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『今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る』  馬屋原 吉博

日本の政治体制についての基礎の基礎を学ぶ本。中学入試レベルです。

良く整理されているし、とても中立的な内容なのですっと入ってきます。

 

タイトル

 今さら聞けない!政治のキホンが2時間で全部頭に入る

 

作者

 馬屋原 吉博

 

あらすじ・概要

中学受験レベル、小学生くらいが対象のごくごく基本の日本政治の話。

  • 政治とは何か

①ルールを作り、

②ルールを世の中にあてはめ、

③問題をルールに即して解決する

ことが政治。

 

  • 法律と三権

ルールを作る-国会の立法権

ルールを世の中にあてはめていく-内閣の行政権

問題をルールに即して解決する-裁判所の司法権

の三権を分立させている。

 

  • 憲法

「国の最高法規」で憲法に反する法律は無効となる。

国家権力を制限し、国民の人権を守るのが重要な使命であり、規制されるのは国民ではなく国家権力の側。

 

  • 憲法-国民主権

間接民主制で選挙により議員を選び立法する。最終的には国民が政治を決める権利を持つ。直接民主制の方が直接的に民意が反映されるが、議論を行うことが難しく少数意見が無視されやすくなる。

天皇は政治上実質的な力は持たず、あくまで主権は国民にある。

 

  • 憲法-基本的人権の尊重

①平等権 差別されない権利

 

②自由権 国家から干渉されない権利

・身体の自由-奴隷的拘束からの自由など

・精神の自由-思想良心の自由、信教の自由、表現の自由など

・経済活動の自由-居住移転の自由、職業選択の自由など

 

③社会権 人間らしく生きる権利

 ・生存権-健康で文化的な生活を営む権利

 ・勤労権-働く権利

 ・教育を受ける権利

 

基本的人権を守るのが、参政権と請求権。

個人の持つ基本的人権と「公共の福祉=他の個人の基本的人権」が衝突する場合に、政治が調整することになる。

 

 

  • 憲法-平和主義

 「戦争の放棄」「戦力の不保持」「交戦権の否認」が原則。

自衛の武器を持つことは認められるが、攻撃に特化した武器の保有はダメだというのが現時点での解釈。近年では自国のみではなく同盟国への攻撃にしても反撃するという「集団的自衛権」も認められるという解釈になってきている。

 

  • 立法-国会

 主権者である国民が選挙で議員を直接選ぶ国会が「国権の最高機関」であるとされる。

 

  • 立法-二院制

任期が短く民意が反映されやすい衆議院と、任期が長く安定している参議院の二つで審議する。

①衆議院

定員465人、任期4年、解散あり、小選挙区+比例代表での選挙。

②参議院

定員245人(2022年に248人)、任期6年、解散無し、選挙区制+比例代表での選挙。

 

  • 立法-国会の仕事

①法律の制定

②予算の審議

③条約の承認

④内閣総理大臣の指名

⑤内閣不信任決議

⑥憲法改正の発議

⑦弾劾裁判所の設置

⑧国政調査権

 

  • 立法-国会の種類

①通常国会-1月から6月(+延長)、予算審議が主。

②臨時国会-通常国会終了後、必要に応じ、総議員の1/4以上の要求で招集される。

③特別国会-解散総選挙後総理大臣指名のために行われる。

 

  • 立法-委員会

 国会本会議は議決の場で、実質的な審議は各委員会で行われる。

 

  • 立法-法律の立案

 法案を国会に提出できるのは国会議員か内閣だけ。衆参両議院の過半数の賛成で可決する。実際はほぼ内閣から出された法案のみが可決している。

 

  • 立法-予算の議決

 近年の日本国家予算はおよそ100兆円。社会保障費、国債返済、地方交付税交付金の順。

 

  • 立法-内閣総理大臣の指名

 内閣総理大臣は国会議員であり文民(軍人以外)であることが条件。これを議院内閣制という。

 

  • 立法-内閣不信任決議

 衆議院の過半数の決議で内閣不信任を決議することができ、内閣は総辞職する必要がある。戦後4回しか行われていない。

 

  • 立法-弾劾裁判所

 著しい問題のある裁判官を国会が裁くことができる。憲法制定から9人が罷免されている。

 

  • 立法-国政調査権

 国政調査権による証人喚問には必ず応えなければならず、偽証は刑事罰を受ける。

 

  • 立法-衆議院の優越

 任期が短く、解散もある衆議院は民意が反映されやすいと考えられ、参議院に優越している。

 

  • 行政-内閣

 国家機能から立法と司法を除いたすべてが行政の担当。

 

  • 行政-内閣のメンバー

・総理大臣

・財務大臣

・総務大臣

・法務大臣

・外務大臣

・文部科学大臣

・厚生労働大臣

・農林水産大臣

・経済産業大臣

・国土交通大臣

・環境大臣

・防衛大臣

・内閣官房長官

・国家公安委員会委員長

総理大臣の任命権は国会、閣僚の任命、罷免は総理大臣の権限。

 

  • 行政-内閣総理大臣

 国会議員の中から国会が指名する。行政権は内閣に属し、内閣総理大臣個人に属するわけではない。国会に対する拒否権もないなど、米大統領などと比べると権限は比較的弱い。

内閣総理大臣の任期に関する起源はないが、実質的には自民党総裁の任期が上限となっている。現在では3年×3期まで。

 

  • 行政-官僚

行政を実際に担うのは各省庁の官僚。 国会に提出される法案も大部分は各省庁の官僚が作成している。

官僚の退官後にはNHKや日本年金機構などの天下り先が存在している。

 

  • 行政-中央省庁

 2001年以降、1府12省庁にまとめられた。

・内閣府

・復興庁

・総務省

・法務省

・外務省

・財務省

・文部科学省

・厚生労働省

・農林水産省

・経済産業省

・国土交通省

・環境省

・防衛省

 

  • 行政-天皇

 天皇の国事行為に承認を与えるのも内閣の仕事。

・総理大臣の任命

・法律の公布

・栄典の授与

・国会の召集、参議院の解散

・外国大使の接受

などの国事行為は全て内閣の指示に基づくもので、天皇自身が政治的な見解を述べることは許されていない。

 

  • 選挙

 衆議院は総選挙、参議院は通常選挙。

 

  • 選挙-衆議院選挙

 約6割は1人区の小選挙区から選び、残りは比例代表。

 

 

  • 選挙-参議院選挙

 約6割は各区数人の選挙区制、残りは比例代表。

 

  • 司法-裁判の種類

 刑事罰に対する刑事裁判と、民間同士のトラブルを解決する民事裁判がある。

 

  • 司法-裁判所の種類・三審制

①地方裁判所/家庭裁判所/簡易裁判所

②高等裁判所

③最高裁判所

の3段階があり、最大で3回の審議を受けることができる。ただ三審まで上告できるのは憲法判断となる場合や、判例との矛盾がある場合のみ。 

これとは別に確定判決で会っても新たな証拠が出てきた場合、再審を請求することができる。

  

  • 司法-司法権の独立

裁判官は憲法と法律にのみ縛られ、行政や国民からの干渉は受けにくい体制となっている。

 

  • 司法-違憲立法審査権

 法律が憲法に違反している疑いがあると気審査するのが違憲立法審査権だが、裁判所が自主的に発動させるわけではなく、その法令に関した具体的な事件が裁判所に持ち込まれた時に審査が行われる。。

 

  • 司法-裁判員裁判

 抽選で選ばれた20歳以上の一般市民6人が3人の職業裁判官とともに裁判に参加する精度。重大な事件の第一審で行われる。現時点では辞退率が高い。

 

  • 地方自治-地方公共団体

 「地方自治は民主主義の学校」ともいわれ、直接的な政治参加を体感することができる。立場的には国と地方公共団体は対等。

 

  • 地方自治-国政との違い

 国政は選挙により国会議員を選出し、国会が内閣総理大臣を指名する議員内閣制だが、地方自治では地方議会議員も首長も直接住民選挙でえらばれる。

直接選挙の洗礼を受けている分、地方自治体首長の権限は大きく、議会に対する拒否権もある。

地方自治体の住民には一定以上の署名を集めることで、条例制定の直接請求や、首長・議員の会食も請求できる。

 

  • 社会保障

 1990年時点で12兆円だった社会保障費は、2018年には33兆円まで拡大している。

 

  • 社会保障-社会保険

年金保険や医療保険などを国が補助する。民間の保険業者が手を出しにくい介護保険なども国が主導して行う。

 

  • 社会保障-公的扶助

 貧困に苦しむ人のセイフティーネットとしての生活保護。

 

  • 社会保障-社会福祉/公衆衛生

 母子家庭や心身障碍者を支援する社会福祉活動や、保健所での予防接種など疾病の蔓延を予防する公衆衛生活動も社会保障の領域。

 

感想・考察

 ごく基礎的な内容だが、政治の動きを理解するための最低限の知識の復讐としては結構役に立った。

 

 

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