一流の人はなぜそこまで、習慣にこだわるのか? 一流のこだわりシリーズ
【作者】
小川晋平・俣野成敏
【あらすじ・概要】
20代でベンチャー企業を立ち上げ、コンサルタントとしても活躍している小川氏と、シチズンの社内ベンチャーで成功した俣野氏の共著。
主な内容は以下の通り。
・朝早く起き、頭が整理され集中できる時間を確保する。
就業時間内は自分の作業に集中できない。多くの決断をした後の夜の時間は深く考えることには向かない。
・自分にアポを入れ時間を確保する。重要だが緊急でない仕事に時間を投資する。
ずっと先までのアポイントを入れてしまう。自分自身の予定が最重要。
・ワーキングメモリを確保するため、メモで覚えることを外だしする。
頭に残っているとそれだけで脳の力を消費してしまう。
・やる気スイッチが入った瞬間を利用する。迷いが出る5秒までに動き始める。
やる気がでる時間は短く、現状維持に向かう心がすぐに追いかけてくる。
・レスポンスを早めることで「人の力を利用する」
次工程に手早く渡すことで、自分だけで仕事をする以上の効果が望める。Done is Better than Perfect.
・「今日はお酒を控えます」は相手に失礼。飲むなら前後も含め計画する。
「あなたより大切なことがあるけれど、今だけあなたに付き合います」という意味で、それくらいないら会わないほうがまし。
・大事な人との時間も、量より質で考える。質の高い時間を持つ。
家族サービスなどでも相手に対する最大限のリスペクトを忘れない。
・寝ている間に脳に働いてもらうため、就寝前に「問い」を立てる。
睡眠中に考えがまとまることはよくある。眠る前は不要なことを整理し、「何を考えるべきなのか」を用意しておくと、目覚めてよい考えが浮かぶことも多い。
・睡眠時間は大事。睡眠を起点に一日の計画を立てる。
眠る時間は他の予定のバッファーとなり時間が削られがちだが、「何時に寝て何時に起きる」を確定させ、どのようなスケジューリングをするか考える。
・判断するときは対立軸を考える。
内容を精査し、どのような反論があり得るのかも考えておく。
・ライフとワークを分離させない。
「ジムに行けないから運動できない」というのは手段が目的化している。運動するだけなら、生活の中で可能。生活と仕事を分けるのではなく、包括した上位観念でとらえる。
・自己管理は「治療」より「予防」のほうが圧倒的に低コスト。
病気の予防でも車の故障でも、問題が起こってから対処すると時間もお金もかかるが、予防することでコストも被害も最小限にできる。
・少額でも確実に利回りがあるのは「自分自身への投資」
株などの投資は大資本には勝てない。少額であっても自己投資は確実にリターンが見込める。ただし「将来に渡って自分が動き続ける」という覚悟が必要。
・つまらない映画は15分で切り上げる。サンクコストを振り切る。
「お金を払ったから」、「わざわざ映画館に来たから」という理由でつまらないと思う映画に時間をかけるのは、さらに損害を広げている。損切りの潔さが必要。
・将棋の駒であり、棋士でもあるという感覚を持つ。
自分自身が動くプレイヤーであるという視点を失うと自己中心的になってしまうし、全体を見てどう動くべきか考える視点がないと、使われるだけで終わってしまう。両方の視点を持ち、ステージに合わせて動くことが必要。
・勝負の時はリスク先行できる人が強い。
「守ることで利益が上がる領域」は誰もが手掛ける。「攻めることで利益が上がる領域」に手を出す人は少ない。リスクを負える範囲でリスクテイクすることで、頭一つ抜けた存在になれる。
・体験価値にお金を惜しまない
高級料理店や海外旅行など、経験しないと見えない世界がある。読書などでも知識は得られるが実体験に及ばない。読書ー経験者と会うー実体験 の順で間口は狭くなるが、効果は高くなる。経験を広げるために時には高級な世界を試す、そのために必要ない部分では極力質素にする、というのも一つの戦略。
・北極星となる目標はいらない
目標には、Being(こうありたい)、Doing(そうしたい)、Having(それを持ちたい)という区別がある。10年後20年後の人生を引っ張るような目標が Doing、Having ではありえず、Beingでしかありえない。
【感想・考察】
自己啓発書はいろいろと読んできたが、共通する内容が多い。「本書では本を読んで最初から最後まで新鮮に感じるうちはまだまだで、似たような内容が書いてあると感じられるようになったときに、本質をつかみ始めているのだ」とあり、精読より多読を好む自分にはありがたい言葉だった。