なるへそ
【作者】
池井戸 潤
【あらすじ・概要】
池井戸氏の作品にしては珍しく経済が絡まないミステリ。「黒後家蜘蛛の会」のパロディーで、各界で活躍する六人の会食の場で謎が提示されるが探偵役となるのは寿司屋の主人だった。ミステリ自体は恋に落ちた落語家の「人探し」がネタ。真打になったばかりの落語家が幼馴染で自分の落語家としての強みを思い出させてくれ女性を探す。いくつかのヒントが提示され、幼稚園児が語った「『なるへそ』という場所でバスを降りた」という言葉から女性の所在を探し当てていく。
【感想・考察】
得意の経済ネタは入っていないが、ミステリとして楽しめる作品だった。キャラクタが爽やかで読んでいて気持ちがいい。10分もあれば読めてしまう短編作品だが、池井戸氏の作品世界を十分満喫できた。