潜在能力を最高レベルに引き出す「変性意識入門・催眠編」
苫米地氏の書籍は理解しやすく、興味深い内容が多いのです。ただ「催眠術」となると、どうしても「イロモノ感」が出てしまいますね。。
【作者】
苫米地英人
【あらすじ・概要】
人間の意識には「覚醒状態」と「変性意識状態」があり、潜在能力を発揮するには変性意識状態にならなければならない。
睡眠は深い変性意識状態だし、過去を想起するなど現在の感覚刺激から離れたといころにリアリティーを感じることも、変性意識の状態にあると言えるので、特別なことではない。
意識的に変性意識状態に入る手段として本書では「催眠術」を紹介している。
催眠は術者が被催眠者に「かける」ものではなく、究極的には全てが自己催眠であるといえる。潜在意識に何らかのラベルを貼り付けることで、「酸っぱいもの甘く感じる」ような体感を起こすし、逆に潜在意識に貼り付いているラベルを剥がすことで、肉体的精神的な認知の歪みを正していくこともある。
後半では日本催眠術協会の3名の話を掲載している。
【感想・考察】
「アメリカでは催眠も統合医療の一分野として認められているが、日本では気功は認められても催眠術は認められていていない。医薬品のプラシーボ効果を考えても暗示が実効性を持つことは明確なのに残念だ」と作者は言う。
御船千鶴子の例を出すまでもなく、日本では「催眠術」がショービジネスで超能力の一種であるような消費のされ方をしているのが「イロモノ視」されている一因だろう。科学的な検証を行い医療に組み込んでいくことは正しい方向性だと思う。
ただ本書に出てくる「催眠術協会」の方々は、若干ショービジネスよりでイロモノ感を拭えないのが残念だ。
【オススメ度】
★☆☆☆☆