毎日一冊! Kennie の読書日記

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雨の中を

3篇の掌編ミステリです。

日常の不思議を解き明かす系の話でした。

 

【タイトル】

雨の中を

 

【作者】

石持浅海

 

【あらすじ・概要】

3編の短編ミステリ集。

篠崎百代が語る日常の出来事から、

恋人の須佐達樹が背景にある真相を見抜く

「日常系安楽椅子探偵」もの。

 

雨の中を

雨に濡れた百代は、高校時代の同級生が

土砂降りの中、傘もささず 制服からスニーカーまで

ずぶ濡れになっていたことを思い出し達樹に話す。

 

濡れていた彼女は、付き合い始めたばかりの

恋人と喧嘩し、衝動的に学校を飛び出したようだった。

 

百代の話に違和感を覚えた達樹は、

彼女の行動の理由を推理していく。

 

苦いと甘い

百代が働くコーヒー専門店の常連に

奇妙な飲み方をする大学教授がいた。

 

マスターが徹底的なこだわりを持っている

ブレンドコーヒーを毎回注文する。

コーヒーの味に鋭敏で、マスターも一目置ている。

 

しかし彼は、数回に一回はコーヒーの味が

分からなくなるほど大量の砂糖とミルクを入れ

飲み干すという奇妙な飲み方をしていた。

 

 

土産物

これも百代が働くコーヒー専門店の話。

 

常連のファッションショップ社長は

買い付けのため頻繁に 海外に出ている。

 

前回もらったオーストラリア土産が

ニュージーランド産のビーフジャーキーで

気にせず買ってきたものと思っていたが、

今回のドイツ土産もポーランド産のワインだったことから

 隠された意図があるのではないかと推理を始める、

 

【感想・考察】

快刀乱麻を断つような鋭い推理ではなく、

たくさんの仮説にダメ出しを受けながら

徐々に真相に近づいてゆくスタイル、

 

いかにも恋人同士らしい、グダグダした会話に

リアリティがあって微笑ましい。

 

扱う謎も殺人でもなく、犯罪ですらないため

ふわりとした雰囲気のまま楽しめた。

 

 

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