ノベライズ この世界の片隅に

【作者】

 原作:こうの史代

 ノベライズ: 蒔田陽平

 

【あらすじ・概要】

 映画化された同名のコミックのノベライズ版。

 第二次世界大戦の開始前から、終戦後しばらくまでの広島・呉が舞台。

 広島で暮らしていた すず が 呉に住む 周作に嫁ぎ、戦争の影が濃くなりつつある中、強く生きていく話。大きな軍事工場や軍港のあった呉の戦時中の風景が描かれている。戦争に大事なものを次々と奪われながらも、世界の片隅で自分を見つけてくれた周作に感謝し、世界の片隅でたくましく生活を続けていく。

 

【感想・考察】

 恋愛で好きになった相手と結婚するのではなく、結婚が出会いで生活を共にしていく中で徐々に相手に対する愛情が芽生えてくるという感覚は、ある意味正しい在り方なのかもしれない。絵の得意なすずが右手を奪われ、自分に懐いてくれた姪を失い、両親も兄も幼馴染も失いながら、周作や嫁ぎ先の家族と支えあいながら、世界の片隅で生きる場所を作っていく姿には力強さを感じる。

 戦争を描く話だが、すずの明るさに支えられ暗くならずにまとまっている良い話。映画を見てみたいと思った。