毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

安楽椅子探偵アーチー

「安楽椅子に座って事件を解決する探偵」じゃなくて

「しゃべる安楽椅子が探偵」という設定だけでお腹いっぱいです。

モーリスのいた夏」でも思ったけれど、この作者さんは

設定の発想力がすごいと思う。

 

 

【タイトル】

安楽椅子探偵アーチー

 

【作者】

松尾由美

 

【あらすじ・概要】

小学生の少年 及川衛は骨董屋で見かけた

「寝息を立てる椅子」に興味を惹かれ

誕生日プレゼントを買うために渡されたお金で

その椅子を買う。

第二次世界大戦終末期の上海で

意識を持ち始めた椅子は人間の言葉を話すことができた。

 

首なし宇宙人の謎

衛のクラスメートでミステリ好きの野山芙紗が

先日起きた「家庭科課題のカバンの切断事件」を

推理し、容疑者である担任に直訴しようとしていた。

担任の犯行と思えなかった衛は椅子に相談し

事件の真相に辿り着く。

衛と芙紗 は椅子に「アーチー」と名付け

様々な相談をするようになった。

 

クリスマスの靴の謎

12月の横浜駅周辺で、酔っ払いに絡まれた男が

靴で相手を殴ろうとし、靴を落としていなくなってしまった。

衛の父は靴を拾い処置に困っていた。

衛はアーチーの助言を受け靴を分解し

踵に押し花が隠されているのを見つけた。

 

その頃、天才バイオリニストと呼ばれた少女が

レストランでの食事中にコサージュの花を盗まれるという

事件が起こっていた。

アーチーは靴の押し花とコサージュの花を結び付け

推理を披露する。

 

外人墓地幽霊事件

社会科見学で横浜の外国人墓地に来ていた衛と芙紗は

墓地入り口の張り紙にピンクのチョークらしきもので

落書きされているのを見つけた。

ある文字だけピンクでなぞられているのが

何かの暗号だと芙紗は解読を試みる。

写真に写っていた指にチョークの粉を付けた女性が

カギを握ると芙紗は外人墓地に何度か訪れ

真相を探ろうとする。

 

緑のひじ掛椅子の謎

芙紗は愛読しているミステリ雑誌で

第二次世界大戦末期の上海を舞台とした

「緑のひじ掛椅子」という小説が賞の候補作と

なっているのを見つける。

 

アーチーから聞いていた話とそっくりだったため

「元の持ち主を捜して欲しい」と頼まれていた衛は

小説を投稿した作者と話をしようと試みる。

作者の老人は、上野で行われるコンサート会場で

会うことを提案してきた。

 

【感想・考察】

そういう「安楽椅子探偵」ってありなのか!?

と驚愕する展開だった。

個別の話は、ミステリとしてちょっと無理のある展開だが

設定の意外さと少年少女の冒険譚としての面白さで

引っ張られるように読まされた。

独創性のある作者さんだと思う。

 

 

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