毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

ミズタマノオト

同じ作者さんの「ヴィーヴルの眼」が傑作だったので

読んでみました。

 

SFっぽい話から時代物まで様々なジャンルの

短編・掌編集です。

 

 

【タイトル】

ミズタマノオト

 

【作者】

水谷 悠歩

 

【あらすじ・概要】

あなたの名前を教えてください

起動したロボットと人間の初めての交流の話。

 

ハッピーバースデー

秋穂の誕生日、恋人である宏志への自分の思いを疑い始める。

 

まくどのおねーさん/まっくのおにーさん

単発ギャグ。

 

静かなる訪問者

ガスの検針を装って侵入しようとした男を撃退したが

帰宅すると表札の下にシールが貼られていた。

 

カレーでGO!

カレーは江戸末期から明治にかけての時期に

英国から日本に入ってきたというのが定説だが

江戸初期の林羅山がオランダを経由して

カレーにファーストコンタクトしていた、

というほら話。

 

かごの中

ビートルズファンだった元カレからもらった

「リンゴ」という名の十姉妹。

その時の鳥かごは今も手放せない。

 

ローテーション

美しく人目を引く律子は、頻繁に私を呼び出し

夜のドライブに連れまわす。

 

金峯山の別当、毒茸を食ひて酔はざる語(『今昔物語集』より)

別当の座を狙い毒キノコをを食べさせた僧の話。

 

花桜折る中将(『堤中納言物語』より)

中将が美しい姫君へ求愛する話。

 

ドロップ・アウト

警察学校のしごきに耐える男たちの話。

 

地学の達人 

地学者あるある。

 

シイタケおじさん

冬の夜道で駅の方向を尋ねてきた男性に

自転車をもらう。

 

まどろみの果て

居眠り運転のトラックを避け衝突し

助手席にいた恋人が死んでしまう。

 

【感想・考察】

 

他作品を読んでいても「博識だな」と感じていたが

この作者さんは興味の範囲がとても広いようだ。

 

得意分野の一点突破もいいけれど

「広く浅く」の心地よさが好きだ。

 

Kindle Unlimited にはハズレもあるけど

たまに自分と相性の合う作者さんに会えるのは嬉しい。

 

 

 

神様の値段 戦力外捜査官

戦力外捜査官 姫デカ・海月千波」に続く

シリーズ二作目です。

 

海月警部の「ドジっ娘警部」っぷりが鳴りを潜め

スマートな名探偵っぽくなってしまったのは残念ですが

シリアスよりな展開も、これはこれで面白いです。

 

【タイトル】

神様の値段 戦力外捜査官

 

【作者】

似鳥鶏

 

【あらすじ・概要】

連続放火事件の捜査に当たっていた海月警部と

設楽巡査は、川に流される失態でまた捜査から外される。

 

連続放火事件に新興カルト「宇宙神瞠会」が

関わっている可能性を知らされた海月たちは

公安と協力し、内偵を使って捜査を進める。

 

妹が神瞠会に参加していることを知った設楽は

必死に翻意させようとするがかたくなに拒まれ

単身で神瞠会の修行施設に乗り込んでいく。

 

 

【感想・考察】

主人公たち警察だけでなく、

自分の仕事に真摯に向き合っている人々が

皆、それぞれの責任を果たすことで

世界を救っていった。

冒頭からの展開が素晴らしい。

 

設楽が新興宗教に絡めとられた妹を取り戻すために

その宗教を否定したがそれは反感を買うだけで

「宗教が与えてくれたもの」は何だったのかを考え

それを「よりマシな形」で実現しようと海月は提案した。

 

これは宗教に限った話ではなく

「相手が求めているモノを差し出す」ことが

人との関係を作るために必要なことなのだと思う。

 

 

そこで「自分の置かれた立場で

自分の責任を真摯に尽くすことが

相手も自分も救うことになる」

というのが作者さんからのメッセージなのだと感じる。

 

また、コメディー色の強い本シリーズで

警察内部の話などデフォルメが多いのだとは思うが

テロの方法は凄く考えられていてリアリティーがある。

作者さんに犯罪立案させたらいい線行くのではないだろうか、

と思い心配になる。。 

 

 

 

だれかが ぼくを ころさないで

絵本ですが子供向けではありません。

とても重たい。

 

「人の心を支えるのは誰かに愛された記憶」だという

捉え方によってはとても残酷で厳しい話です。

 

 

 【タイトル】

だれかが ぼくを ころさないで

 

【作者】

内田麟太郎 作

黒井健 イラスト

 

【あらすじ・概要】

憎しみに駆られ相手を殺そうとする少年。

 

その耳に「ころさないで」という声が届く。

 

誰の声なのか分からないが

遠くから波のように繰り返し聞こえてくる。

いつか どこかで 聞いたことのある声。

 

誰かの声が少年を憎しみから救った。

 

 

【感想・考察】

「人が人への信頼を持つことができるのは

誰かに無条件に愛された記憶があるから」であるなら

あまりに残酷すぎると感じる。

 

親を始めとした幼少期の人間関係は重要かもしれないが

それだけで人生が規定されてしまうとは思えない。

人は社会的な生き物であるけれど

自律的に生きることができるのだと信じたい。

 

なんとも暗澹たる気分になる本だった。

 

 

 

ギフト

 原田マハさんの短編集です。

 

各話10ページ程度のごく短い話で

優しく、暖かく、少し切ないけど、前向きで

上手いなぁと思わされました。

 

 

【タイトル】

ギフト

 

【作者】

原田マハ

 

【あらすじ・概要】

 全20話の短編集。

 

この雨がやんだら

何となくすべてがうまくゆかない日々。

彼からの旅行の誘いを断ってしまう。

 

雨あがりの花

できるビジネスウーマンの先輩の

退職前の最期のプレゼンに同行する。

 

夏の灯

仕事が忙しさから

自分とのデートが手抜きになっていると感じ

彼氏に不満が募っていく。

 

輝く滑走路

子供のころ好きだった家に続く田んぼのあぜ道。

久々に帰ってきたとき、あぜ道は舗装されていた。

 

コスモス畑を横切って

同じ男性を好きになったことで疎遠になったかつての親友から

結婚式の招待状が届く。

 

茜空のリング

同期の結婚式の招待状を受け取ったが

自分の彼氏はずっと結婚を切り出してくれない。

 

小さな花束

結婚式に集まった同期の仲間たち。

皆のドレスはコスモス色のグラデーションだった。

 

真夜中の太陽

会社を辞め勉強をするため海外に行ってしまった彼氏。

彼がひとり過ごす夜を思う。

 

贈り物を探しに

少女時代に暮らしていた街に急な出張で赴く。

美術館でかつて好きだった絵と再会する。

 

12月のカレンダー

上司は年末で転勤する私を12月のカレンダーの様だという。

その真意は。

 

ポケットの中の陽だまり

彼が転勤になり合う時間が減り少しずつ関係が変わっていく。

一緒に歩くときに手をつなぐことがなくなった。

 

サウスショア・ピクニック

独り暮らしを決心した私。

家を出る前日、母親と浜辺にピクニックに行く。

かつてのようにお弁当を持って。

 

そのひとひらを

海外留学前日の壮行会で終電帰りになった私は

帰り道の桜並木で父と会う。

 

ドライブ・アンド・キス

彼と大喧嘩をしてしまったという親友を

ドライブに連れ出す。

 

15分後の春

彼との待ち合わせはいつも「○○時15分」と

中途半端な時間を指定されていた。

 

窓辺の風景

日本庭園の見えるレストランで彼氏を両親に紹介する。

紅葉をまた来年も見たいと切り出す彼氏。

 

聖夜、電車に乗って

クリスマスイブの夜、電車で乗り合わせた女性が

クリスマスプレゼントを車内に忘れていった。

 

ささやかな光

両親の反対を押し切り、パティシエの道を目指した私。

2年目にはクリスマスのショートケーキ作りを任される。

 

花、ひとつぶ

同居を始めた彼が持ち込んだエニシダの鉢植。

いつも二人の生活を見つめていた。

 

薬指の蝶々

彼とエンゲージリングを買いに行く途中、

浮かれて転び頭を打って入院し、

心優しい老婦人と親しくなる。 

 

【感想・考察】

 恋人や友人、会社の同僚、上司、父や母など

様々な人間関係の中でちょっとつまずいたり

切ない思いをしたりする。

それでも最後は前向きに明るく乗り越えていく。

 

優しくて明るい気持ちになれる作品です。

 

 

 

 

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方

 ローランドという方の「名言集」です。

 

著者について多少は前提知識がないと

こういう本はあんまり理解できないものですね。。 

 

【タイトル】

俺か、俺以外か。 ローランドという生き方

 

【作者】

ROLAND

 

【あらすじ・概要】

 ホストとして有名らしいローランドの哲学・名言集。

いくつか拾ってみる。

 

世の中には二種類の男しかいない。俺か、俺以外か

他人によるカテゴライズは受け入れない、という姿勢。

 

年齢は、どれだけ生きたか教えても、どう生きたかは教えない

漫然と長く生きているだけで内面は成長しない。

逆に若いことは言い訳にならない。

 

説明できる好きって、本当の好きじゃないから

条件があって好きになるのは打算。

本当に心惹かれるものは言葉で説明できない。

 

たくさん嘘をついてきたけれど、自分に嘘をついたことはない

欲しい物は欲しい、やりたいことはやりたいと素直に目指す。

人に嘘をつくのは構わないが、自分にだけは素直でいるべき。

 

俺はローランドだからね。コンビニには手を染めない

ホストは夢をみせる仕事、生活感を極力そぎ落とす。

ディズニーランドのように夢をみせることに徹底する。

それがエンターテイナーのあるべき姿だと考える。

 

一番美しい花は薔薇、一番好きな花は桜

薔薇は妖艶でラグジュアリーで美しい。

だが、一番美しいタイミングで潔く散る桜が一番好き。

 

俺も好きだよ!

「ローランドが好き」と言われて

「俺も好きだよ!」と答えるのは

「俺もローランド(自分)が好きだよ!」という意味。

 

売れない時は堂々と売れ残ってやる

調子の悪い時は誰にでもある。

そういう時でも最大限の努力を惜しむべきではないが

自分を安売りするのは止めるべき。

 

エコノミーがフルフラットなら、誰もファーストクラスに乗らない

「太客」と「細客」への対応に意図的に差をつける。

お金を使わなくてもサービスを受けられると思ったら

太客もお金を払わなくなる。

一方、細客にはああなりたいというモチベーションを与える。

 

 

【感想・考察】

期待されるとおりの「 自意識過剰キャラ」を演じている

ある意味でサービス精神にあふれる人なのだろう。

 

売れているホストさんやキャバ嬢さん達の本を読むと

「自意識過剰」と「サービス精神」コンボが多いようだ。

 

「俺が!私が!!」と前に出るタイプでないと

生き残れない世界では

自己愛、自己肯定感、過剰気味な自意識が必要なのだろうが

どこかで自分を客観視して他者サービスも意識しできるような

キャパの大きさが必要なのだろう。

 

それから、自分の情報収集はネット中心なので、

意識的に取りに行かないと興味がない分野の知識は

完全にゼロになってしまうのも問題だと気付かされた。

海外生活が長いと、意識しないとバランスを失ってしまう。。

 

 

2035年の世界

高城剛氏による近未来予想です。

半ば妄想も入っているようですが

こういう「夢」が世界を動かしていくのでしょう。

 

【タイトル】

2035年の世界

 

【作者】

高城 剛

 

【あらすじ・概要】

いくつかの分野で2035年に起こっているかもしれない出来事を

高城氏が予測していく。

面白いと感じた項目をいくつか拾っていく。

 

1.身体科学

・超健康

病気を未然に防ぐ医療の進展で「超健康」が実現し

人間の平均寿命は140歳くらいまで伸びる。

 

・ボディ・エリア・ネットワーク

LANならぬBAN。

リストデバイスや体内に埋め込まれてデバイスが

生体情報を測定し異常を察知する。

 

・薬事ロボット

カプセル内視鏡などが進化し、

体内の狙った場所に投薬できるような

小型ロボットが実現する。

 

・未病とオミックス医療

遺伝子情報を元にした医療をオミックス医療という。

遺伝子情報により病気を未然に防ぐ。

 

・遺伝子マーケット

優秀な遺伝子を持つ子供を作るための遺伝子が

高値で取引されたり、他人のDNAを盗む犯罪も発生する。

 

2.科学

・脳ログ

脳内のマイクロデバイスで、見たものや考えたことを記録したり

外部と通信したりするようになる。

 

・オートマトン

シンギュラリティー以降、ロボットが拡大すると

人間が仕事をしなくても良い状況が生まれる。

「ロボット嫌い」の人へのセラピストなどは

人間がしなければならない仕事として残るか。

 

・コンタクトデジカメ

コンタクトレンズのように眼球に装着するカメラ。

最終的には視神経との接続。

 

・生体情報対応広告

マスに向けた「広告」から対象を絞った「狭告」に移る。

生体情報を基にしたリアルタイムな広告が行われるようになる。

 

3.移動

・ハイパーボーダー

移動コストが急激に下がり、国境を越えて通勤する人が生まれる。

 

・宇宙旅行

宇宙旅行が身近なレジャーになる。

 

・医療ツーリズム

高度な医療を受けるためのツーリズムが盛んになる。

また移動コストの低下から、低コスト医療のための

ツーリズムも生まれる。

 

4.スタイル

・自分検索

「自分は何者か」という問いにAIが答える。

スポンサー付きで。

 

・ケーブルカルト

布教の場所をインターネットに移したり

教祖自体もバーチャルだったりする

ケーブルカルトが誕生する。

 

・デジタル・モダン・プリミティブ

デジタル化への反動として身体性に回帰する

「モダン・プリミティブ」のカルチャーがあるが

肉体をテクノロジーで拡張したりする

「デジタル・モダン・プリミティブ」へと進む。

 

・マスの崩壊

20世紀のマスメディアが「大衆」を作ったが

情報発信力に依存するようになる。

 

・新リバタリアン

経済分野で市場原理主義を重視するリバタリアンに対し

個人の活動レベルでも政府の干渉を最小限にすべきとする

新リバタリアンが生まれている。

 

・ガバメント・オプトアウト

生まれた国の政府に依存するのではなく、

海外移住や資産の外貨への分散など

国と物理的に距離を置く生き方が広がる。

 

・スモークフリー&脱アルコール

各国でタバコからの解放が進んでいるが

次はハードリカー(強い酒)の規制が広がるとみる。

 

5.リスク

・人生100年時代「第二の人生」

人生が長くなり「定年退職後は年金で過ごす」という

生き方が成り立たなくなる。

60~70歳になっても健康な人が増え、

そこから新たな活動をする人も増えていく。

 

・肥満問題

世界各国で肥満問題が健康への脅威となっている。

健康のため砂糖やジャンクフードに課税する動きも始まっている。

 

・メガ都市とコンパクトシティ

中国を始め1000万人を超えるメガ都市が増えているが

スラム化を防止するため200万人程度のコンパクトシティが

理想とされ始めている。

 

・水戦争

近い将来に水が石油などのエネルギー資源より貴重になる。

特に中国とインド間でヒマラヤ水系を巡る争いが激化する。

 

6.政治

・リキッド化

世界はフラット化するが、フラットな状態で安定はしない。

フラットになろうという力学が働きつつ

常にダイナミックに動く「リキッド」状態になる。

 

・朱子学と陽明学

日本では「上に忠節を尽くす朱子学」と

「実践を重んじる陽明学」が交互に力を持った。

バブル崩壊後は「朱子学」優勢となっている。

 

・スマートパワー

軍事力などのハードパワーと

外交や文化などのソフトパワーの二つを組み合わせ

他国に影響を与える戦略のこと。

近年の日本はハードパワーに軸足を置いている。

 

・成長しない世界

国家は「成長する」ことを前提とした仕組みだったが

今後は「成長しない」世界になっていく。

インテレクチュアル・プロパティを充実させ

ロボットが働いてもお金が入ってくる仕組みを作ることが重要になる。

 

7.経済

・ハードリセット

近い将来に戦争や経済破綻などの形でのハードリセットが起こる。

 

・「グローバルとローカル」から「ユニオンとリージョン」

世界的な標準を作ろうというグローバルスタンダードの動きから

国に拠らないリージョンが連合するユニオン的な連携が主になっていく。

 

・テレビ局や宗教法人の合併

テレビ局や宗教法人など「聖域」だった業界の再編が起こる。

 

8.環境

・新氷河期

太陽活動の影響で2055年頃から氷河期に入る可能性が指摘されている。

 

・バイオとオーガニックのハイブリッド農業

気候変動による耕作地不足を補うため、遺伝子組換えを使った

バイオ農業は広がっていくが、同時に有機栽培で安全に

育てる農法も行われる。

 

・電気のWiFi化

通信信号の無線化が進んでいるが

電源となる大電力も無線でつながるようになる。

 

 

【感想・考察】

移動コストが下がることで人の流動性が高まり

国に依存しない生き方が広がっていく傾向にあるのは

間違いないだろう。

 

日本などは比較的流動性が低く、そういう流れを

肌感覚で掴むのは難しいと思うが

動きが遅れるとそこに住む人々たちが不利益を受ける。

高城氏のような立場の人が情報発信を続けることは大事だろう。

 

あと「脳ログ」には徹底して反対したい。 

 

 

 

 

戦力外捜査官 姫デカ・海月千波

かえって分かりにくくなる例え話とか、

あとがきの脈絡なく脱線とか、

本筋と関係ないところで

やたらとドライブ感があります。

あとがきと脚注が面白い作者さんです。

 

 

【タイトル】

戦力外捜査官 姫デカ・海月千波

 

【作者】

似鳥鶏

 

【あらすじ・概要】

連続放火事件で緊張の高まる捜査一課の火災犯係に

まだ女子学生の様な外見の 海月警部が配属され

設楽巡査がお目付け役を任じられた。

 

海月と設楽は連続放火事件の捜査本部に加わるが

操作会議での不用意な発言や

火災現場で木登りして落ちたりと失態を繰り返し

戦力外通知され「単独遊軍捜査班」として動き始める。

 

海月は捜査本部の想定した犯人像に異を唱え

別視点での捜査を開始した。

 

【感想・考察】

 「ドジっ娘警部」の萌え要素満載で

キャラクタ中心のライトなミステリだが、

その軽さの裏で

「冤罪を引き起こす組織構造の問題」だとか

「警察に自浄作用は期待できるのか」といった

割と重いテーマを扱っている。

 

警察の本業は国家を守ることで

「国民へのサービスはオマケ」だとすると

警察が内部的に「捜査過程の透明化」を

進めようとしても限界があるが、

内部でも「志あるもの」が力を付けていけば

改善が進む可能性はあるのだという

希望を描いている。

 

警察に限らず組織内で力を付けた人は

現状で得るものが大きい分、現状を変えようと思わない。

そして長期的に見れば硬直化した組織は力を失っていく。

理想を失わず大局的に判断できる品格ある人間が

組織内で力を持つことが解決策なのだろう。

 

また同時に、組織内の文化が硬直してしまわないよう

人材に多様性を持たせることも必要なのだと思う。

 

本書では

外的な力「ジャーナリズム」の限界として雑誌記者の生田、

「理想を持ち続けた力あるもの」として刑事部長の越前、

「組織内部での多様性の許容」として海月警部と設楽巡査が

上手に配置されている。

 

軽く読めるけれど、なかなか考えさせられる本だった。 

 

 

 

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