だれかが ぼくを ころさないで
絵本ですが子供向けではありません。
とても重たい。
「人の心を支えるのは誰かに愛された記憶」だという
捉え方によってはとても残酷で厳しい話です。
【タイトル】
だれかが ぼくを ころさないで
【作者】
内田麟太郎 作
黒井健 イラスト
【あらすじ・概要】
憎しみに駆られ相手を殺そうとする少年。
その耳に「ころさないで」という声が届く。
誰の声なのか分からないが
遠くから波のように繰り返し聞こえてくる。
いつか どこかで 聞いたことのある声。
誰かの声が少年を憎しみから救った。
【感想・考察】
「人が人への信頼を持つことができるのは
誰かに無条件に愛された記憶があるから」であるなら
あまりに残酷すぎると感じる。
親を始めとした幼少期の人間関係は重要かもしれないが
それだけで人生が規定されてしまうとは思えない。
人は社会的な生き物であるけれど
自律的に生きることができるのだと信じたい。
なんとも暗澹たる気分になる本だった。