Kennie の読書録

毎日1冊本を読み、記録を残したいと思います。

思考は現実化する

【作者】

 ナポレオン・ヒル

 

【あらすじ・概要】

 ナポレオン・ヒルによる成功哲学の解説。訳者の田中氏による補足も多い。各章のポイントを抜粋する。

 

序章

 ナポレオン・ヒルが鉄鋼王と呼ばれたアンドリュー・カーネギーに出会い、才能を見出され、カーネギーの成功哲学を体系化させるため20年間従事した経緯から設営されている。

 「成功とは、他人の権利を尊重し、社会正義に反することなく、自ら価値ありと認めた目標【願望】を、黄金律に従って一つ一つ実現して行く過程である」と成功を定義する。

 

第1章「思」 成功のための基本的な考え方

 「思考は現実化しようとする衝動を秘めている。成功を引き付けるのは、心の力である。あなたを成功させるエネルギーは、あなたの心の中にあるのだ。望み通りに人生を生きる鍵はここにある」とする。エジソンの協同経営者となったエドウィンや、ヘンリー・フォードなどが明確な目標・願望を持つことで不可能と思われたことも実現した例を挙げ「心で考え、できると信じたことは実現できる」という基本的な考え方を提示。

 

第2章「望」

 「願望の設定は、あらゆるものの達成の出発点である。まず、明確な願望を持とう。燃えるような願望や目標が、確固たる行動に転化したとき、あなたの夢は実現する。あなたの欲しいものは、自ら求め、手に入れよ」とする。

 明確な目標があるから、すべてのエネルギーを注ぎ込むことができる。成功のための6か条をあげる。

 ① あなたが実現したいと思う願望を「はっきり」させること。単にお金がたくさん欲しいなどというような願望設定は、全く無意味なことである。

 ② 実現したいと望むものを得るために、あなたはその代わりに何を”差し出す”のかを決めること。この世界には、代償を必要としない報酬など存在しない。

 ③ あなたが実現したいと思っている願望を取得する「最終期限」を決めること。

 ④ 願望実現のための詳細な計画を立てること。そしてまだその準備ができていなくても、迷わずにすぐに行動に移ること。

 ⑤ 実現したい具体的願望、そのための代償、最終期限、そして詳細な計画、以上の4点を髪に詳しく書くこと。

 ⑥ 髪に書いたこの宣言を、1日に2回、起床直後と就寝直前に、なるべく大きな声で読むこと。このとき、あなたはもうすでにその願望を実現したものと考え、そう自分に信じ込ませることが大切である。

 

第3章「信」

 「信念は願望実現の原動力である。揺るぎない信念を持とう。その信念が、あなたの思考を力に変えるのだ。信念が願望や目標と結びついたとき、あなたの望みは実現する」とする。

 信念は「深層自己説得」で自分で育むことができるとし、以下の公式を提示する。

 ① 私は人生の明確な目標・願望を達成できるだけの能力を持っている。私はどんなことがあっても忍耐強くそれを追求して行く。このことを私は自分自身に対して約束する。

 ② 心の中で強く願えば、それはいつの日かからなず実現することを私は確信している。だから毎日30分間、私がこのようになりたいと思う自分の姿を心の中で鮮明に、そして具体的に想像する。

 ③ 深層自己説得の素晴らしい威力を私は知っている。だから毎日10分間、リラックスして自身を養うための深層自己説得を行う。

 ④ 私は自分の願望・目標をはっきりと紙に書き出した。私はそれを達成するまで、どのようなことがあっても決してあきらめないことを誓う。

 ⑤ いかなる富も地位も、それが真実と信義に基づくものでなければ、長続きしない。

 ⑥ 私は真実と信義を重んじる。人々の利益にならないことは決してしない。人は誰でも他の人々の協力により成功を勝ち取ることができることを私は知っている。だから私は、まず人々に対して奉仕することを私の使命とする。

 ⑦ 私は憎しみ、嫉妬、利己的な心、これらすべてを排除し、思いやりと誠実な心で人々に接する。私は自分を愛するのと同じように他人を愛する。

 

第4章「復」

 「深層自己説得を活用する。想像的な思考の種子を潜在意識に植え付ける。深層自己説得を活用せよ。それが感情と組み合わされた時、あなたは素晴らしい力を発揮することができる」とする。

 目標を書き出し、すでに実現したものとして何度も読むのは深層心理へ植え付けるため。潜在意識に閃いたことは直ちに実行すべき。機を逃すと達成できない。逆境は、常にそれ以上の利益の種子を秘めていると考える。

 

第5章「専」

 「個人的経験と観察力を高める。教育は、必要な知識を身につけ、それを生かすためのものである」とする。

 知識は必要だが、知識が力になるのは目標に向けた行動の中で活用されたときだけだ、とする。教育は経験と人々との交流から得られる。知識を得る手段として、自分の体験、身近にいる協力者の体験、大学の公開講座、図書館、通信教育などを推奨している。

 

第6章「想」

 「脳の中に浮かぶ森羅万象の世界を活用せよ。想像力の中に、あなたの探し求めているチャンスがある。想像力は、あなたの心のエネルギーを富に変える工場なのである」とする。

 想像できるものは必ず実現できるという。想像力には改良的な想像力と、インスピレーションを生み出す独創的想像力がある。独創的想像力は自動的に働くものと定義している。

 

第7章「計」

 「体系的な行動計画を立てる。目標や願望を設定したら、次の行動は計画を立てることだ。計画は目標や願望を実現にいたらせるまでの架け橋となる。だがこの橋を渡るにあたっては、優れたリーダーシップが発揮されなければ、途中で立ち往生しかねない」とする。

 計画を実行するにあたって必要な人材「マスターマインド」を募るべきだとしている。最初に立てた計画が失敗したら、失敗を教訓にやり直せばいい。意欲があれば失敗は失敗のまま終わらない。

 またリーダとなるための条件として、以下の11項目をあげる。

 ・揺るぎない勇気を持っていること

 ・セルフコントロールの能力を持っていること

 ・強い正義感を持っていること

 ・強固な決断力を持っていること

 ・計画性を持っていること

 ・報酬以上の仕事をする習慣を持っていること

 ・明るい性格を持っていること

 ・思いやりと理解を持っていること

 ・詳細を認知していること

 ・責任感を持っていること

 ・協調性があること

 さらに、奉仕こそが成功への黄金律だとして「自分がしてほしいと思うことは、何よりもまず他人にそうしてあげることだ」ということを協調している。

 逆に失敗の原因として以下の30項目をあげるが、これはどれも戦って勝つことができるものだとしている。

 ・遺伝的欠陥

 ・明確な人生目標の欠如

 ・向上心の欠如

 ・教育の不足

 ・自己訓練の欠如

 ・病気

 ・幼少の頃の不幸な環境による影響

 ・一日延ばしの傾向

 ・忍耐力の欠如

 ・否定的な性格

 ・過剰な性欲

 ・ギャンブル好き

 ・優柔不断

 ・恐怖(貧困、批判、病気、失恋、自由の喪失、老い、死)

 ・誤った配偶者の選択

 ・過度の用心深さ

 ・マスターマインドの失敗

 ・迷信と偏見

 ・職業選択の誤り

 ・集中力の欠如

 ・浪費癖

 ・熱意の欠如

 ・狭量

 ・不摂生

 ・協調性の欠如

 ・努力なしで得た富

 ・虚言症

 ・利己主義と虚栄心

 ・当て推量

 ・資金不足

 

第8章「決」

 「速やかに決断せよ。失敗の原因は決断力の欠如にある。決断は素早くし、変更が必要になる時まで一度下した決定は変えないことだ。優柔不断は誰もが克服しなければならない大敵である」とする。

 成功したものは誰しも決断が速かった。やりたいことは、まず行動によって示すことだ。人生は自分の意思で決まる。

 

第9章「耐」

 「忍耐力を身につける。忍耐力は前進するための原動力である。あなたをゴールから遠ざけている弱さを取り除こう。継続した力こそがあなたの目標や願望を実現するカギとなる」とする。

 強い忍耐力を保つためには、強い目標や願望を持ち、鮮明にイメージを心に浮かべることが必要。諦めない人にとっては「失敗」も成功への一里塚だが、忍耐力がないとこで終わってしまう。

 忍耐力を高めるため以下の項目をあげる。

 ・明確な目標

 ・強い熱意を伴った目標実現意欲

 ・自信

 ・計画の明確化

 ・性格な知識

 ・マスターマインド

 ・意思の力

 ・習慣

 また具体的なステップとして、以下を上げている。

  ①燃えるような熱意に支えられた明確な願望や目標を持つ

  ②明確な計画を立て、着実に実行していく

  ③周囲の否定的な意見をきっぱり否定する

  ④賛成し激励してくれる人を一人以上持つ

 

どのような失敗であれ、そこから何かの利益は得ることができる。「逆境の中には、すべてそれ相応かそれ以上の大きな利益の種子が含まれている」とする。

 今自分が受けている報酬よりも少しでも多くのものを返す。1センチでも先に進む心構えが、結果的に大きな成果につながる。

 

第10章「協」

 「マスターマインドの力。計画づくりとその実践に必要な人材を集めたグループをマスターマインドという。あなたはこのマスターマインドにより、驚くほど短期間にリーダーになることもできるし、巨富を築くこともできる」とする。

 マスターマインドとは二人以上の目標を持った人の集まりであり、波長の合った思考の振動のこと。1たす1が5にも10にもなる。

 気心の知れた人と強調できるグループを作り、討論のクラブとはせず、話は内部にとどめ、グループは全員一致の上で増員し、仮入会の期間を設けて適性を見る、議事進行は持ち回りとし、主たる目的を定めることで、マスターマインドは維持できるとする。

 

第11章「動」

 「モチベーションを生み出す魔法のアイデア。いつ、いかなる時も報酬以上のことをせよ!行動計画を立て、積極的に行動し、報酬以上のことをする習慣を身につければ、あなたはどこの誰よりもその利益とモチベーションを得ることができる」とする。

 人は好きな仕事には苦労を感じない。または愛する人のための仕事であれば疲労を感じにくい。

 「報酬以上のサービスをすることは、必ず報われる」とする。怠けようと思えば怠けられる仕事もあるが、それ以上のものは決して得られない。

 

第12章「潜」

 「潜在意識は海面下の王国である。潜在意識は、あなたの願望実現、あるいは目標達成を後押しする眠れる巨人である。積極的な思考を潜在意識に植え付ければ、望むものはすべて手に入るようになる」とする。

 潜在意識は考えや印象などすべてを無差別に受け入れてしまうが、信念や強い感情と結びついたものには特に鋭敏に反応する。「深層自己説得」で潜在意識を利用する。

 潜在意識に訴える感情のうち積極的なものは、願望、信念、愛情、セックス、情熱、ロマンス、希望。一方で消極的なものは、恐怖、嫉妬、憎悪、恨み、貪欲、迷信、怒り、でこういう感情が潜在意識に働きかけないようにすることが必要。

 

第13章「器」

 「頭脳は宇宙が宿る小さな器である。あなたの頭脳には驚くべき偉大な力が潜んでいる。一刻も早く、効果的に、この偉大な力を活用すべきである」とする。

 脳は見えない力の受信機であり発信機であるとする。

 

第14章「感」

 「第六感は叡智の伝道への扉を開く。第六感は限りある「意識」と限りない「無限の知性」が交流した時に生ずる。第六感の活用によって、あなたの「守護神」はいつでも叡智の伝道の扉を開けてくれるようになる」とする。

 

第15章「転」

 「強烈な本能を創造的なものに転換せよ。強烈な性的エネルギーを願望実現や目標達成のエネルギーに転換せよ。強性本能ほど人を行動に駆り立てるものはない」とする。

 性的なエネルギーは人間の感情の中でも最も強く、うまく転換していけば偉大な成功につなげることができる。

 

第16章「敗」

 「失敗も生き物である。失敗と無縁な人は誰もいない。しかし、人間は誰でも、失敗に対して思いのままに反応する権利と術を持っている。どんな失敗にも、それに見合った利益の種子が含まれているのである」とする。

 失敗は形を変えた恩恵であり、分析してそこから利益を得ることも心がけ次第で可能だ。勝利者は断じて諦めない。

 

第17章「悲」

 「悲しみを通して魂にいたれ。悲しみは、人間を動物的なものから区別する自然の根本的な摂理である。どのような悲しみも、それに見合うだけの喜びの種子を含んでいる。悲しみを災いとしてではなく、恩恵として受け止めよ」とする。

 悲しみは愛情に似て、悲しむことができる能力は、精神的資質の深さを示している。悲しみはその人の魂を高めるものとして受け止めるべきとする。

 

第18章「恐」

 「不安という七つの亡霊。あなたの心の中をくまなく点検しよう。不安が少しでも残っていたら、それを取り除くことだ。頭を使って富を得よ。何一つあなたの邪魔をするものはないのである」とする。

 七つの基本的な不安として、

 ・貧困

 ・批判

 ・病気

 ・失恋

 ・自由の喪失

 ・老い

 ・死

をあげている。不安の多くは、優柔不断と疑惑によって自ら作り上げたものである。形おある富も形のない富も実現することができる。有形の富であるお金は、幸福、長寿、楽しみや心の平安につながる。健康は偉大な宝で、不安を心から取り除くことで得ることができる。 

 

【感想・考察】

 内容の備忘録として色々書いたが、特に心に残り実践したいのは以下のポイント。

 ・ 明確な目標を持ち、潜在意識に植え付ける。

 ・報酬よりも少しでも多く貢献する。

 ・失敗は諦めなければ あ失敗ではない。

 ・逆境には必ずそれ以上の見返りがある。

  特に「明確な目標を持つこと」は、多くの人が語っている。「どうありたいか」というような抽象性の高い目標から、いつまでにどうやって何を達成したいというような具体的なところまで考えて見ることが有益なのは間違いないだろう。

 また「利他」が強みであるという話も頻繁に聞く。美談としてポジショントークとして語っている人もいるだろうが、実際にそういうこともあるのだろう。

 

 この本は翻訳者が自社で行なっている「自己啓発セミナー」的なモノへの誘導が随所にあり胡散臭さが滲み出てしまっているが、それ以外の部分では有益な考え方もずいぶん示されているようだ。「自己啓発」的ないやらしさはあっても読む価値はある。