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メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問

自分を客観的な視点からみる「メタ思考」で

成長のための気づきを得て、思い込みの癖から脱し、

発想力を高めよう、という話です。

 

自己の客観化や、「抽象化」と「具体化」の

トレーニングが中心になっています。

 

 

【タイトル】

メタ思考トレーニング発想力が飛躍的にアップする34問

 

【作者】

細谷功

 

【あらすじ・概要】

 

 

 

1. 自分勝手さを思い知る

 自分をみる視点と他人を見る視点は異なる

 例えば「他人のことを一般化しても自分は特殊だと思う」など。

「最近の若者は不甲斐ない」などは自己認識が出来ていない最たるもの。

 

2. why型思考

What型思考(How, whoなども含む) は戦術レベルで、

目的から考える Why型思考は戦略レベル。

 

例えば「ドローンについて調べて欲しい」という要求を受け、

「どのような情報ソースを使うか」などと考えるのはWhat型思考。

「何故ドローンの情報が欲しいのか」から始まるのが Why型思考。

 

Why型思考で「問題は本当にそこにあるのか」を確認し、

「その問題の何を調べればいいのか」を絞り込む。

 

Whyは、単純な事実ではなく論理なので

数段階に渡って繰り返すことができ、核心に迫ることができる。

 

例えば「飲み会の時間が短かったね」と言われた場合、

次回の飲み会で単純に時間を伸ばすのは、What的な反応。

言葉の背景にあるWhyを考え、「楽しいから時間を短く感じた」のか、

「誰かと話す時間が足りなかった」のか、

「満足いくまで飲み食べることができなかった」のかまで

思い至ることができれば、適切な対応ができる。

 

Whyを投げかけることで「手段の目的化」にも気づくことができる。

 

また「喫茶店の競合」を考えるとき、

「人は何故喫茶店に行くのか」というWhyから入れば、

コーヒー提供者としての競合であるコンビニや自販機だけでなく、

待ち合わせ、作業場所、読書場所などの使われ方も想定でき

競合業態の幅は広がっていく。

 

 

3. アナロジー思考

 

アナロジーとは「類似のものから推論する」こと。

「ラテラルシンキング」に近い観念で

単なるパクリではなく、

目に見えない関係や構造などの本質的部分を

抽象的に捉えることを指している。

 

ロジカルな考え方では辿り着けない「飛躍」をもたらすが

あくまで大雑把なもので、その先の検証は必要。

 

具体的なものを一度抽象化してから、

別の具体的なものに当てはめて考える。

 

例えば「回転寿司」の成功要因を抽象化して

顧客側には「色々なものを試せる、好きなものだけを選べる、

店員とコミュニケーションしなくても良い」などのメリットがあり

店側には「受注生産と見込生産のハイブリッドで廃棄ロスを減らせる、

注文や配膳のための人件費を減らせる」といったメリットがある。

「では、他にどのような業態であれば、同じようなメリットを出せるか」

と考えていくのがアナロジー思考。

 

関係や構造を抽象化するトレーニングとして

「ポイントカードとパスワードの共通点」は

「提供者側の都合で数が増え、管理ができない状態になっている」

だとしている。

 

また「折り曲げの法則」という考え方を提唱している。

「成功」と「失敗」を紙の両端に書き、真ん中で追って両端を合わせる。

一つ見方をずらすと「成功」と「失敗」は両極端ではなく、

「成功と失敗」は共に行動の結果で、紙の中央にある「何もしない」が

その両者の反対だ、という風にも捉えることができる。

 

 

4. ビジネスアナロジー

ビジネスの世界でもアナロジーは使える。

 

例えば「新聞」と「百科事典」のアナロジーとして

「ネット状での無料サービスの規模が大きくなり、

課金プロセスが変化している」という点で捉えると

他にも無料化の流れにあるものや、その共通点から

ビジネスの発想ができる。

 

他の例として「コピー機とエレベーター」で

「メンテナンスや消耗品で利益を上げるビジネスだ」というアナロジー、

「タクシーと観光地の土産物屋」から

「一見客の比率が圧倒的に高いビジネスだ」というアナロジーを

導き出すトレーニングもあげている。

 

さらに業種をまたぐアナロジーとして、

「Uberなどのオンラインマッチング」、「飛行機などの座席個別予約」、

「発展途上国で固定電話を飛ばし、携帯電話から普及したような

リープフロッグ型発展」、「ネット上でのレーティングとリコメンド」など

着目できるポイントを提示している。

 

 

【感想・考察】

AIがさらに発展すると、ロジカルに突き詰めていく能力では

人間は追いつかなくなるだろう、と著者は見ている。

AI に置き換えられないのは「自ら仕事を作り出す能力」で

これは「メタ思考」によって鍛えられるというのが著者の見解だ。

 

ただ、Whyによる推論もアナロジーによる発想も

分解して考えれば、ロジカルなものなのだと思う。

 

他人からは思考がラテラルに飛躍しているように見える時でも

本人の中ではロジックがあるもので、

逆にいうと、AI がロジカルな演算を重ねた過程が見えなければ

飛躍のある発想のように見えるのだろう。

 

「AI に仕事を取られないように」と汲々とするよりは

「AI に仕事をしてもらって、自分は楽しむことに専念しよう」となればいいなぁ、

と思っている自分は、本質的に怠け者なのだろう。

 

 

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