肉体の悪魔
【作者】
レイモンド・ラディゲ
【あらすじ・概要】
20世紀初頭、第一次世界大戦のフランスが舞台。15歳の僕は18歳のマルトと出会い、互いに恋心を寄せるが、その時にはマルトは既に婚約していた。
マルトはやがて結婚するが、まもなく夫は戦地に赴く。16歳になっていた僕はマルトの元に訪れ、やがて深い仲になって行く。
僕はマルトを振り回しながらもマルトに耽溺し、彼女の妊娠を機に破滅的な結末へと進む。
【感想・考察】
「僕」は若さゆえの情動に突き動かされているが、その時々の心理を冷静に言葉にしている。熱い感情で動く自分とそれを見つめる敏感で冷静な自分の距離が黒々として恐ろしい。
作者のラディゲは18歳でこの話を書いたということにも驚く。完成度が高い。