毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

ゼロの日に叫ぶ 戦力外捜査官

戦力外捜査官シリーズの3作目です。

 

シリーズ1作目では 「頭脳明晰なドジっ娘警部」の

ギャップ萌えを狙ったコメディー色の強い作品でしたが

段々とシリアスなテーマが前面に出てきてます。

やっぱり面白い!

 

 

【タイトル】

ゼロの日に叫ぶ 戦力外捜査官

 

【作者】

似鳥鶏

 

【あらすじ・概要】

設楽巡査たちとはぐれた海月警部は

ガラの悪い男たちの車に拉致されてしまう。

追跡する設楽は、近くにいた女性に助けられ

辛くも海月を救出することができた。

 

また海月と設楽は、遠隔操作による火災事件の調査で

現場に残されたカメラを発見するが

海月が床を踏み抜き現場を荒らした咎で

またしても操作から外されてしまう。

 

遠隔操作に使われた携帯電話は特定されたが

ウイルスにより踏み台にされただけという可能性が高く

捜査本部からは外された海月と設楽は

独自に動きウイルス感染源を探していた。

 

同じころ、牛丼屋で銃撃事件が起きていた。

闇金の男とその部下が殺され

たまたま店内にいた大学生も死亡

アルバイト店員も重傷を負った。

闇金と繋がりのあったヤクザ絡みの事件と思われたが

監察医は銃撃に不可解な点があるという。

ヤクザの事務所に向かった公安は

そこで7人の組員を殺した犯人 ”名無し” と対面する。

 圧倒的な戦闘力を持つ ”名無し” は公安の二人も倒し逃亡する。

 

 

【感想・考察】

「見て見ぬふり」 をされた世間を恨んだ犯人と

「見て見ぬふり」を悔やみ恥じる一市民が対峙する。

 

大多数の人は自ら進んで悪事に手を染めはしないが、

自分に責任が及ばないと思えば残酷な事態も許容できるし

身に降りかかる危険を避けようとするのは本能だ。

「見て見ぬふり」が起きるのは避けられない。

 

それでも著者は、

法秩序が失われた状況下で多くの人が理性的に活動する様を描き、 

「人は極限状況で利己的な動きをするだけではない」という

人間・社会への信頼を示した。

 

終盤での街の人々の動きに胸が熱くなる。

警察組織として犯罪者と闘う主人公たちも格好いいが、

惰性を乗り越えていく一般の人々の闘いも格好いい。

 

続きが楽しみなシリーズだ。

 

 

 

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