アンと青春 和菓子のアン
「和菓子のアン」の続編です!
前作よりも成長したアンちゃんと、変わらず個性的な「みつ屋」の仲間たちの交流にほっこりします。楽しく読めるトリビア系ミステリです。
【作者】
坂本司
【あらすじ・概要】
デパ地下の和菓子屋「みつ屋」でバイトするアンこと梅本杏子が、店の仲間たちとお菓子にまつわる謎を解いていく話です。
・空の春告鳥
正月明けに母親と行ったデパ地下の和菓子屋で、接客に慣れない青年を「お前は飴細工の鳥だ!」と罵る男がいた。アンはみつ屋の椿店長や乙女系男子の立花さんにその意味を尋ねる。「飴細工の鳥」に自分を重ね合わせ落ち込むアンを、立花さんが春節の中華街に連れ出す。
・女子の節句
バレンタイン商戦も終わりデパ地下が落ち着いたころ、アンは友人たちと京都旅行に行く。旅先で、ひな人形の左右配置についての無知や、寺社を参拝するときの服装にまで文句を言う女性に会う。アンは「みつ屋」で接客した気難しい女性客を思い出し、その顛末を友人たちに話す。
・男子のセック
「みつ屋」の近くに入店した洋菓子屋「K」で、「飴細工の鳥」と言われていた青年の柏木と再会する。インフルエンザで休む立花の代わりにシフトを増やしたアンだが、その穴を埋めるためサービス残業をしようとしたことで、椿店長に厳しい叱責を受ける。休みから戻ってきた立花にも冷たく対応され、戸惑うアン。
・甘いお荷物
スタンドのジュースを欲しがる娘に「あんなジュースは飲んじゃダメ」という母親。抵抗した娘は転んで怪我をしてしまい、アンたちが防災センターで応急措置をする。母親は恐縮していたが、措置の途中で急に娘を連れて帰ってしまう。
・秋の道行き
立花は長期休暇を取る前日、みんなにお菓子を贈った。アンに贈られたものだけは他と違い極めて凝った上生菓子だった。「秋の道行き」と「はじまりのかがやき」と名付けられた和菓子で、立花は何を伝えようとしたのか。
【感想・考察】
「働くことで何者かになるということ」や「嫉妬するという気持ち」と向かい合い悩み始めるアン。前作での可愛らしいアンから、成長しようとしているのが感じられる。後半の方は仄かな恋愛話から若干ラノベっぽくなってきた感じがして、自作以降どう展開するのか気になる。
【オススメ度】
★★★☆☆