グラーフ・ツェッペリン 夏の飛行
世界の「開け口」を探している女子高生が、世界の切れ目は至る処にあると気が付く話です。短いのでサクッと読めます。
【作者】
高野史緒
【あらすじ・概要】
女子高生の夏紀は、子供の頃飛行船を見た記憶を持っている。だがその時見た飛行船が日本に訪れたのは グラーフ・ツェッペリン20世紀初頭で、夏紀が見ているはずはなかった。
夏紀の従兄である登志夫は、夏紀の母、祖母も、また別の時期に グラーフ・ツェッペリンを見たと語っていることから、単なる記憶違いではないと考える。
夏紀と登志夫は自作の量子コンピュータを利用したVRシミュレータを使い、飛行船の記憶を追いかける。
【感想・考察】
多元宇宙論的に、全ての可能性を果たした世界があるとして、異なる因果の流れが重なり合うさまを表現している。VR機器を介し、自分の世界と他にありえた世界が重なり合う様子はダイナミック。
面白い切り口の作品だと思うが、普段の世界認識と違いすぎる情景なので、作品世界に入り込むことができなかった。
【オススメ度】
★☆☆☆☆