壇蜜日記
タイトルの通り壇蜜さんの日記です。
きれいな文章で、壇蜜さんの鋭さと優しさを感じます。
壇蜜さんのことはあまり知りませんでしたが、好感度が上がりました。
【作者】
壇蜜
【あらすじ・概要】
本書のような日記から「あらすじ」を抜き出すことはできないので、気に入ったフレーズをいくつか抜き出してみる。
どうせ 生き て いる こと で 誰 かに 恨ま れ、 消費 し、 さ れる 人生、 小金 くらい 稼い でも バチ は あたる まい。
自分自身を消費期限付きの商品とみる現実主義と、周囲から受け入れないことを極度に怖れる弱さが見える。
ファンやスタッフの意向に寄り添うことが、いまの私にできること。
本書を読んでいても、読者が自分に何を求めているのかを理解し応えているのがよく分かる。常に相手の視線を意識し続けるのは生き辛いだろうと思う。
自分 の 一番 を 公言 する と どうしても 他 に 好き な モノ の 話 が 出来 ない のが 申し訳 ない し、 しらける 元 に なる。
感覚がよく分かる。誰かの視点を意識して生きることの息苦しさだ。
シーフードヌードルにタバスコとレモン汁を少々加えるとトムヤンクン味になる。
いやいや、これはダメだ。。
8 歳 の 女児 からの 手紙 には 質問 が 書か れ て い た。 年 は 33 歳、 すき な 色 は 灰色、 休み の 日 は ひたすら 眠っ て 自分 と 折り合い を つけ、 毛 の 無い ネコ を 飼っ てる よ。 なん か、 ごめん。
リズム感があり、とても美しい。名文だ。
鶏 中華 麵 は トマト ジュース を お湯 で 割っ て 沸 とう さ せ た もの で 煮る。 ドン ブリ に あけ、 とろける チーズ を のせ て 食す。
残念ながら食の好みは絶望的に合わないようだ。
新聞 は 読ん で いる が 興味 の ある こと しか 読ま ない ため、 テレビ の ニュース から 得 た 知識 の ほう が 新鮮 という 現状 は 変わら ない よう な 気 が する。 しかし、 紙 を 読む 時間 は 贅沢 だ。
メディア全方位に気遣いができる大人の対応だ。
大人 に なる と 子供 の 頃 よりも 一年 が 早く 過ぎ て ゆく よう に 思う のは、 物事 の 進み に 手こずら なく なっ た のも 大きい が、 昼 ぐらい から「 も ー 今日 は 終わり だ わな」 と 今日 を 見限っ て やり過ごせる よう に なっ た から かも しれ ない。
これはとてもよく分かる。適当に一日を流してしまうのは本当に勿体ない。
テレビ 番組 に 出 て い なけれ ば「 消え た」 と 言わ れ、 出る と「 飽き た」 と 言わ れる よう だ。 水槽 の 掃除 でも する か。
「水槽の掃除でもするか」の落とし方が、バブル期のエッセイを思わせる。
何処 の 世界 でも 何 かが 無くなっ て た として も、 必ず その 代わり は いる。 代わり の 無い もの で あり たい と 願っ た が それ は 無理 な 話 だ し、 そう 考える 事 は おごり だ と 思う よう に なっ て 随分 経っ た。
自分は自分自身にとってだけ、代替不能な存在だ。
【感想・考察】
とても「スタイリッシュ」な文体だ。
下世話な話を上品に語ってみたり、格好良いことを述べた後はベタな落ちをつけたり「バブル時代のサブカル系」を感じさせるような文章はとても好きだ。
壇蜜という女優はほとんど知らなかったが興味がわいてきた。
【オススメ度】
★★★☆☆