毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

ミステリ

『神話の密室―天久鷹央の事件カルテ―』 知念実希人

天久鷹央シリーズ最新刊! このシリーズは、知念実希人さんの数ある作品群の中でも、一番正統な「医療ミステリ」だと思う。単に病院を舞台としたミステリというわけではなく、病気や薬などの知識を、ミステリの鍵としてガッツリ組み込んでいる。それでいて素…

『夜行』 森見登美彦

10年前の京都鞍馬火祭で消えた長谷川さん。彼女以外のメンバー5人は10年ぶりに京都に集まり、とある画家の手による銅版画「夜行」にまつわる思い出話をしていきます。 「夢の中の夢」のように確実なものがない怖さを描き出すホラー寄りファンタジーでありな…

『吉祥寺の朝日奈くん』 中田永一

5つの恋愛短編小説集です。ミステリ的な仕掛けが効いていたり設定の巧みさも面白いのですが、「恋が芽生える瞬間」の心理描写が巧みで、胸がくすぐられる感じです。表紙の「乙一氏推薦!」はちょっとずるい。。こちらのリンク先にあらすじと感想を上げました…

『ノッキンオン・ロックドドア2』 青崎有吾

『ノッキンオン・ロックドドア』シリーズ第2弾です。不可能犯罪のハウダニット(どうやったの)を解く御殿場倒理と、不可解犯罪のワイダニット(どうしてやったの)を探る片無氷雨のダブル探偵が事件に挑みます。前作のラストで投げられた数年前の謎が回収さ…

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 雨と九月と君の嘘』 太田紫織

「櫻子さんの足元には死体が埋まっている」シリーズ第3弾です。「真実は必ずしも一つとは限らない!」とコナン君にケンカを売るスタイルです。シニカルなリアリストとして淡々と事実を解明するけれど、相手の心には踏み込まず、それぞれの解釈があることを尊…

『神のダイスを見上げて』 知念実希人

「小惑星があと数日で地球に衝突するかもしれない」というパニック小説 + 数日の制限内で姉を殺した犯人と戦うミステリ・サスペンス小説 です。 二転三転するサスペンス展開の裏で、 「地球最後の日に一緒にいたいと思うのは誰ですか?」「今日が最後の日だ…

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている 骨と石榴と夏休み』 太田紫織

『櫻子さんの足元には死体が埋まっている』シリーズ第2弾です。 櫻子さんは一見シニカルですが「自分のものさしで人をはかることはできない」こと理解して相手を尊重しているのだな、と感じました。人はそれぞれ違うものですね。 こちらのリンク先にあらすじ…

『アリス・ザ・ワンダーキラー~少女探偵殺人事件~』 早坂吝

『不思議の国のアリス』のVR世界で繰り広げられる謎解きです。ファンタジーな舞台だけど、論理的なごまかしは一切ない本格ミステリです。 オチのキレも素晴らしく、たっぷり楽しめました。アリス原作では「カラスと書き物机が似ているのはなぜか」という謎か…

『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』 太田紫織

ホラー寄りミステリだと思って読み始めたのですが、怖い要素はほとんどなく、櫻子さんのシニカルなリアリストっぷりが楽しめました。「真実はいつも一つ、でも、真実が必ずしも人を幸せにするわけじゃないよね」という薔子さんの渋さも光っています。ミステ…

『殺人犯 対 殺人鬼』 早坂吝

孤島の児童養護施設で、ある殺人者の視点からもう一人の殺人者を追っていく話です。早坂吝さんらしく「バカミステリ」の皮を被った緻密な本格ミステリでした。オチが衝撃的なので予備知識なしで読むことをお勧めします。こちらのリンク先にあらすじと、ネタ…

『片耳うさぎ』 大崎梢

父方実家で暮らすことになった小学生の蔵波奈都が、中学生のさゆりと一緒に巨大な屋敷を冒険していくストーリーです。片耳うさぎのオカルト的要素とか、数世代に渡る蔵波家の因縁とか、大きく広げた風呂敷が上手くまとまった楽しい物語でした。大崎梢さんの…

『ブルーローズは眠らない』 市川憂人

『ジェリーフィッシュは凍らない』に続くマリア&漣シリーズ第2弾です。 読み終わって「なるほど、そこで騙しにきてたのか!」と驚かされました。ミステリの約束を守りつつギリギリを攻める感じですね。 こういう「本格派ミステリ」をもっと読みたい。 リン…

『ロートケプシェン、こっちにおいで』 相沢沙呼

女子高生マジシャン 酉乃初シリーズの第2弾です。「午前零時のサンドリヨン」につづき大分前に読んだ本の再読です。 「トリック」の鮮やかさではなく、その使われ方に感銘を受けました。文句なしに傑作だと思います。 リンク先にあらすじと感想を書きました…

『午前零時のサンドリヨン』 相沢沙呼

『Medium』が面白かったので、相沢沙呼さんの初期作品を再読してみました。手先が器用で抜群の観察眼と洞察力を持つけれど、人間関係は不器用でギャグセンスが寒い女子高生マジシャンの酉乃初が実に魅力的。 そして彼女の纏う鎧を、これまた不器用に剥がして…

『たったひとつの、ねがい。』 入間 人間

度を越して残虐な復讐心も、恋人を失った悲しみを思うと、ほんの少しだけ感情移入できる部分もって、自分の大切な人を奪われたなら、自分にもこれくらいの狂気が宿るかもしれないと感じたのですが、 ラストで「これはないな。。」となる。最後にストンと落と…

『掟上今日子の裏表紙』 西尾維新

眠るたびに記憶がリセットされる「忘却探偵」掟上今日子シリーズ第9弾です。 今回は強盗殺人の犯人として逮捕されてしまった掟上が、留置所の中から取調担当の警部と、探偵事務所の常連客である隠館を操って事件の真相を探ります。シリーズのファンであれば…

『戦場のコックたち』 深緑野分

第二次世界大戦末期のヨーロッパでノルマンディー降下作戦に参加したアメリカの若い兵士たちの物語です。 特技兵として料理をしながら戦場で起きた謎を解いていきます。最初は「日常系」の謎ですが、段々と戦争の引き起こす悲劇に繋がっていきます。 読み応…

『孤島パズル』 有栖川有栖

有栖川有栖さんの初期作品で、パズル的に考えていける「本格推理」です。 ミステリのバリエーションはどんどん広がっていきますが、こういうド直球もたまに読みたくなります。 こちらにあらすじと感想を上げたので読んでもらえると嬉しいです! booklet.world

『掟上今日子の旅行記』 西尾維新

一日ごとに記憶がリセットされる「忘却探偵」掟上今日子シリーズの第8弾です。 今回は「忘却探偵がエッフェル塔を盗む怪盗淑女になる」というお話。今日子さんが可愛い回です。 こちらのブログにあらすじ紹介と感想を書いています。 お手数をおかけしますが…

『震える牛』  相場英雄

居酒屋に「たまたま」居合わせた二人の客が被害者となった強盗殺人だと思われていた事件は、「二人を殺すための事件」だった。二人の被害者を繋ぐミッシングリンクを 追いかけていく。強烈な社会的メッセージが込められた本でした。 是非ご一読をお勧めしま…

『掟上今日子の家計簿』

一日ごとに記憶がリセットされる「忘却探偵」掟上今日子シリーズ第7弾。 叙述トリックは知らずに読むのが良いのですが、短編タイトルで叙述トリックを謳いながら、ずらして落とすのは面白いです。 こちらのブログにあらすじと、ネタバレ考察をあげました。リ…

『十字架のカルテ』 知念実希人

友人を殺した犯人が精神疾患による心神喪失で不起訴となったことを受け、自ら精神鑑定医を目指す主人公の話です。 知念さんらしく、あざやかなミステリですが、社会に投げかるテーマは重い。一読の価値ある本です。 ちなみに6月15日現在は、Kindleストアで小…

『掟上今日子の婚姻届』 西尾維新

一日で記憶がリセットされてしまう「忘却探偵」掟上今日子シリーズ第6弾、今回は長編です。「婚姻届」と題する通り、今回は恋愛要素が強めですが、虚構をベースに人格を積み上げている掟上今日子は、一筋縄ではいきません。 相手役の隠館厄介もなかなかカッ…

『横濱エトランゼ』 大崎梢

横浜の歴史にまつわる小さな不思議を解いていく、5つの連作短編集です。横浜を愛する人に向けた本ですね。懐かしい気持ちになりました。 こちらのブログであらすじと感想を書いたので、リンク先を読んでもらえると嬉しいです! booklet.world

『掟上今日子の退職願』 西尾維新

一日しか記憶がもたない「忘却探偵」掟上今日子シリーズ第5弾です。 今作では同年代の女性警部たちとの掛け合いが面白い。男性相手の「小悪魔系不思議ちゃん」とは違う魅力をみせてくれます。 Kindleストアでは6月11日まではセール中で50%ポイント還元して…

『悪いうさぎ』 若竹七海

後味の悪い話でした。必死に生きる少女たちの純粋さと大人たちのロクでもなさがエグイ。。 ある意味印象の残った話です。 こちらのサイトであらすじを公開しているので、よろしければぜひ。 booklet.world

『依頼人は死んだ』 若竹七海

女探偵 葉村晶は、実姉の珠洲に殺されかけ逃れた。珠洲は晶を恨みながら自殺してしまった。晶は珠洲による嫌がらせを怖れて、所属していた探偵事務所を止めてしまい、彼女が自殺した後も復職せず、依頼を都度引き受ける臨時雇い探偵として生活していた。そん…

『真実の10メートル手前』 米澤穂信

タイトル:真実の10メートル手前 作者 :米澤穂信 ジャーナリズムの哲学 ★★★★★ ミステリ ★★★★☆ シリーズ続編期待 ★★★★☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 「さよなら妖精」で登場した大刀洗万智がジャーナリストになり活躍する短編集。時系列的には「王とサ…

『緋色の研究』 アーサー・コナン・ドイル

タイトル:緋色の研究 作者 :アーサー・コナン・ドイル 名探偵の造形 ★★★★★ ワトソンという視点 ★★★★☆ 物語としての動機 ★★★☆☆ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ ロンドンで下宿を探していた元軍医のジョン・ワトソンが、友人の紹介でシャーロック・ホームズ…

『僕が殺しました×7』 二宮敦人

タイトル:僕が殺しました×7 作者 :二宮敦人 ミステリトリック ★★★★☆ オチ ★★★☆☆ 多面的な描写 ★★★★★ 総合オススメ度 ★★★★☆ あらすじ 7人が「私が榊リエを殺した」という。真実はどこにあるのか。大学生の藤宮リョウは女子高生の榊リエと付き合っていたが…

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