『玩具修理者』 小林泰三
めちゃくちゃ面白い!
「人間と精密な機械と何が違うの?」と問う『玩具修理者』と、
「時間の流れや因果律って人間の主観だよね」という『酔歩する男』
の2編が収められた短編集です。
小林泰三さんは、思考実験を突き詰めた「哲学よりのSF」の作品に凄みがありますね。
「自我の本質は記憶にあるの?」という問いから思考実験を重ねた『失われた過去と未来の犯罪』も印象的だったけれど、本作は「常識的な感覚」と「思考実験の帰結」のギャップから生まれる恐ろしさが「ホラー」に仕立て上げられて、さらに迫力がありました。
すごい作品です。