天化爛漫
【作者】
ヤマダマコト
【あらすじ・概要】
金色天下の続編。化粧などで他人や自分の精神を操る「天下」という技術を伝承した卜部姉弟が、事件の謎を解く。
愛人宅にいた男性と、ストレスから万引きをしてしまう女性が「あいつに見られた」という言葉を残し、とある山の麓に急行するが、そこで出会った二人はお互いを刺し殴り殺してしまう。また数日後には中学校の保健室で生徒と性行為に及んでいた女性教師が同じ山に向かい、自殺する。
三人の死者は同じ中学校にほぼ同時期に在籍していてお互いに面識のある間柄だった。
事件の背景にある真実は何なのか。
【感想・考察】
半ば催眠に近い「天下」が絡んでいる分、本格的に謎を解くミステリにはなっていない。「誰が犯人か」と考えながら読むと、肩透かしに合う。
ただ、「天下」という設定の新規性や、卜部姉弟の関係描写などが面白く、つい引き込まれてしまう。