死なない生徒殺人事件 〜識別組子とさまよえる不死〜
野崎 まど
プロローグで「俺は”人に物を教える”という事を、舐めていたのだ」とあるが
教師としての反省を超えた意味が込められていることに気づいた。
不死となってしたいことは勉強だという。
この作者は”知る”ということに、並ならぬ情熱を持っているようだ。
ここまで読んだすべての作品に、限りなく多くの事を知りたいという好奇心の爆発を感じる。
ミステリっぽいストーリー運びだが、最後まで読むと純粋な謎解きでは無い。
ただひたすら引き込まれる話だった。
四角形と五角形の中間の図形というモチーフも頭を離れない。
読者の知識欲や好奇心を刺激する作者だ。