毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

朝のコーヒー、夜のビールがよい仕事をつくる

【作者】

 馬渕 知子

 

【あらすじ・概要】

 コーヒー・ビールはうまく取り入れると健康に良く、生産性を高めることにも役立つとする内容。特に印象に残ったのは以下の項目。

 

・コーヒーは飲む時間が大事。

 朝一番は覚醒ホルモンであるコルチゾールが分泌されてる。この時間にカフェインで目覚めようとすると、コルチゾールの分泌に問題が生じたり、耐性ができて効きが悪くなったりする。午前10時ごろ、コルチゾールの濃度が下がる頃に飲むのが良い。

 また残業中の眠気を醒ますために遅い時間に飲むのも、夜の睡眠を阻害するためによくない。残業に入る前の5時から6時くらいに飲むのが良い。

 カフェインは脂肪を血中に遊離脂肪酸として放出する効果があるため、運動する10分から30分前にコーヒーを飲むと脂肪を消費しやすくなる。

 

・食べ物との組み合わせも大事

 極力砂糖は入れないほうがいい。入れるとしたら黒糖の方が良い。コーヒーを飲んだ直後に菓子パンなどを食べると、カフェインがインシュリンがブドウ糖を取り込む機能を阻害するため、血糖値が下がりにくくマイナスの効果をもたらす。

 

・ビールは糖質を含むが、糖質の代謝を助ける栄養素も豊富に含んでいるため、一緒に食べるつまみでカロリー過多にならないよう気をつければ、それほど太る原因とはならない。

 

・アルコールの分解には水を必要とするので、ビール1杯に対しチェイサーの水1杯を飲むようにするといい。

 

・アルコールを飲んでから3分くらいすると肝臓に刺激が届き、分解の準備を始める。一口飲んだ後3分待ってから飲み始めると酔いにくい。

 

【感想・考察】

 あまり新鮮味のない内容が多かったが、アルコールを飲むときは最初の一口から3分待つべきことなど、いくつか新鮮な情報もあった。

 コーヒーは最近健康に良いという消化のされ方が多いが、ビールは糖質の高さやプリン体が痛風の原因となり得ることなどから、健康面では良い話を聞かなかったが、「適量であれば」それほど悪い影響もなく、健康のためになる部分もあるという主張も理解できた。

 どんな食品・飲み物も適量であれば悪くはないし、度が過ぎれば害になるという当たり前のことなのだろう。

 

小さな習慣

【作者】

 スティーブン・ガイズ

 

【あらすじ・概要】

 何かを成し遂げたい時には、目標を「ばかばかしいくらいに」小さく分割して始め、習慣化するのが良いという話。

 「1日に1回腕立て伏せをする」、「1日に50ワードの文章を書く」など失敗しようがないくらいの小さい目標を立て、100%の達成率でクリアする。必ずこなすことができるから達成できなかったことによる罪悪感が生まれることもない。

 脳はできる限り同じことを繰り返そうとする。新しいことを始めるのはには意志の力が必要で、意志の力は限られている。モチベーションを高めて目標を高めようとしても、意志の力に頼っていてはいつか途切れてしまう。

 小さい目標であれば、ほとんど意志の力を使わずに取り掛かることができるし、習慣化してしまえば、脳は自動的に繰り返そうとする。

 目標をできる限り小さな行動に分割し、それができたら「成功」と判断する。目標が小さすぎて実際には目標以上の行動をこなせたとしても、目標は「絶対に」上げずに、当初の目標を上げてはいけない。「毎日ランニングシューズを手に取ること」を目標として設定したのであれば、実際には毎日500mは走ることができたとしても、目標自体はどんなことがあっても絶対に変えてはいけない。ランニングシューズを手に取ったら「絶対的に目標達成」なのだということが大事。

 

【感想・考察】

 「小さなことから取り掛かる」、「良い行動は習慣化するまで続ける」という話はよく聞くが、この本では体系的に具体的に説明されていてすっきりと腹に落ちる感じがした。実際に小さな習慣付けを始めてみようと思えた。

 

成功し続ける人達の目標達成のやり方

【作者】

 金川 顕教

 

【あらすじ・概要】

 副業や起業を支援するコンサルタントである作者による、目標達成の方法を説いた本。主な主張は以下の通り。

・手段を目標としてはいけない。目標達成のその先を見据える。

・成功するまでは諦めずに行動し続けること。

・量が質に転化する。苦手だと思っていることも量をこなすうちに関係なくなる。

・ポジティブに将来を捉える。

・新しいこと、楽しいと思うことに挑戦し続ける。

・嫌われることを恐れない。

・良い結果が出たらシェアする。さらに大きな輪が広がる。

・人の批判をするのは時間の無駄。

・結果が出ている人から学ぶ。

・様々な見方があるが、一度師と決めたら徹底的にその人から学ぶ。

・顧客に対して誠実に。特に個人の起業であれば自分自身の信頼で勝負するしかない。

・隙間時間の蓄積や、少しずつの時間節約で意外と大きな時間が捻出できる。

・人と会うことを止めるのは難しいが、大きな時間を捻出できる。

 

【感想・考察】

 短い本だが参考になる内容が多かった。起業コンサルタントとしてのポジショントークが多分に含まれるとは思うが、目標達成への心持ちは本物だと感じる。

 

下山事件は終わらない

【作者】

 柴田 哲孝

 

【あらすじ・概要】

 1949年、国鉄の初代総裁である下山定則氏が日本橋で失踪し、翌日に足立区の常磐線線路上で轢死体となって発見された事件についてのノンフィクションレポート。

 当時この事件は自殺として処理されたが、この作者は右翼や元軍人、政治家やGHQ参謀部の関係者が集まっていた「亜細亜産業」が実行犯の謀殺であったと考えている。前作の「下山事件 最後の証言」に影響され、さらに証言が集まってきたことで、この本を発行し、またノンフィクションの限界を感じたことから、次回作としてはフィクションとして下山事件をベースとした小説を書こうとしている。

 

【感想・考察】

  下山事件について認識はなかったが、「国鉄の大幅な人員整理を断行しようとした下山総裁を、労働組合が殺した」という見解が流布したことで、冷戦の最初期に共産主義の拡大を押しとどめる一因となったのかもしれない。歴史は傍論が面白い。

 

好きなことだけで生きていく。

【作者】

 堀江 貴文

 

【あらすじ・概要】

 前半部分は、ホリエモンが主催する HIU(Horie Inovation University) の活動説明が続く。好きなこと、熱中できることが何よりも貴重で、画一的な仕事は今後 AIなどの技術の発展に奪われていくだろう、だから好きなことを好きな様に熱中して行えばいいという趣旨。

 本当に熱意を持って働く人が高収入を得て、働きたくない人は無理に働くのではなく、ベーシックインカムなどで最低限の生活を保障すれば良い。働きたくない人がイヤイヤ低賃金で働くのは、社会全体として不幸なことだと見ている。

 好きなことに集中するため、時間効率をあげることには力を注いでいる。一部から冷たく見られているかもしれないが、本当にやりたいことをやるために、周囲を気にし過ぎないようにしている。

 

【感想・考察】

 作者は周囲と良好な人間関係を築くことに重点を置いていないので、社会的には不適合な人かもしれない。ただ堀江氏なりの使命感を持って社会に貢献しようという意図は感じられる。我慢して社会に適合することを最優先とする教育や師弟制度にも善悪両面があると思うが、誰かが反論を受けつつも極論を呈することで前に進むということもあるだろう。堀江氏の著作は読んだことがなかったが、1冊は読んでみて良かった。

 

アリス殺し

【作者】

 小林 泰三

 

【あらすじ・概要】

 「不思議の国のアリス」の様な世界の夢を毎日みていた主人公だが、その夢が周囲の何人かと共有されていることに気づく。また夢の世界での死が、現実世界での死にリンクしていることも分かってくる。夢の世界でシリアルキラーの容疑を受けた主人公が、疑いを晴らすため現実世界と夢の世界の両方を行き来しながら真犯人に迫っていく。

 

【感想・考察】

 「不思議の国のアリス」の世界観を示すため、キャラの語り口が独特だが、ちょっとしつこ過ぎて最初は読みにくい。また人が死ぬシーンは不必要にグロい。といった読みにくさはあるが、ミステリとしての構成の面白さは素晴らしい。

 現実世界と夢の世界で記憶の受け渡しが曖昧になりがちなこと、アバターは必ずしも実体に近いものではないことなど、特殊な世界設定をうまく使って優れた謎解きを仕掛けてきている。純粋なミステリ作品としてとても楽しめた。

 

 

四季 冬 Black Winter

【作者】

 森 博嗣

 

【あらすじ・概要】

 四季シリーズの最終章となる第4作。前作の「夏」は犀川や萌絵の目線から見た四季の話だったが、今作では四季自身が主な語り部となる。その分高度に抽象的な話が多く、四季の内面を現すように時間も空間もランダムに並んでいるので、ストーリーとして理解するのは難しい。

 前作までにAIの進歩やバイオテクノロジーの取り込みを進めていたが、人造人間である「ウォーカロン」の登場まで進み、話は近未来にまで至っている。

 

【感想・考察】

 人の存在が矛盾をはらみ、”分からない”からこそ美しいということを四季が理解し、尖った天才から、人類の歴史を寛容し俯瞰する神の様な存在にまで持ち上げている。

 四季がアシスタントであるウォーカロンのパティに”孤独”を理解できるか尋ねるシーンは印象に残った。一人であること他の人との接点がないことではなく、誰にも伝わらないことの辛さが孤独なのだという感覚は理解ができる。

 美しくまとまった作品だと感じた。

 

 

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