毎日一冊! Kennie の読書日記

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64(ロクヨン)上・下巻

【作者】

 横山 秀夫

 

【あらすじ・概要】

 バリバリの刑事だった主人公が警務部の広報官となり、刑事部と警務部、警視庁と現地の警察署の権力争いに翻弄されつつ、自らの職業倫理や家族との関係を見つめ直していくストーリー。

 醜形妄想に蝕まれた主人公の娘の家でと、14年前の昭和64年に発生した未解決の誘拐事件(符丁としてロクヨンと呼ばれる)、そして新たに発生したロクヨンを模した誘拐事件が重なり合っていく。

 

【感想・考察】

 導入部では主人公の娘の失踪事件がメインになるのかと思ったが、中心は警察署内の権力闘争を描く部分だった。

 警察には本当にここまで強烈な派閥争いや権力闘争があるのか分からないが、20万人を超える巨大な組織であり、危険に接することもある軍隊にも似た組織な分、明確な命令系統の存在があり、権力が強大になるのかもしれない。デフォルメされている部分もあるとは思うが、平和な民間企業で働いていると実感としては伝わらず、感情移入できなかった。

 ただ、主人公が今の職業への取り組みで覚悟を決め、警察広報部とマスコミ記者クラブの間に信頼を取り戻すシーンには深い感銘を受けた。

 複数の事件が起こり、多数の登場人物があるのにも関わらず、すっきりと頭に入る分かりやすい文章だったが、ミステリとしてひねりがあるわけではなかった。

 評価の高い作品ではあったが、読む人を選ぶ作品かもしれない。権力闘争などの人間ドラマを見るのが好きな人には会う先品だと思うが、事件解決のスッキリ感を味わいたいミステリ好きには合わないかもしれない。 

 

 

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