下山事件は終わらない
【作者】
柴田 哲孝
【あらすじ・概要】
1949年、国鉄の初代総裁である下山定則氏が日本橋で失踪し、翌日に足立区の常磐線線路上で轢死体となって発見された事件についてのノンフィクションレポート。
当時この事件は自殺として処理されたが、この作者は右翼や元軍人、政治家やGHQ参謀部の関係者が集まっていた「亜細亜産業」が実行犯の謀殺であったと考えている。前作の「下山事件 最後の証言」に影響され、さらに証言が集まってきたことで、この本を発行し、またノンフィクションの限界を感じたことから、次回作としてはフィクションとして下山事件をベースとした小説を書こうとしている。
【感想・考察】
下山事件について認識はなかったが、「国鉄の大幅な人員整理を断行しようとした下山総裁を、労働組合が殺した」という見解が流布したことで、冷戦の最初期に共産主義の拡大を押しとどめる一因となったのかもしれない。歴史は傍論が面白い。