毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

天国までの49日間

「いじめ」のお話です。

デフォルメされたキレイすぎる展開で

消化しきれないところもあったけれど

作者さんの思いは伝わってきました。

 

【タイトル】

天国までの49日間

 

【作者】

櫻井千姫

 

【あらすじ・概要】

中学二年生の折原安音はいじめを苦に自殺した。

 

死後に安音は天使から、

「今から49日間は、幽霊としてこの世で過ごし

その後に天国と地獄のどちらに行くか決めること」

と言われる。

 

いじめを告発した遺書が風に飛ばされていたことを知り

自分をいじめていた同級生たちの普通の態度を見て、

更には家族の様子も冷たいと感じた安音は落ち込む。

 

特に親友だと思っていた美琴がいじめに加担したことに

深く傷ついていた。

 

ところが、同級生の榊洋人には幽霊である自分が

見えていることを知り、寂しさを紛らわせるため

一緒に行動することを願い出た。

霊感の強い榊は安音以外の幽霊も見えていて

悪霊の発する波動も感じることができるという。

 

ある夜、学校に来ていた安音は悪霊に襲われるが

榊の呪術の力で助けられる。

 

学校では、安音の死後数週間がたち、

今までの日常が戻っていたが、

いじめグループは、美琴を新たなターゲットとしていた。

 

やがて、何者かに夜の学校に呼び出された

いじめグループのメンバーが一人ずつ襲われた。

安音と榊はそれが悪霊の仕業であることに気づく。

二人は悪霊の正体を探り、

やがて二十年前にいじめにあって自殺した

少女 沙織であることに辿り着く。

 

いじめで苦しんだ沙織は49日の経過後、

天国にも地獄にも行かないことを選択し、

地縛霊として、いじめに関わる人々を呪い続けていた。

 

 

【感想・考察】

「憎しみの連鎖がいじめを生む」面があるのは

間違いないだろう。

「誰かが憎しみの連鎖を断ち切らなければならない」

という作者のメッセージはよく理解できる。

 

でも、もし例えば、自分の子供がいじめにあって

自殺したりしたら、復讐を捨てることはできないだろう。

 

あまりにキレイに「憎しみの連鎖」から離れた安音に

自分の「感情」が蹂躙されたように思われて

すんなりと心に入ってこなかった。

 

それでも、それを真っ直ぐ書き切った作者の熱量は

しっかり伝わってきた。

感情を動かし印象を残す作品というのは

巧拙以上に熱量が大事なのかもしれない。

 

 

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