行方
老齢の女性たちが、友人女性の生き方について語る話です。
とても淡々した語り口ですが、自分の人生を生きようとする女性の、熱い闘いが描かれています。
【作者】
高倉たえ
【あらすじ・概要】
70歳を過ぎた女性が大学時代の友人から、一年前に亡くなったもう一人の友人さゑについての話を聴く。
さゑは地主に嫁ぎ、自分の美意識を抑えながら生きていた。晩年に知り合った彫刻家と意気投合し、さゑと彫刻家は二人で、ピンクの卵型という前衛的な自分たちの墓を作った。
さゑが亡くなった後、墓のことを知った夫は激怒し、墓地を真っ新に破壊してしまった。
【感想・考察】
年齢を重ね人生を振り返った時、自分自身を取り戻したいと思うのだろうか。静かな筆致の中に、熱量を感じる文章だった。
テーマは十分に伝わってきたが、情景描写などがしつこくて、短い本なのに読むのには疲れてしまった。
【オススメ度】
★☆☆☆☆