白本
【作者】
高城 剛
【あらすじ・概要】
著者がメールマガジンで取り交わした問答集を書籍化したもの。「ハイパーメディアクリエイター」というよく分からない肩書きで知られていた氏だが、世界中を飛び回り様々なメディアを横断して発信を続けている仕事内容が理解できる。
これからの世界で必要となるのは、「外国語の語学力」、「コンピュータのスキル」、「国際感覚」、「センス」 だという。
「コンピュータスキル」については関連する質疑がいくつかあり、どんなハード・ソフトを使っているかという話で、ノマド的な移動生活に役立つかもしれないが、数年経つと古くなる情報。「語学力」については自身の英語勉強法を解説している。
「国際感覚」は世界の中での自分の立ち位置、日本の立ち位置を客観的に捉えることで磨かれるとしている。日本の中で自分の立ち位置は把握しやすいが、それを世界の舞台でも同じようにできるかという視点で興味深い。「センス」については多くの質疑のなかで分散して著者の持つ雰囲気を伝えていた。
ノマド生活で便利な日用品、健康法、仕事との向き合い方、日本という国について等々、幅広い分野についての散発的な質問への答えに著者の哲学が垣間見える構成。
【感想・考察】
場所に縛られないノマド的な生活の極端な一例として面白く読んだ。「自由とは何か」という問いに対し「自由とは決断だ」と答え、「自由に生きる」と決断するだけでいいとしているのは、超実践的な言葉で興味深い。
好きなジーンズとか、玄米の炊き方だとか、著者の個人的ファンでなければ興味のない項目も多くざっと流し読みをしたが、中には非常に鋭い考察や刺激的な考え方がしめさるものもあった。