嘘を愛する女
同タイトルの映画のノベライズ版です。切ない恋の物語なのですが、行動力溢れる主人公の由加利がやたらと格好いい話でした。
【作者】
岡部えつ
【あらすじ・概要】
仕事で活躍する 川原由加里が、医師である恋人の小出桔平を母親に紹介しようとした日、桔平はくも膜下出血で倒れ昏睡状態となる。桔平の病床で、彼が語っていた自分の職業も、天涯孤独という身の上も、名前さえも嘘であったことを知らされる。
由加里は、自分と出会う前の桔平のことを何も知らなかったことに愕然とし、その身元を調べるため探偵に調査を依頼する。
桔平の残した写真や小説を頼りに、出身地を探っていく由加里は、彼が由加里に隠そうとした苦悩を知ることになる。
【感想・考察】
桔平の残した小説の暖かい家族の姿は、その家族に起こったことを知ってから思い返すと鳥肌が立つような寂しさを感じる。
桔平の過去は重く、そこから逃げ出したくなる心境はとてもよく分かる。それでも「逃げずに曝け出す」決意をした桔平の真っ直ぐさに感銘をうけた。そして、彼を支え導き、その決断を受け入れようとする由加利の強さが、ひたすら格好いい。
【オススメ度】
★★☆☆☆