファンダメンタル分析は企業の財務状況や収益力などの「実力」を評価する手法、テクニカル分析は値動きなどのパターンから予測して対象を決める。
ファンダメンタル分析では、P/LやBSといった基本的なものから、PER(株主収益率)、PBR(株価資産倍率)、ROE(自己資本利益率)などの代表的な視点を紹介している。
テクニカル分析の知識として、上値の抵抗線や下値の支持線の見方、チャートのローソク足の意味などを紹介。原則的にはファンダメンタル分析を重視することを推奨しているが、基本的なテクニカル分析の手法は理解しておくべきというスタンス。
株価を上下させる要因として、様々な経済指標や金利・為替の影響などを説明し、社会状況を広く知ることが株式投資に役立つし、裏返って株式投資について学ぶことで社会・経済について深く学ぶことができることから、株式投資を進めている。
具体的な銘柄をいくつか挙げ、強み弱みを討議する中で説明した内容の復習となるよう構成している。最後にはいくつかのクイズ形式での出題もあり、初級レベルとはいえかなりの知識が身につく。
【感想・考察】
ごく初歩的な内容から説明しているし、講師と生徒の会話をベースに進むので非常に読みやすいが、初心者に必要な項目を網羅している。これから株式投資を始めようという人にとって、この本だけでは不足があると思うが、ベースとなる考え方を身につけるために読んでおくとためになる本だと思う。