さるでもできるKindle電子出版: 20冊以上のKindle本を出版した筆者が、KDPアカウントの登録方法から、キンドルに最適なファイル作成まで、電子出版に必要な情報をすべて公開!
【作者】
海河童
【あらすじ・概要】
Kindleで個人出版する方法について、Amazonへの登録方法からマーケティングまで細かく説明している。特に役に立った(あるいは今後役に立つかも)部分をぴくあっぷします。
・KDP(Kindle Direct Publishing)への登録方法
相当細かい部分まで解説してくれている。本書を読むときは細かい操作部分は流し読みだが、実際に登録するときがあれば参考になるだろう。
・価格設定について
「独占販売とするか否か」、」本の価格をいくらに設定するか」で35%と70%の2種類のロイヤリティーがあることを初めて知る。また Kindle Unlimited のサービスインで読まれたページ数による報酬も導入されている。本の種類やターゲット、ボリュームなどでとるべき戦略がそれぞれ違ってくるようだ。
またキャンペーンによる値引きや無料期間の使い方も実例紹介している。この辺は頻繁に状況が変わりそうなので、実際に登録する段階で調べる必要があるだろう。
・登録用ファイルの編集
テキストファイルやWord などから、ePub経由で mobiファイルに変換する方法、PowerPoint で表紙を作る方法、CSSの編集方法等を説明。このあたりは普通にPCを使っている人であれば問題ない部分だと思うが、躓きやすいポイントを実例で紹介しているので実際に登録する場合は役に立つかもしれない。
「リンクは意図せず動作してしまわぬように敢えてむき出しのURLにしている」など具体的で実際にやらないと気付かないヒントもたくさんあった。
・コンテンツの作成
中身は書きたいものを書くしかないが、「自分が持っている経験」とくに「ニッチでマニアックな興味」であれば、ある程度の読者が見込める。
・電子書籍の強み
①内容を常にアップデートできること。本書のようなノウハウ本は状況の変化に対応してもらえるとありがたい。ただ現行では重大な修正以外は、読者の能動的なダウンロードが必要。
②初期以外に販売のコストが掛からないので、ロングテールでの販売が期待できる。完全な成功報酬でプラットフォームを提供してもらえることはありがたい。
③リンクやメールなど、ネットと連動した仕組みを使える。読者登録による情報提供や、リンク活用による本文のデータ量削減、さらにリッチなコンテンツへの誘導など、紙の本では実現しにくい機能を使える。
【感想・考察】
出版の敷居が圧倒的に低くなっていることが肌感覚で伝わってくる。
PowerPointの操作説明などちょっと「冗長すぎる」ところも多々あったが、そういう部分が逆に「こんな簡単なことなら俺でもできる」的にハードルを下げる効果を出しているのかもしれない。
価格設定について、「Kindle が読まれたページ数による報酬」という仕組みを導入していることは知っていたが、これを受けて作者側が「ページ数の水増し」を行うような流れができるのはイヤだ。「短くて内容が凝縮された本」が好きだ。
自分自身で「本を出そう」という考えはなく、軽い気持ちで読んでみたが、何かやってみたい」という思いが出てきた。