Kindle PaperWhite
Amazon
本を読む道具として重宝している Kindle について。
効率的に本を読みたいという思いが強く、本を読む手段について試行錯誤を重ねている。今のところ Kindle は読書の道具として最適解の一つだと思う。
・紙の本か、電子書籍か
紙の本自体はとても好きだ。特に書店に行って本を探すのは、どこの電子書籍サイトよりも楽しいし、新しい発見を誘発してくれる。
また、大雑把な検索性が高く、「本の大体三分の一くらいの場所で、右ページの中頃にあった」というような記憶で、文章を探すときとか、あるキャラクターの初出の時の描写を探そうとするときは、紙の本のアナログな検索が有利。ぱらぱらとページをめくって、スキャニングをするにも紙の本の方が効率が高い。
電池切れの心配もないし、風呂に持ち込んで多少濡れても大丈夫。
ただ、そういった点を差し引いても、電子書籍のメリットは大きい。
数冊の本を常に持ち歩ける手軽さ、海外など気軽に書店にいけない状況でも本を買えたり、複数のデバイス間で読書状況まで共有できたり、辞書の検索がその場でできたりと紙の書籍にはない強みがある。一冊の本の中の検索性では紙の本の方が優れていると思うが、複数書籍に渡る検索では電子書籍の方が優れている。
また文字の大きさを最適化できるのも嬉しい。古い時代の文庫本など文字が詰まっていて読みにくいと感じることが多い。まったく同じ内容でも文字の大きさや行間が最適化されるだけで理解しやすさが違ってくる。
いまだ電子書籍が劣っていると思われる検索性などでも、日進月歩で改善されており、いつか追いつき追い越す日が来るのではないかと期待している。
今では、原則は Kindle で購入、読みたい本が電子書籍化されていない場合のみ紙の本を買うという感じだ。
・専用端末か アプリを使うか
当初は iPhone と iPad の Kindle アプリを使用していたが、長時間読んでいるとどうしても目が疲れる。仕事でもほぼ終日PCスクリーンと向き合っていて、通勤時間や就寝前まで発光するスクリーンを見るのは目の負担になる。iPhone の Kindleアプリで長時間本を読んだ後は目が霞む。
電子Paperを採用した Kindle 専用端末は目の負担感が全く違う。長時間見ていても疲れを感じにくいし、目が霞むこともない。文字の大きさや画面の明るさも調節できるので紙の本よりも目に優しいと感じる。
iPhoneのKindleアプリは、移動中の隙間時間などにさっと読むのに適しているので、状況に応じて併用している。WhisperSync で読んだ最終ページのリンクもできるが、面倒もあるので、専用端末で読む本とアプリで読む本は分けている。
小説やじっくり読みたい本などはKindleの専用端末を使い、家やカフェなどでじっくり読む。ある程度流し読みできるようなビジネス書やハウツーものは iPhoneアプリを使い電車の中やちょっとした隙間時間に細切れで読んでいく。また、雑誌や固定レイアウトのイラストが多用されているような本を読む場合は、iPadの Kindle アプリを使っている。
電子書籍を快適に読むにはデバイスの使い分けも必要だと思う。
・無印Kindle、Kindle PaperWhinte、Kindle Voyage、Kindle Oasis
専用端末の中で何を使うかにも悩んだ。
読書のための基本機能としてはどれも大きな違いはない。バックライトは欲しかったので、無印Kindleは選択肢から外れた。無印以外は解像度も同等だし操作に対する反応速度などもほぼ同じらしい。
大きな違いはページ送りがタッチスクリーンだけか、物理ボタンも備えているかだ。物理ボタンがないと目次ページなどでページめくりの際にリンクに触ってページが飛んでしまうなど不便を感じることもあり、そこは大きなメリットになると感じた。
物理ボタンを除いては、PaperWhite、Voyage、Oasisの3機種に大きな違いはない。バッテリーの持ちはすでに十分以上だし、カバーが必要だと感じたことはない。
価格は最上位の Oasisでも3万6千円程度と、電子書籍自体の価格と比べたら微々たるものだが、Paperwhite が Amazon Primeのクーポン利用で実質1万円程度で買えることと比べると差は大きい。
Amazonの戦略として、電子書籍の入り口としては原価割れとなるレベルでも手軽な端末を用意し、書籍代で長期的に回収する。機能にこだわるような層に対しては赤字にならない適正レベルで販売していくということだろう。
あきらかに入門機種に対する優遇が見て取れたので、PaperWhiteを購入した。ページ送りの物理ボタンだけはあった方が良かったと思うが、100点満点中98点くらいの満足度で、買い物としては正解だったと思う。
・Wi-Fi Only か Wi-Fi + 3Gか
本を買うのはWi-Fi接続可能なポイントだけで十分だと考えている。読んだポイントを複数端末間で共有できる WhisperSyncは便利だが、端末ごとに読む本を分け複数冊を並行して読むスタイルにしてからは、WhisperSyncはほぼ使っていない。
海外など3Gの電波を掴まない場所での電池消耗が気になることもあり、Wi-Fi 接続だけの機種を購入したが全く問題ない。
・キャンペーン情報あり、なし
本を読むたびにワンアクション増えるだけだが、少しでも気軽に読書に入りたい思いがあり、数千円の差であればキャンペーン情報なし一択だった。
ということで、Kindle専用端末の PaperWhite Wi-Fi接続のみ、キャンペーン情報なしのモデルを購入し満足している。
やっぱりページ送りの物理ボタンが欲しいと思ったら、次はVoyageかOasisを試してみるかもしれない。
AirPods
Apple
本ではないが、主に本を読む(聴く)ための道具として使っている AirPodsのレビューを載せようと思う。
完全無線のイヤホンに興味があり、Bose の SoundLink on-ear Bluetooth headphone を使っており、音質には完全に満足していたが、大きさや取り扱いの不便さで、使う頻度はそれほど高くなかった。
もう少し小さくて持ち歩きやすいもの、充電などが簡便にできるものということで、Apple の AirPods を試してみた。
私の場合、オーディオブックや、英語・中国語などのテキストや、ネットラジオを聞くのが中心で、音楽は無料版の Spotify をたまに聴く程度なので音質面はそれほど重要ではない。
使うシーンとしては、片道1時間弱の通勤途中や、マックス2時間程度の散歩の最中なので、電池持ちはそこそこでいい。
求める条件としては、
・小さく持ち歩きが便利
・充電などの取り回しが簡単
・ある程度の遮音性
・装着感の快適さ
といったところだった。
Bose の SoundLink on-ear と比較すると、大きさは完全に AirPods の勝ち。
ケースに入れた状態でもとても小さく、ポケットに違和感なく収まる。
カバンを持ち歩かない散歩のときでも手軽に持ち歩けるし、カバンに入れても重さは無視できるレベル。
充電などの取り回しでも、iPhoneとの組み合わせで使うなら AirPods の方が使いやすい。充電ケーブルは iPhone と共通の Lightning なので荷物が増えない。またケース自体が充電器とバッテリーを兼ねているので、使い終わってケースにしまっておけば数日間は充電を気にしないで済む。非常によく考えられている。
遮音性については、Bose の勝ち。 AirPods は耳に差し込むカナル型ではなく、耳に合わせて置く感じなので、外部の音がよく聞こえる。電車の中や、自動車の多い道などではある程度音量を上げないと、聞き取れない。 Bose の SoundLink は on-earで密閉式ではないが、ある程度の側圧があり、音量を絞っても聞き取りやすい
外部の音が聞こえるのは逆にメリットとなることもあるが、集中するためには Boseの方が優れていた。
装着感については、使う環境によってどちらにも強み弱みがある。
Airpods の購入前は、歩いていて外れてしまわないかという点が一番心配だった。iPhone付属の EarPods と自分の耳の形が絶望的に合わず、5歩歩くとずり落ちてしまう状態で、ほぼ同形状の AirPods はまず自分の耳には合わないだろうと考えていた。
ところが AirPods を試してみたところ、落ちることはほぼなかった。
一番大きいのはケーブルがないことだろう。EarPods ではケーブルの重さに引っ張られてずり落ちていたが、ケーブルレスとなることで引っ張られる感じがなくなる。また形状自体も EarPods とは若干異なるようで、安定性が増していた。
EarPodsが耳に合わない人も諦めずに試してみて欲しいと思う。
それでも AirPodsは落ちてしまわないかという心配は付きまとうので、人混みや激しい動きのある時は Bose の SoundLink on-ear の方が安心感がある。一方でBoseの方は夏の暑い時期などに長時間装着していると汗ばんで不快になることもあり、そういう環境では AirPods の方が快適だ。
ほとんど音楽を聴くのに使っていないので、音質については述べるほどでもないが、Boseの好みに合っている。低音域の粒感が高く小音量でも迫力がある、高音域も伸びやかで弦楽なども美しく聴こえる。AirPodsは遮音性の低さが致命的で、外出先で聴く場合、音質云々よりも外部の雑音が遮断されていないところで、音楽鑑賞の前提条件も満たしていない。
最後にデザイン面では、Boseの方が好みにあう。
AirPods はどうしても「耳からうどん」 にしか見えず、カラーリングを含めてなんとかならないものかと思う。
全体的には AirPods に満足で、使う機会は大幅に増えた。
良い買い物だったと思う。
ミステリーの書き方
日本推理作家協会 編著
著名ばミステリ作家たちが、ミステリの書き方について、それぞれのテーマに沿って解説をした本。インタビュー形式だが、回答者がめちゃくちゃ豪華。
福井晴敏の「まずは人間に興味を持つこと」という論から始まり、東野圭吾のミステリのアイディア探しの方法、宮部みゆきの(だいぶ感覚的な)プロットの作り方、真保裕一の視点の選び方や、石田衣良の会話の書き方などなど、極めて濃度の高い内容。
ミステリを書きたいという人だけでなく、ミステリや小説を読むのが好きな人にとっても、作者がどのような意図をもって作品世界を見せようとしているのか理解する助けとなり、より一層読書が楽しくなっていく本だと思う。
三省堂 聞く教科書シリーズ 高等学校 世界史
三省堂編
今、世の中で起こっていることを理解しようとするとき、歴史上の基本的な知識が抜けていると感じることが多い。
例えば中東で多発する紛争やヨーロッパで発生している紛争の話を聞いても、その前提となる歴史の流れを知らないと、誤った捉え方をしてしまうかもしれない。世界の人々と交わっていこうと考えるときに、基礎的知識は前提条件として必須だと感じた。
教科書というのは網羅的で、概説的な流れを掴むのには適当だ。
学生時代には事実の羅列だけで無味乾燥だと感じていたが、”今”の問題意識から遡って捉えると面白さを感じられる。
また、オーディオブックという形式は、隙間時間を有効に使える。
Amazon Audible の聞き放題サービスもあるし、わたしは Apple の iBooksを使って聞いている。歩いている最中など、スマホを取り出して本を読むのも憚れるような状況で、情報収集ができるのはよい。
僕らが毎日やっている最強の読み方 新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
池上 彰、 佐藤 優
この2人の対談はいつも面白い。
情報収集のしかたとして、2人はまず新聞に重きを置いている。
なんだかんだ言っても、一次ソースとしてきちんと精査された情報を提供しているのは大手マスコミだし、一覧して重要な情報だけを汲み取りやすいようレイアウトなども工夫されている。
近年では新聞社ごとの論調の偏りは強くなっているので、2紙以上を購読することを進めている。
雑誌は種類にもよるがある程度は裏付けが取れた情報であり、自分の興味がある事柄の周辺情報がみれたり、自分は関心がなくとも世の中のトレンドとなっている事項がある程度頭にインプットされるのは長所と言える。
ネットの情報は玉石混交で、高精度の情報を得るのは難しく、上級者向けのメディアだという認識。また、自分が意識的に取りに行かない情報は全く手に入らなくなるので見方が狭くなる危険性が高い。特に最近では閲覧履歴からおすすめ情報をサジェストする機能が進化していて、自分の認識を強化する情報ばかりが入力されてしまうと、視野狭窄が進んでしまう。
世の中を理解するには書籍がベースになる。良い基本書をじっくり読み基礎知識をつけることが必要。
池上氏は何かについて書かれた本を数冊読むと、そのネタ本が見えてくるので、ネタ本に当たるものよいと勧めている。佐藤氏は時に難解な本と格闘しながら論理的思考力を鍛えることの必要性にも言及している。
また、基本的教養の一部が欠落していると、その上に体系的な知識を積み上げることはできないので、中学・高校レベルの教科書を読むことも勧めている。
本をたくさん読もうと思うと、どのような読み方をするのが実り多いのか考えてから進むひつようがある。