無愛想のススメ~人間関係が劇的に改善する唯一の方法~
人間関係を改善するための方法として「無愛想であること」を提唱する本です。
「空気を読んでバリバリに迎合する、けど、実は結構したたか」という生き方に疲れた時に、心惹かれるタイトルでした。
【作者】
池田潤
【あらすじ・概要】
「無愛想になることは自分を愛すること」と作者は言う。
愛想の良い人は嫌われることを恐れて、自分を殺している。それに慣れると、自分の気持ち対する不感症になる。感情を表に出せなければ、かえって相手から尊重されない。
相手が自分を嫌うのは、嫌う側に理由がある。誰からも嫌われないことは不可能。
他人からの承認に執着せず、自分を愛し他人を愛する。
具体的にあげているのは、以下のような行動。
・軽く扱われたら不機嫌になる。
・返信する気がないメッセージは遠慮なく既読スルー。
・面白くない話には笑わない。
・相手の機嫌を取流ようなことは言わない。
・相手の期待に応えない。
・行きたくないところにはいかない。
・「相手に悪いから」と思ってやっていたことをやめる
・実は言いたかったこと言う
・遠慮なくやりたかったことをやる
・他人から否定されても、それでもやる
・媚びない。
巻末に7日間無愛想トレーニングがある。
・1日目 自分の本音を知る
自分の本音に意識的になる。昼ごはんに何を食べるか、どんな本を読むかなど、日常の選択で、自分の本音を感じる。そして自分の思いを相手に明確に伝える。(別に妥協してはいけないということではなく、気持ちを伝えることが重要)
・2日目 断る
「行くか行かないか」などの決断で、自分の本音を意識する。「相手から嫌われたくない」というのが動機であれば、堂々とノーという。
・3日目 自分を生きる
自分を大事にしないことで溜まってきたネガティブな感情に気づく。「では本当はどうしたいのか」を自らに問い、一歩だけでもその方向に踏み出す。
・4日目 自分を守る
否定的なことを言われた時や、上手くいかないとき、その事実をどう捉えているかに意識的になる。自分の愛すべき人が侮辱され落ち込んでいる姿をイメージし、その人を守る自分をイメージする。そして相手のネガティブなエネルギーを受けることなく、自分の願望を実現する方向に向かうアクションをとる。
・5日目 比べない
ネガティブな感情を持った時、誰かと比較していないかを考える。現状を受け入れ、できることを淡々と続ける。
・6日目 主体的になる
「どう思われてもいい」という前提であれば何をやりたいか。人に挨拶する、食事に誘う、新しいことにチャレンジするなど、自分からアクションを起こす。短期的な結果には無愛想になる。
7日目 人を勇気付ける
人も恐れから自らが望んでいない行動をとることがあることを理解する。まずは無愛想になり自分の状態を整え、相手のネガティブな自己評価も受け止めず、相手を信じる。
【感想・考察】
対人関係の心構えを語る本では、抽象的な説明が多い。読んだ後に理解できたつもりでも、直接行動に現れてこない。この作者が提唱する「無愛想」はイメージがシャープで具体的な行動に繋げやすい。
相当根深い迎合型の自分からすると「無愛想」になるのは相当ハードルが高い。「いつも相手に合わせる息苦しさより、一人でいるのが楽」と思う自分も、本当に楽しいと感じるのは「自分が自分をさらけ出せる状況で、人と一緒に過ごす」ことだ。
まずは、お昼ご飯に何を食べたいか、主張することから始めよう。
【オススメ度】
★★★