『涼宮ハルヒの憂鬱』谷川 流
超メジャー作品ですが未読でした。今回、シリーズ全作が Kindle Unlimited の読み放題対象になっていたので、手を出してみました。
「シリーズ1作目は読み放題、2作目以降は買い切りで!」というパターンが多いなか、全作読み放題は良心的です。
小説もアニメも全く知らない予備知識ゼロでしたが、やっぱり面白かった。
冒頭は、
・冴えない男子主人公が、
・強引でクセのある美女たちに引きずられ、
・ハーレム状態の中、
・「ヤレヤレ」と言いながら、
・事件を解決していく
という男子欲望丸出しのラノベテンプレ展開っぽく、ちょっと挫折しそうでした。
でも読み進めていくと、急に風景が変わり、メタ的な仕掛けが見えてきます。
そのあたりから、ぐっと引き込まれました。
気になる伏線も残っているので、読み放題期間のうちに、次の作品も読んでみよう。
リンク先にあらすじと感想を上げました。
『文章だけで月100万円稼ぐ方法|コロナ時代に副業でも在宅ワークでも稼げるWebライティングの全ノウハウをWebライターが伝授』 藤原 将
Webライターとして、副業で月収5万~15万円を稼ぐ方法、専業ライターとして月収100万円を目指す方法を解説する本です。
こういう「ノウハウ本」には、それこそ「ググった情報の切り貼り」で浅く上滑りするものが結構あります。
でも本書からは作者さんの熱量が感じらました。
ちゃんと自分の背中を押してくれた。
個別のテクニックだけでなく、本書全体を通してメタ的にも「伝えるということ」を教えてくれているようです。
なかなか興味部外一冊でした。
リンク先に要約と感想を載せました。
『タナトスの誘惑』 星野舞夜
YOASOBIさんの名曲『夜に駆ける』のベースとなった短編小説です。
この話を読んでから曲を聴くと、ちょっと違う見方もできて面白い。
ごく短い作品なので『夜に駆ける』が好きな方なら、一読をお勧めします。
Monogatary.com で読めます。
タイトルの通り「タナトス=死への衝動」がテーマになっています。
ちょっと疲れているときに読むと「死に誘われる甘美さ」がしみ込んでくる、やばい話でした。
『朝が来る』 辻村 深月
産みの母と育ての母、二人の母親の物語です。
後半に語られる産みの母「ひかり」の人生には感情移入しまくりで、追いつめられる場面が息苦しくなるほどでした。
苦しいことからは逃げ出したい。
意に添わない他人はムカつく。
そうやって人間関係を細めていくと、いつの間にか追い詰められてしまう。
分かりみが深すぎました。
リンク先にあらすじと感想を上げました。
『自分を操る超集中力』 メンタリスト DaiGo
「集中力を高めて最速で成果を出そう!」という内容です。
超ざっくりまとめると、
・集中力を鍛えるための ー姿勢、食事、運動、瞑想ー
・集中力を節約するための ー 習慣化、時間管理ー
がポイントです。
個人的に刺さったのは「先延ばし癖が、やらなきゃという漠然とした不安で、継続的に集中力を削っている」という指摘。
分かっちゃいるけど難しいのです。。
リンク先に要約と感想を上げました。
『贖罪の奏鳴曲 御子柴礼司』 中山七里
御子柴礼司シリーズ第1弾です。
緊迫した法廷バトルと、幾重にも重なったミステリの完成度が高いです。
さらに御子柴礼司の「贖罪」に向かう姿勢が素晴らしい。
以前間違えて、シリーズ2作目の『追憶の夜想曲』から読んでしまい、サイコパスっぽい御子柴に感情移入できなかったのですが、本作を読みその行動原理を知ると、そのダークヒーローっぷりに惚れそうになります。
傑作でした。
リンク先にあらすじと感想を上げました。
『催眠ガール』大嶋 信頼
催眠療法によるカウンセリングを、高校2年生の夏目明日香の物語に載せて紹介する本です。
ミルトン・エリクソンの催眠導入手法をベースにして、
・相手の呼吸に合わせる「ミラーリング、ペーシング」の技法
・暗喩で相手の内側から信念を引き出す「スクリプト」の技法
を紹介しています。
催眠術を超能力的に描いていたり「師匠」への個人崇拝的な流れがあることに、正直にいうと「うさん臭さ」を感じてしまった。
だが私のような「否定的な見方」も見越して、メタ的にストーリーに組み込むあたりの周到さは「よく考えられているな」とは思う。
Kindleの月間セール対象になってはいるが、読む人を選ぶ作品だと思う。