毎日一冊! Kennie の読書日記

面白い本をガンガン紹介していきます!!

カラット探偵事務所の事件簿 2

「種明かしのない叙述トリック」ですね、

この本だけだと。

 

前作「カラット探偵事務所の事件簿」の後に読むと

最終話が違った見え方になるでしょう。

 前作のオチをみて続編は無いものと思っていたけれど

上手に感動的なまとめ方をしてきてます。

乾くるみさんは仕掛けを作るのが上手いですね。

 

 

【タイトル】

カラット探偵事務所の事件簿 2

 

【作者】

乾くるみ

 

【あらすじ・概要】

謎解き専門の「カラット探偵事務所」で

所長 古谷と 助手 井上が 謎を解く日常系ミステリ。

 

小麦色の誘惑

古谷の従弟である高校生の三郎が

大学生の兄の友人たちと集まって遊んでいてた。

バルコニーで居眠りして気が付くと

腕にハート形の日焼け跡が残っていた。

 

その場にいた女性の誰かからの

メッセージではないかと考えた三郎は

探偵の古谷に推理を依頼する。

 

昇降機の密室

カラット探偵事務所のあるビルで

エレベータ点検があった日、

非常階段から出ることはできても

入ることはできなかったため

階下のデザイン事務所の香村氏が締め出された。

点検が終わるまで探偵事務所にいた香村氏は

自分の事務所に戻ったとき

「あるもの」が亡くなっていることに気づいた。

エレベータ点検中は密室になっていた部屋から

「あるもの」を盗み出したのは誰なのか。

 

車は急に......

井上がパーキングに入ろうとしたところ

目の前で車同士の軽い衝突事故があった。

前の車の男は、後ろの車が追突してきたと言い

後の車の男は、前の車が下がってきたという。

どちらの言葉が真実なのか。

 

幻の深海生物

健康食品会社の社長が、リンク切れの

検索結果にある謎を解いてほしいと依頼する。

 

「脂肪を燃焼させるもの深海にあり。

模様にくせあり釣針にはかからず。

よびなは地域によって曖昧なり」

という文が示すのは深海魚なのか。

ヒントは「沼津」

 

山師の風景画

不動産業を営む栗本氏は、30年以上没交渉だった

弟の訃報を受け、弟が描いた風景画を受け取った。

弟からの財産のありかを示すメッセージではないか

と考えた栗本氏は「カラット探偵事務所」に

調査を依頼する。

 

一子相伝の味

マルチ食堂に伝わる「マルチソース」は

門外不出の秘伝の味だったが

先代が交通事故で急死したため

製法が分からなくなった。

大きな壺に入れられた「隠し味」エキスが

無くなってしまうと、マルチソースは提供できない。

先代か先々代がレシピを残していなかったか

「カラット探偵事務所」に調査が依頼される。

 

つきまとう男

「カラット探偵事務所」の階下にある

「竜宮城」のホステス西田カレンから

ストーカー事件の調査を依頼される。

 

「竜宮城」で客に渡しているプレゼントが

カレンの自宅の郵便受けに入れられていた。

客のうちの2人にまで容疑は絞られ

古谷と井上が個別に尾行調査をすることになった。

 

 

【感想・考察】

乾くるみさんは仕掛け作りが上手い。

 

「ある事実を知って読んでいるか

知らずに読んでいるか」で

見えてくる情景が全く異なるという仕掛けだ。

 

「イニシエーション・ラブ」では

最後の数行で見えていた景色をひっくり返したし

今回は「前作を読んでいるかどうか」で

受け止め方が全く変わってくる。

 

シリーズ物は最初から読むのが普通だが

こちらを先に読んでから前作を読んでも

楽しめるかもしれない。

 

 

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